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VRは普及する?しない?

XR Kaigi2020に登壇させて頂いて、こちらのtweetがたくさんRTされました。(やのせんさん、取り上げてくれて有難うございます!)
この件、しゃべりっぱなしじゃなくてテキストで残しておきます。

VRの普及を阻む3問題

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VR買ってみたけど押し入れでホコリかぶってる人、いませんか?起動まで手続きが多いとちょっとしんどいですよね。着け続けるのも重たいし。現代のフリクションレス生活と相性が悪い。

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いま、日常は超マルチタスクになってます。バーチャルカンファレンス!って意気込んで参加してPCでメモすら取れないの、しんどいですよね。現実が見えないと、安心してできなかったり怪我をしそうになったり。

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VRの良し悪しは体験しないと判らないもの。しかも日進月歩で進んでいるから、1年前の体験と今の体験が全然違っていたりします。「ねえねえ、ちょっとこれ見て!」って気軽に見せたり、SNSで共有してバズったり…ってVRはしづらい…。

一気に普及する技術は便利な技術

今さらスマホの無い生活、Suicaの無い生活、スマートスピーカーの無い生活に戻りたくないですよね。子どもからご年配まで一気に普及する技術に共通するキーワードは「便利」。VRって初見のインパクトすごいけど、日常使いとするには不便なことが多いと思います。
VRがもっと軽くなったら、安くなったら、画素数が上がったら…という要望はXR業界にいるとよく聞きますが、問題の根本はそこじゃないんじゃないかなぁ。
VRヘッドセット持ち歩かないといけなくて着け外しが面倒で。他のことがほぼできなくて。人に体験共有ができないから内容が伝わらない。この辺がクリアされないと便利にならないのでは。

えっじゃあVRは普及しないの?

VR単体で考えるのではなく、VR・AR・MRなどを包括したXR技術として考えるとめっっっっちゃ普及すると思います。

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人の視聴覚を拡張して、一生で学べる量・遊べる量が劇的に増えて、遠隔にいる人ともあたかも同じ場所にいるように過ごせる技術がXR。これが来ない訳がない!絶対次世代のインフラになります!
この、いずれ来る未来に普及するデバイスを、便宜的に高度なXRデバイスと呼んでいます。

高度なXRデバイスとは

・朝から晩までメガネのように装着できてバッテリーも保つ。
・透過率を自由に変更できて、100%仮想にも100%現実にもできる。
・PCやスマホの機能を内包しており、その場で仮想デバイスを操作できる。
・使用者が共通のAR(XR)サーバにつなぎ、仮想物体を大勢で共有できる。

これを念頭に置くと、3問題は解決します。
終日つけっぱなし → Frictionが解決!
現実が見えて業務ツールは全部XRでできる → Single Taskが解決!
共通のサーバで仮想情報が共有できる → Non-Sharingが解決!

これに近いものはぼちぼち出てきているんですが、まだクオリティが至っていないので引き続き技術の進歩を楽しみに待ちましょう。これが普及した時に、現在のVRのインフラ・コンテンツ・運用ノウハウなどが一気に花開くことを予想しています。

適した時期を見計らい適したVRを作る

高度なXRデバイスがいきなり完成する訳じゃないので、VR会社的にはこの未来に向けて時期を見計らった手を打って行くのが生存戦略になっていますね。
3問題が比較的影響しない領域でシェアを拡大するとか、不便さを超えるほどのコンテンツでファンを熱中させるとか、一旦はシェアの大きいスマホのバーチャルワールドでカルチャを作るとか。
今の時点で価値があり有用で、しかも未来にはもっと大きくスケールする、とするためには、この未来予想のどこにポイントを刻むかが勝負どころとなる、と思っています。

ハシラスが作った「キネトスケイプ」という新コンテンツは、VR商談に使えるもので、3問題を踏まえて現時点で高い実用ビジネスツールになっています。今後あちこちに出ていく予定ですが、やらないとわからないものなので、田端・西日暮里付近にいらした際にはチラッと見て頂けると嬉しいです。

それではまた!

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