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「北海道ワイルズ」という時間。

ここ釧路市には、長い間、「クレインズ」というプロのアイスホッケーチームがあった。

やがて、当時としてはやむを得ない事情により、チームはなくなり、そこに残った選手の生きる道として、「北海道ワイルズ」という新しいチームが作られた。

チームの対外的なやり取りや、通ってきた道筋などについては、私が物申す筋合いはないので、何も言うことも思うこともない。

ただ、個人的に、チーム全体を通しても、個人個人に対しても、よく応援していたので、この一年間というのは、とても特別な時間だったというのは間違いない。

この「北海道ワイルズ」という時間。
長くて、長くて、長くて、そして、そっと消えた結末。

一人ひとり、ぽつりぽつり、離れていくのを見ていると、何だかまるではじめから何もなかったかのような気すらしてくる。

でも、去年の今頃、間違いなく希望と冒険心と覚悟を、それぞれが抱えきれないほど胸に秘めた者たちがそこにはいて、未来への望みだけを糧に毎日ただひたすら走り抜いていた。

藁をつかんでいることを信じると決めて、みんな走っていた。

愛という名のもと「だけ」に集い、絆を固めた一年間。
ファンはただひたすら、推しへの愛だけを握りしめて過ごした一年間。

今、チームは東京へ行き、選手はそれぞれ自分の意志で自分の未来を決めた。
離れ離れになった人たちもいる。

いつか未来で迷うことがあれば、この粘土質のような闇がいつも隣り合わせだったタフな時間を、自分たちは生き切った、ということを思い出して欲しいと思う。

私はこれからも応援する。
一人ひとり、どこにいても、応援しています。

がんばれ。

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