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クリニックはダークウェブ

今朝 「クリニックと結婚」という投稿をさせていただきました。それの続編です

医療についてはインサイダーとは言え やはり自分のミクロな環境(診療形態と診療科と地域)に縛られた視点にとらわれがちなので 医師以外の書いた書籍をランダムに手に取り、医師以外は医療をどのように見ているのかを定期的に情報収集するようにしています。 もちろんそれはマクロ的な書籍もあればミクロの視点のものもあります。 今回はコロナ禍に関する視点で書かれたものです。その中でわかりやすい喩えがあったので一部抜き出しをさせていただきます

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具体的にどのようなメカニズムで医療逼迫が起こるのでしょうか?一橋大学経済学研究科/国際・公共政策大学院高久玲音准教授の説明が優れていますのでそれに基づいて解説しておきましょう。准教授によればコロナ患者の病院間での受け渡しを「上り」と「下り」の概念に分けて考えることが重要ということです。すなわち中小病院などに受け入れられた軽症者や重症度患者が重症化した場合、大病院に速やかに入院させられるのが「上り」、大病院の重症者が軽快した場合速やかに中小病院等に転院させるのが「下り」です・「上り」は重点医療機関に転院させることになるのでどの病院に運べが良いか地域ごとにある程度よくわかっています。重点医療機関の大病院の病床が空いてるかどうか中小病院から問い合わせがすることもできますし重症者の入院調整は基本的に保健所が行うことになっています。感染拡大が進んで地域内の大病院が全て満床となり転院先がないという状況にでもならない限り中小病院とって「上り」はそれほど負担でありません。これに対して「下り」は大病院にとって大きな負担です。重症者が軽快した後の転院調整は基本的に保健所は行ってくれません。一部の都道府県や基礎自治体を除き「下り」は病院同士が直接やり取りして調整してるのが現状です。しかし大病院は地域内に多数ある中小病院にどこに空き病床があるのか把握することは困難です。一般的に一つずつ電話で連絡してあき表紙を探さなくてはなりませんし無理を言って病床を開けてもらうためには日頃の付き合いがものを言います。つまりは大病院から小中小病院の下りは上りと比べ物にならないほどハードルが高いのです。このため軽快して重症者がその後も大量に留まり続ける事態が頻発します。せっかく中小病院の病床が開いていたとしてもそのまま放置されるというミスマッチが生じるのです。

NYAUW的視点

ダークウェブ

皆さまダークウェブという言葉をきいたことありますか?これは違法なもののやり取りなどが行われているということを聞いたことがあるかも知れません。 有名なものはTorですね

しかし、そういったイリーガルな使い方以外にも セキュリティを担保したり 独裁国家の検閲から逃れるためにも使われたりということもあるようです。

いきなりなんか怖い話題になってきて クリニックや医療や患者さん紹介とどのような関係があるのか?と思われたかも知れません。ここでのポイントは 情報化社会でGOOGLEで調べたら何でも調べれるということは大きな誤解ということを知っていただきたいということです。

少し前の書籍なので その数字が今も当てはまらないかもしれませんが 皆さま インターネットで普通に検索してアクセスできる情報はWEB上に存在する情報の何%だと思いますか?たっだ24%だそうです

【医師の幼稚園<73>たった24%ですよ 先生方!!】 NYAUWの現在の形に来るまでに一番理解に時間を割いたのはネットワークについてかもしれません。 ここからしばらくネットワークについて調べたことについて書かせて頂きます。 この知識に...

Posted by NYAUW on Saturday, March 13, 2021


たった24%でも

しかし、そのたった24%でもその情報の解釈は我々は出来ません。 自分の診療科でも専門性が違ったりすると 情報の正しさの判断は出来ませんし、医師ではありますが 一般の患者さんと同じように GOOGLEレビューの星の平均点で判断してしまいます。 つまり その情報は役に立たないということで 目の前にあっても 判断できない情報はダークウェブにあるようなものなのです 自分が他のクリニック情報を探せない(判断出来ない)ように、他のクリニックの医師も 先生のクリニックを探せない(判断出来ない)のです。

上記の書籍の抜き出しの中でもありましたが、いつも付き合いのある医療機関については GOOGLEの評価が高かろうが低かろうが ある程度リアルなイメージを持つことが出来ます。 それは先生とそのクリニックの文脈の中でしかWORKしない関係かも知れません。しかし、たんなる検索結果以上のインサイトをそれぞれの医療機関同士はお持ちなのです。 そこがシェア刺されないことで 医療機関情報はいわばダークウェブ情報になっています。 完璧な情報でなくても 少しでもヒントになるインサイトをシェアすることで患者さんのトータルな受療コストを下げていくことを目指すのが今回の紹介先登録プロジェクトなのです。一回では最終的な医療機関にかかることは出来ないかも知れませんが 紹介先の数珠つなぎをしてあげることで 自分で探すよりもかなり物理的・心理的コストが下がれば幸いです。



2021年09月06日15時43分58秒 (1)

2021年10月28日14時31分31秒_001


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