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染司よしおかの日々

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記事一覧

柳の文様

今回は、柳の文様に注目してみよう。いまの季節、新緑があざやかで、柳葉も身をふるったように…

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常夏(とこなつ)

暑い京都の夏をどのようにすごすか。これは現代だけではなく、千年以上も前の都人もそうだった…

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朱華(はねず)の色

私の染工房の庭にザクロの花が咲いている。新緑の小さな葉のかさなりのなかに、鮮やかな黄味の…

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【過去のワークショップ】奈良文化財研究所「親子のための古代体験-植物で美しい色を…

奈良文化財研究所で育てられた蓼藍(たであい)を収穫し、その葉を使って絹のストールを染める…

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水色(みずいろ)

清らかな流れに出会って、美味しい鮎をたべたい、と思うような季節になってきた。 水色という…

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紅花の摘み取り

(2011年7月12日 吉岡幸雄 染司よしおか工房だより より) 今年も紅花がたくさん咲きました…

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桔梗(ききょう)

この原稿を書いているのは7月13日、早いところではもう桔梗の花が咲いている。今年の季の移ろいが早いだけではない。ここ十年、二十年はすっかり真夏の花になっているようである。 だが、桔梗は秋の七草の一つで、江戸時代の琳派の絵には、芒 (すすき) とともに描かれている例を多く見る。今日も近くの宇治川の川辺に群生している芒を見てきたが、まだ穂は出ていなかった。おそらく8月も中頃をすぎないと出てこないであろう。 桔梗の花は、鐘を上にむけたような形で花冠は5つに分かれていて、淡い青紫

支子色(くちなしいろ)

夏のはじめに白い花をつけてあたりに芳香を放っていた支子は、秋の終わりから冬のはじめにかけ…

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夕顔の色

奈良の知人の邸へ、夕顔の花が咲くのを見にいったことがある。まだ立秋まではひと月ほどある七…

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空五倍子色(うつぶしいろ)

この漢字を読める方は何人おられるだろうか。この空五倍子色の原典は『古今和歌集』にある。「…

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煤竹色(すすたけいろ)

夕闇がせまるころになると、だんだんと冷え込みがつよくなって、火が恋しくなる季節になってき…

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煉瓦色(れんがいろ)

京都に住んでいて、何がいいかといえば、街中からものの十分も車で走ると、緑豊かな山川の景色…

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冬の紅花染め、お水取りに和紙の椿

昨年の暮れから、例年になく厳しい寒さが続いている。京都は盆地なので、底冷えがして、からだ…

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杜若(かきつばた)色

五月の中頃をすぎると、杜若の花便りあちこちから聞こえてくる。剣を立てたような深い緑の葉の重なりのうえに、わずかに赤味をおびた紫の花がのったように咲いている。 京都であれば、上賀茂神社の末社、大田神社の群生がよく知られている。山科の勧修寺の花も見事である。その美しい姿を見ると、誰もが鮮やかな花の色を衣に写したいという衝動にかられるだろう。 万葉の大らかな時代の人は、「住吉の浅沢小野の杜若衣に摺りつけ着む日知らずも」という歌をのこしている。花染、あるいは摺り染という、子供が道