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ワクワクする除幕式を企画する方法とは?未来志向型除幕式について書きます。

こんにちは、地域活性PRプランナーで「全国除幕式データベース」管理人のてつやです。前回の記事で約100年前(大正8年)の滋賀県日野町で開催された「蒲生氏郷卿銅像除幕式」を解説しながら除幕式のフォーマットが100年変わっていないことを書きました。

今回は、ワクワクする除幕式をどうやって企画し、開催するか?未来に繋がる除幕式「未来志向型除幕式」とは?について書きたいと思います。

除幕式を行うために考えること

まず、除幕式を行うために考えなければいけないことを、項目にして書いてみます。

1、除幕を行う対象を何にするか?
2、除幕するモニュメントは何にするか?
3、モニュメント建立のための組織(会)を編成する
4、資金を集める(自治体などの助成金や個人寄付、クラファンなど)
5、制作をしてくださる作家先生を探す
6、揮毫を依頼する方を探す
7、寄贈先の選定
8、除幕していただく方の選定
9、モニュメント建立の全体像が決定した段階でプレスリリースを打つ


だいたい上記のことを、机の上に紙を置いてひとつずつ書いてみると、現状何が足りないのか?何を考える必要があるのかが分かります。これが除幕式全体の設計図になりますので、大切なところですし、最初に企画者がワクワクする時でもあります。ひとつずつ、見ていってみましょう。

1、除幕を行う対象を何にするか?

これは最初に考えることで、しかも一番重要なことだと思います。ある何かを除幕する場合、個人的な思いや感謝の気持ちを持つ特定の人物や事象を対象とすることもありますが、大勢の人たちが同じようにポジティブな気持ちを持つ人や事柄に対して「顕彰」(=「褒め称える」)し、「モニュメントを建立」→「除幕」する方が、地域を盛り上げたり、活性化するキッカケを生み出すことができます。

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2、除幕するモニュメントは何にするか?

「除幕する対象」=「顕彰する対象」が決まったら、今度はどんなものを作って顕彰するかを考える必要があります。通常は、銅像やモニュメント、記念碑というのがポピュラーです。ただ、せっかくみんなで集まって、記念して作り上げるので、色々なアイデアがあったほうが楽しいですし、末長くその地に残るモノなので未来の大切な人たちのことを思って企画したいものです。そのことが素敵な思い出となって地域全体を盛り上げることにつながります

ここで、ひとつの参考となる事例をご紹介です。
昨年の2020年6月30日、埼玉県深谷市で新一万円札の顔となる「渋沢栄一」翁の顕彰を目的に、アンドロイドの渋沢栄一さんを制作した除幕式が行われました。

この企画は、全国展開するカフェで有名なドトールコーヒーの創業者で、深谷市出身の鳥羽名誉会長の発案・寄付で、アンドロイド制作に大阪大学の石黒先生が関わった大変大掛かりなものでした。石黒先生は国内におけるアンドロイド研究の第一人者で、マツコ・デラックスさんのアンドロイド「マツコロイド」監修などもされてましたね。

実際の除幕式では、深谷市長をはじめ、発案・寄付の鳥羽名誉会長や石黒先生が出席・除幕を行い、マスコミも多く集まるとても賑やかな式典になりました。

この除幕式の企画が素晴らしいのは、やはり顕彰のモニュメントをアンドロイドにした点ではないでしょうか。銅像や記念碑は、その素材ゆえに特別なメンテナンスが必要なく、何十年・何百年にわたって、そこに「在る」というメリットがあります。

一方、今回の「渋沢栄一アンドロイド」には、銅像や記念碑にあるメリットはないものの、将来の日本のロボット工学の発展にも貢献するという点において、未来志向型の除幕式企画と言えると思います。強い集客力と話題性もありますので、地元の子供たちをはじめ、多くの若い人たちが「渋沢栄一アンドロイド」に接触し大きな興味と関心を持つことによって、今後ロボットを作ってみたいと思うキッカケになるかもしれません。

企画者の目線からすると、完成・除幕するのまでの道のりは決して平坦ではなかったと想像します。しかしその苦労は、大勢の人たちに夢や希望を与え、将来の大きな期待にも繋がる、関係者の間だけでは収まらない素晴らしい除幕式企画だったのではと思います。

次回は、モニュメントを建立するための座組みづくりについて書いてみます。

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