思考の蛇口／いつもの想像／スチューベン

2021年11月6日 土曜日

最寄り駅まで自転車を漕いでいると、突然、疑問が浮かんできた。こんな薄っぺらい車輪二つで、どうしてこんなに安定して進むんだろう。考えていたら漕ぐのを忘れてしまっていたけど、ここは緩やかな下り坂なので、何もしなくても車輪は勝手に転がり続けた。自転車に乗っていると、シャワーを浴びているときのように考えごとに脳を持っていかれてしまうときがあって、気をつけないと危ないよねと最近思う。気持ちいいから、思考の蛇口が緩んでしまうのだと思う。考えごとが頭蓋骨の中にトポトポ注がれて、脳が浮かんでしまって、そのせいで注意力とかは抑圧される。

昨日からクリームティーをしたいと思っていたけど、色々なことを考えた結果、おいしい紅茶だけ飲めればそれでもいいやと思い、喫茶サテラを最初の目的地に設定した。ここではUf-fu(ウーフ)の紅茶を扱っていて、僕はノエル、友達はアールグレイを注文した。友達のを少し味見させてもらって、ピュアで鮮やかなベルガモットの香りに驚いた！　紅茶はそんなに詳しいわけではないけど、他のアールグレイとは違う「Uf-fuのアールグレイ」なんだろうと感じた。山椒みたいだなと感じるくらい爽やかだったのだけど、ベルガモットも山椒も同じミカン科の植物だから、おかしくはない。

ファーマーズマーケットを通り抜けると、食用ほおずきを配っていたのでもらって食べた。甘くてオレンジジュースみたいな味がして、でも後味はトマトだったよねと話した。ほおずきはトマトと同じナス科だそうだ。初めて食べたほおずきに小さな感動を覚えながら、青山ブックセンターへ。近くに来ると必ずと言っていいほど毎回立ち寄ってしまう。おもしろそうな本がたくさんあるので、好きなペースで好きなだけ本を読めたらなと想像する。中に入ると外界の時間が止まって、ここには僕しかいなくて、本を漁っているうちはお腹も空かず、眠くもならず、老いもせず、気の済むまで読みたい本を手に取って、本屋の外に出ると、また世の中の時計が進み始める、そんなからくりがあったらいいのに、と毎回思う。

そのあとはスパイラルに寄って、エスパスルイヴィトンに寄って、NUMBER SUGARにも寄った。（渋谷-表参道-原宿のトライアングルを巡る、模範的な散歩をしたなと思った。）12番のブラウンシュガー味が一番好き。11番のマンゴー味と一緒にふたつ買った。いつか「自分が12種類の味のキャラメルを作るならどんなラインナップにするか」という話で親しい友達と盛り上がりたい。友達が「寄り道して買える大人の駄菓子って感じ」と言っていて、たしかに！ と思う。買ったキャラメルを口の中で溶かしながら渋谷へ向かっていると、八百屋さんでスチューベンが一房300円で売っているのを見つけて買ってしまった。皮がやわらかくて、種も大きくはなく噛み砕いてもそんなに渋くないので実を丸ごと食べることができる。普通のぶどうより食べやすいところが好きだ。この前、たまたま別の八百屋で見つけて、物珍しさから買って食べたのをきっかけにハマっている。

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タイトルの付け方は、友達のをパクりました。
https://note.com/ogrnp/

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