【今更】SPEC 第8話における当麻と一十一のシーンについて考察

 2020年6月23日にTBSで再放送されたSPEC 第8話において、シリーズ中で初めて当麻と一十一が対面するシーンがありました。録画やCSで幾度となく見てきましたが、今さら気になった点があったのでちょいと考察してみます。

 シーンの流れは次の通りです。

  1. 当麻が冷泉から入手した一十一の住所を訪ね、呼び鈴を押す

  2. 一十一の母親らしき女性が応対。当麻は一十一の通う学校の教師を装う

  3. 一十一が現れ、当麻を認識したところで指を鳴らす

  4. (ここで時間停止中のできごと)

  5. 当麻が気がつくと、一十一とどこかのビルの屋上で対峙している

  6. 当麻による自首の説得。一十一は当麻を両親殺しの爆弾魔と罵って拒否

  7. (ここで時間停止中のできごとその2?)

  8. 当麻が気がつくと、ビルの屋上から落下している

  9. 当麻は地上に落下するもほぼ無傷。地居(左きき)が現場付近に偶然いて、自宅へ運ぶ

  10. 当麻が気がつくと、自室に横たわっていた

  11. 当麻の祖母と地居による9の説明

 ここで疑問となるのは次の2点です。

A)時間停止中とは言え、少年ひとりだけで当麻(と、たぶんキャリーバッグ)をビル屋上まで運び込めるのか
B)ビル屋上から落下したにも関わらず、当麻がほぼ無傷なのはなぜか

 初見の時は、Aは頑張って運んだ(そういう疑問は挟まないのがSPECのお約束!)として納得し、Bについては、一十一は当麻を脅しただけで、実際には着地寸前にもう一度時間停止してそっと下ろしたのだろう、と思っていました。

 結末を知っている二度目以降は、Aは変わらず「頑張って運んだ」のままで、Bについては、一十一は本気で殺そうとしたものの、地居がこっそり仲間のスペックホルダーを使って救出したのだろう、と思い直していました。

 今回は違います。AもBも思い直すことにしました。全ては前述の流れ4の部分で完結していたのではないか、と。つまり流れ5以降は全て地居による記憶操作の中の出来事で、現実ではなかったのだ、と考えています。

 そこで、次のように想像してみました。

 当麻の突然の訪問に虚を突かれた一十一は咄嗟に時間を停止しました。当麻を殺害にするにも、母親役の女性の目前であるため、後始末に苦労することを懸念した一十一は、そのまま地居の居場所に向かい、彼だけを時間停止から開放して助力を求めました。
 地居としては、ここで当麻が死んで退場するシナリオを望んでいません。かといって、一十一が納得しないシナリオを提案して機嫌を損ねるのも面倒です。そこで地居は一計を案じました。
 地居は当麻をひと気のない場所に運んで殺害することを提案し、一十一もそれを受諾(地居に丸投げ)しました。ふたりして一十一の家に行ったタイミングで油断した一十一の背後に回り、一十一の記憶を操作。当麻をビルの屋上から落として家に戻り、母親役の女性の記憶操作と転居の手配を地居に命じた、という記憶を植え付けました。
 一方、当麻に対しても同様に、時間停止中にビルの屋上に移動されて一十一と対峙し、説得に失敗して再度の時間停止から落下させられるまでの記憶を植え付け、一十一の家から離れたところまで地居自身で運んだ後、タクシーで自宅に運びました。

 その後は当麻家でのシーン通りで当麻を煙に巻き、一家に舞い戻った後で、一十一に当麻が無事だったことを伝えたものと思います。植え込みに引っかかったとでも言えば、どうとでもなるでしょうね。

 という訳で、時間停止から当麻が自宅で目覚めるまでの間の出来事はすべて地居による捏造、というのが俺なりの結論です。(了)

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