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人生山あり谷ありMとW

さて、私から全てのエナジーが消失しようとしてる頃、何を新しく始められるだろう。
もともと趣味が全くなかったので手当たり次第に何かしてみたけれど、意外となんでもそれなりにカタチになって自分は器用みたい。仕事も信頼されている(ほう)だ。立ち回りが上手く器用だから。
それでも、生活が上手にできない。部屋はすぐ汚くなるし、それを良しとはしていないけれど、社会人をやることだけで精一杯なのだ。洗濯とシャワーを浴びるという最低限のことを守ることしかできない。
自分と向き合うのが嫌いだ。
正確には、自分の人生と向き合うことが嫌いだ。M-1グランプリのキャッチコピーに「人生の主役になれ!」とあるけれど、人生の主役は自分だろうと思ってる。
それでも自分に目を向けること、自分の世話をすることが苦しい。主役だからこそ、まっすぐ進めない。回り道ばかりしていて人生どこにも向かわず小山の登山下山を繰り返している。
そんな、現実逃避ばかりをしていたら、こんなふうになってしまった。
私が私らしくあることを、肯定してくれる人が周りに多いことだけが幸いだけれど、「私らしくありたい」と思っているわけではない。ただ、結果的に自分らしく過ごしていてそばにいてくれる人が存在していることを嬉しく思う。
好き放題している、何もかも。見たいように見て、聞きたいように聞いて、感じたいように感じる。それはひとりきりでは得られないものばかりだ。たくさんの興味を与えてくれてありがとう。
同じものを、同じように受け取れることが、そんな価値観が誰かと近いことを嬉しいと思う。
好き放題していたら、予定は埋まるし、会いたい人にもたまにしか会えなくなるし、話したいことも話し尽くせない。
自分のことを嫌いなわけじゃない。だって「それなり」でいないと、大切な人たちは近くにいてくれない。近くにいていいと思えない。自己肯定感(なんて言葉は嫌いだけど)が低いから、それなりを保ってそばに置いてくれと思う。
何ができたら、そこにいていいのか。仲良くしていてくれるんだろうか。やさしくあれたら、おもしろくあれたら、かわいくあれたら、おかねがあったら、そんなこと求められていないのかもしれない。そんなコンプレックスはなくていいものだと気づいても、無視できるものではない。
人より少しだけやさしくて、おもしろくて、かわいくて、余裕があって、それがむずかしい。私は人生の何分の1かをもう生きてしまった。今からどうにかできるものも多いけれど、どうにもできないくらいこじらせてしまったものも抱えている。
恥ずかしい。
ひとつひとつの吐露が、実に清涼感のない言葉である。とてもじゃないが、おもしろい人が言うことではない。受け手を意識なんてこともしていない。もの好きだけが聞いたり読んでくれればいい。これも、わがままなことである。
一方で都合のいい言葉を選んで覚えているわけじゃない。嬉しい気持ちより悔しい気持ちになるような言葉の方がずっと覚えてる。
それでも、今がいちばん楽しいと思える人生が「それなり」の状態で歩めている。ゆっくりいろんな視点を確認して、少しずつ人生の主役が、主役らしく進んでいく。なんでもコツコツらしいから。
人から見たら、活動してる方だと思うこともあるだろう。「好き放題している」ことをそう捉えることもできるだろう。賞レースや大会へのチャレンジがわかりやすい。けれども私にしたら、それは一つの手段だ。険しい山を登ろうとしているのではなく、目の前の小さな問題を解決しようとしている。経験値の低いモンスターでも倒し続ければレベルは上がっていく。貪欲に泥臭く、小さな問題を解決しようとしている。コツコツと。
高い景色への憧れがあれど、絶対に見たいわけじゃない。身の程も、わかってくる年齢だ。それなのに、あれがしたいこれがしたいなんて野心ばかりが溢れてくるから厄介で。
運さえあれば、山頂に辿り着くこともあるだろう。回り道ばかりはしていられない。でもここで、回り道が生きてくることはあるのかもしれない。それなりに生きてきたら、それなりの実力がついてきているかもしれない。
そんな過信をできるようになったのも、主役なりに人生を歩んだから。後ろ向きに少しだけ先に歩いたようなものだけど。
そろそろ、前を向いて歩かなければいけない時期なのかもしれない。嫌だな。
自分のことを好きになるのは難しい。それなりなんて思わなくていいような自信が欲しいが、その自信がどこで見つかるのかわからない。何を手に入れたら、一緒に付いてくるんだろう。それがどこかの頂ならいいのだけれど。きっと違うだろう。
自分のことを好きになってもらうことのほうが簡単だと思う。私の好きな人が、私のことを好きだと思ってくれる状態が、ずっとだったらいいな。
大切な人たちがそばにいてくれている理由が、私のことを好きだからだと思いたい。
それなりでいるから、もう少し良いところが増えたら愛されたい。
だって、道しるべがなさすぎる。困ったな。
今度は何を始めよう。結局、小山ばかり見ている。

おわり

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