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[2020年5月10日日曜日]ヤマト魂

 『ヤマト魂』なんてものがあるとしたら。
 きっとそれは、事なかれ主義の怠惰太子。
 限りなく中核でまともだぴょん。
 おい、私を誰だと思っているのだ。
 私こそは……。

テツガクちゃん
 ヤマト魂、そんなヒットソングが聴こえてきます。

 外国人に憧れて
 都合よくルール歪めろ
 自分の掟は認めず
 それがヤマト魂

 北のターリン気取りで
 殺って殺って殺りまくれ
 少数派のくせに
 小生意気な連中だ

 嫌なら出てけ
 その前に粛清だー!
 嫌なら辞めろ
 その前に粛清だー!

 オイ 私の言うこと
 きけないっていうのか?
 オイ 私を誰だと
 思っているのだ?


 そんなことを心底深淵では思ってはいますが。
 事なかれ主義ですから。
 火炎瓶を投げ込む誰かを冷笑しながら。
 目の前の腐敗の中で、怠惰と共に眠る。

 つたった涙。
 それは、悲しみではなく、羨ましさ。
 隠していた、本音の味かもしれません。
 
  
肯定
 聴こえてくるね。

 ヤマト人 僕はヤマト人
 僕が怠惰太子でござる
 ヤマト人 僕はヤマト人
 限りなき怠惰だぴょん

 何が正しいのか
 それはわからないけど
 僕が信じる全ては正しい
 それだけはわかってくれ

 何が悪いのか
 僕には全てがわかっている
 だから誰かの言うこと
 それは全て無視してくれ

 ヤマト人 僕はヤマト人
 新時代の北のターリンでござる
 ヤマト人 僕はヤマト人
 限りなき中核だぴょん


テツガクちゃん
 ヤマト人がそう信じるのなら。
 きっと、限りなき中核なんでしょうね。

 善悪が何なのか。
 それを誰かに説けないし。
 誰かの善悪なんか信じない。
 なぜなら、善も悪も本当はないから。

 ただ、自分が信じるもの。
 それだけが、確かに存在して。

 そんなヤマト人はこう謳うでしょう。


肯定
 責任は誰かに押し付けろ
 都合よく誰かの自業自得を決めろ
 そのまま自分の姿を忘れる
 それこそがヤマト魂

 自分の責任と業得は
 僕には永遠にわからないけど
 誰かの責任と業得は
 僕には全てわかっている

 ヤマト人 僕はヤマト人
 僕こそが責任を押し付け
 誰かの業得を決める
 怠惰太子でござる

 限りなくまともだぴょん


テツガクちゃん
 まともでしょうね。
 私には何がまともで、何が普通か。
 全くわかりません。
 もちろん、善悪なんて幻想もわかりません。

 まともなヤマト人だけが、それを知っていれば。
 もう、それで解決ですね。
 
 きっと、まともなヤマト人が全て粛清してくれることでしょう。
 小生意気な少数派なんて。
 全て粛清です。
 
 これこそが新時代の民主主義です。
 そうヤマト人が言うのですから。
 間違いありません。

 あなたはどんな魂を持っていますか?
 『アメリカ魂』でしょうか? ヤマト魂でしょうか?

 私達は魂を捨てました。
 あってもなくても困らないので。

 と、かっこいいことを言おうとしましたが……。
 やっぱり、私達もヤマト魂にしがみついた。
 まともとは程遠い、限りないヤマト人かもしれません。


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それでは、また次の機会にお会いしましょう。


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