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3Dプリンター施工は注目すべき技術か?

現場施工への3Dプリンターを利用した例が紹介されていた。

歩道の縁石に3Dプリンターを利用したものである。

試験施工のような形で実施されていたように思う。

標準的な縁石工の施工は、基礎地盤を整えた後、現場打ちコンクリートによる基礎工施工後、プレキャスト製の縁石を設置し目地を仕上げる工程となる。

これを基礎地盤を整えた後、基礎工から縁石および目地までを一括で3Dプリンターによって現地製作をしたものであった。

これによって工程を大幅に短縮することができる。また、工程が短縮されたことと、工種の簡素化は労務構成の簡素化につながり、経済性でもさほどのデメリットにはならないように思われる。

では、3Dプリンター施工は、現場での人手不足の一助になり得るのか。

そのまえに、プレキャスト製品の優位性について確認しておく。

プレキャスト製品は工場で製作される。工場という管理された空間で製作される。それゆえ、安定した品質が保証されているといえる。また、現場施工が簡素化され人手不足、特に専門技術者不足への一助となる。

経済的には、現場製作に対して高額となる場合がほとんどであるが、何を優先するのかによっては、有効な工法であるといえる。

それに対し、3Dプリンターでの施工はどうか。

現時点でのサンプル数は限られているが、工程での優位性は示された。

では、現場での技術者不足を補うことに繋がるのか、と考えるといまひとつピンとこないことろがある。

使用する材料の品質は確保されていることを前提として話を進めるが、現場で要求された品質と出来形を確保するためには、3Dプリンターを使いこなすだけの技術を持った専門技術者が必須ではないだろうか。

現時点ではそのような専門技術者が十分に確保されているとは思えない状況である。

しかし、ドローンによる測量にしても同じような経緯をたどってきたのではないだろうか。今でこそ、ドローンによる測量が頻繁に行われるようになってきたが、かつては、ドローンを使用した測量技術はあったものの、それを使いこなすだけの技術者が不足していた。

3Dプリンターもまだまだ始まったばかりの技術である。これから伸びていくだけのポテンシャルを秘めていることも十分に考えられる。現時点での評価で判断してしまっては、気がついたときには置いてけぼりを喰らっていることになりかねない。

今後の動向に注目していきたい。

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