妊娠と帝王切開

3年前に娘を出産した。

子供はいた方がいいと思っていたし、
なにより旦那さんが欲しがっていたので
比較的スムーズに授かれ
私たち夫婦は
とても恵まれていると喜んだ。


妊娠中によくおきるとされるツワリも
私の場合はほとんどなく

穏やかな
といっても行動や食事に制限が多い
妊婦を不自由に感じながらものんびりとした
マタニティライフを過ごしていた。


しかし順調に思われた
私のマタニティライフも
妊娠後期に一変する

胎児の成長が思わしくなく
週数に対してかなり小さい為
クリニックから総合病院に転院となり
転院その日に入院を宣告された。



小さめであることは自覚していたが
個性の範囲だろうと思っていたので
あまりの急展開に私自信がついていけず
病院で泣いてしまうほど取り乱した。


元々里帰りをする予定は無かったが、
予定外の入院生活において
実家のサポートは必要不可欠だったので
実家近くの総合病院に転院させてもらい
入院生活を送ることになる。


胎児の成長を目的とした私の入院は
ただただ安静にとのことこだったので
ひたすらベットの上で
ゴロゴロ過ごす他なく
この約1か月間は人生で1番退屈な日々だった。



私の精一杯の安静の努力も虚しく
胎児の成長はイマイチで
お腹の中にいても
あまり大きくならなさそうなので
産んでから
大きくなってもらおうということになり
正産期に入ってすぐに
帝王切開での出産となった。



私は少しも緊張せずに手術を迎えた


頑張れと声をかけてもらったが
手術において私に出来ることはない。

術後の痛みと闘うことしかできないので
手術に対して緊張したり
気負ったりするのは無意味に思えた。





余裕で挑んだ手術だったが、
術中に気分が悪くなり
不快でじっとしていられず困った

執刀医の先生にも怒られたが
自分でもどうすることもできず、
もう眠らせてくれと懇願したが
赤ちゃんが出てくるまでは
我慢するよう言われ、却下された。

10ヶ月近くお腹の中で
大切に育ててきた赤ちゃんとの初対面が
どうでもよくなるぐらいに
この時の私は余裕がなく

もういいから早くこの不快感から
解放させてくれとひたすら願った。


ほどなくお腹から出てきた赤ちゃんを
看護師さんが私の顔の近くに
連れてきてくれたが
正直それどころではなく

もういいだろ

の気持ちが優って
すぐに眠らせてもらったので
目覚めた時には病室だった。


手術後に看護師さんから
おめでとうございますの声かけと共に

産まれたての赤ちゃんと
引き攣った余裕のない顔をした私の
初対面を記録した写真を頂いた。



赤ちゃんは未熟児だったので
そのままNICUで
預かってもらうことになった。


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