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VRアドベンチャー『ダウン・ザ・ラビットホール(DOWN THE RABBIT HOLE)』の感想

先日参加したベネチア国際映画祭「Venice VR Expanded」でデモ版を体験してクオリティが高かったので、Oculus QuestでVRアドベンチャー『ダウン・ザ・ラビットホール(DOWN THE RABBIT HOLE)』を購入して全編を体験してみました!その概要と感想をご紹介します!

トレイラー

Oculus Store掲載ページ

※Oculus Storeでは1,990円で販売されていました。

Venice VR Expanded紹介ページ

概要

このコンテンツは児童文学の『アリス・イン・ワンダーランド』にインスパイアされた世界観を、VR空間内に表現したVRアドベンチャーです。ゲームコンテンツではありますが、児童文学の世界観から作られているだけあって、ストーリー性もあるコンテンツになっています。

物語は古い家の中で、主人公の少女が失踪したペットを探しているうちに、ワンダーランドへと続く穴の中に落ちてしまうシーンから始まります。

体験者は深い穴の中の真ん中にいるような感覚で作品を体験することができ、体験者を取り囲むようにそれぞれのシーンがジオラマの形で360°に展開していきます(上を見上げると穴の入り口が見えます)。体験者は主人公の少女をコントローラーで正しい道に誘導していくことができ、ウサギや、大きな芋虫、チェシャ猫、擬人化されたトランプなど、『アリス・イン・ワンダーランド』でもお馴染みの様々なキャラクターに出会っていきます。その中でただストーリーを眺めるだけではなく、色々な仕掛けや謎解きをクリアしたり、隠されたアイテムを拾い集めたり、複数の選択肢から選択をしていくことで前に進んでいくことができます。

感想

私は普段、基本的にVRゲームではなくVR映画のコンテンツを見ることが多いのですが、このコンテンツは映画祭でも取り上げられるだけあって、映画的なストーリーの要素が強くて面白かったです。

色々な場面の世界観がとても繊細に作り込まれていて、アニメーションのプロダクションのクオリティも高く、表現が素晴らしいと感じました。インタラクションが画一的ではなく、様々な仕掛けや謎を解いていくような形になっていて、直観的な操作で楽しめるのも良かったです。

そして特に参考になったのが、体験者を飽きさせないための仕掛けです。私は購入後2〜3日かけて一気にエンディングまで行ったのですが、ゲームの途中でアイテムを十分に集めきれていなかったので、今一つ盛り上がりに欠けるエンディングになってしまいました(アイテムの集まり具合によってエンディングが変わるようです)。なのでもう少しプレイを続けて、よりパーフェクトなエンディングを体験してみたいという気にさせられました。

おそらく今後Oculusなどのプラットフォーマー自体が、こういうリピート率の高いコンテンツを評価して良い位置に掲載していくと思います。同じプラットフォームの中で展開していく以上、VRゲームだけではなくVR映画においても一回見て終わりではなく、何度も見てもらえるような仕掛けを作っていくことが大事になるのだろうなと思いました。

そのチャレンジの一つが、物語の途中で選択肢を設けることによってマルチエンディングにしていくようなVR映画や、先日のnoteでご紹介したSHA SI DA MING XING (KILLING A SUPERSTAR)のように、コンテンツの時間軸を自由に行き来して謎を解いていくようなVR映画なのだと思います。撮り方だけではなく、こういった仕掛けの部分でも、従来の映画とは異なる発想で試行錯誤していく必要があるなと改めて感じました。

以上、VRアドベンチャー『ダウン・ザ・ラビットホール(DOWN THE RABBIT HOLE)』についてご紹介させて頂きました!

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