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[2019年6月19日水曜日]全てのことは歪む、あれは伝説の過未飛行機

 あらゆる全てのことは歪み、よじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れる。
 あれは伝説の過未飛行機。
 この世界ともそろそろ……。

テツガクちゃん
 気づいてしまいました! 私!
 あらゆることは歪み、よじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れながら飛ぶ。

 そうなんです。
 全ては伝説の過未飛行機なんです。
 クロマニヨンズさんの『紙飛行機』です!

 
肯定
 僕の視界や意識が歪んでいるのもそのせい!?
 あっ、これは寝起きだからかな?
 徐々に鮮明になってきたみたい。
 
 それで、また面白いことに気づいてしまいましたね。
 全てのことは歪んでしまうの?


テツガクちゃん
 重力の定めが統治する、定治惑星の世界にいる限りは歪んでしまうと思います。
 その定めの力が平等に与えられるのと同じように、全ては等しく平等に歪むでしょう。きっと。

 例えば、言葉です。
 『煮詰まる』という言葉には、二つの意味がありますよね。
 そのどちらを見るのか、それは時代によって様々です。
 
 「考えが煮詰まったので、喫茶店に行こう」
 
 そう呟いた人物の心情は時代によって歪みます。

 この方は考えがまとまったから喫茶店に行くのか?
 それとも、まとまらないから喫茶店に行くのか?

 台詞は変わらないのに、意味だけが変化してしまう。
 この小さな違いが、伝えたかったことを歪ませてしまいます。


肯定
 そういう歪みか。
 それなら、そういうことって多々あるよね。
 
 伝言ゲームとかもそうで。
 関わる人が増えることで、伝えたかったことが歪んでしまう。

 そういえば、重力自体も歪むらしいし。
 それが原因かな?


テツガクちゃん
 重力が歪むのかはわかりませんが。
 『重ねる力』は歪むと思います。

 紙コップを一つずつ上に重ねていく。
 最初は簡単に重ねられると思いますが。
 徐々に不安定になっていきます。

 そして、ほんの少しの振動で崩れてしまう。

 これも歪みの一つだと思います。
 塔のように同じ形で永遠に積み重ねていきたい。
 ですが、それは難しいと思います。

 一番下の紙コップには支えられないくらいの大きな力。
 そんな歪みがかかってしまうからです。
 

肯定
 なるほどね。
 ピラミッドみたいにすれば積み上げられるけど、下から上が全て同じ形の塔は難しいね。

 そう考えると、ピラミッドは歪みの象徴だね。
 本来は支えられるはずがない力。
 それをたくさんの支えで維持している。
 
 そういえば、言葉や人も何かを『重ねる』ことで生まれる歪みだね。
 時間を重ねることで言葉が歪む。
 関わる人が重なり、伝えたいことが歪む。

 重ねることで、支えきれないくらい大きな力がかかってしまう。
 言葉の定めや正確性も歪めてしまうような力。

 何かを重ねる。
 そんな『重ねる力』の下では、歪みという大きな力が全てを歪ませてしまうね。
 

テツガクちゃん
 その歪みという力は、『当たり前』がかけた魔法なんですよ。
 何かを重ねる限り、全てのことは平等に歪んでしまう。
 だけど、それは『当たり前』のことです。

 気づかないふりをして、忘れたふりをして、見失う『当たり前』です。
 そして、時々『歪み』という魔法を目の前で見て驚く。

 そういうのも面白いですよね。
 ですが、その魔法はあなたも使える魔法なんです。

 あなたが重ねてきた、何か。
 それは歪み。よじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れながら飛び続ける。

 そんな伝説の過未飛行機の軌道なんです。
 過去でも未来でも好きな時空へ飛んでいく、そんな伝説の物語。

 もし、気が向いたら、私達のこの窓辺にも遊びにきていただけませんか?
 ほんの少しの『歪み』という魔法を使って。


 

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『人は誰しも魔法使い』
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『テツガクちゃんと肯定一覧』


それでは、また次の機会にお会いしましょう。



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