在庫不況な予感

冬の醍醐味といえば、澄んだ空気とそれが織りなす景色-東京でも見える富士山や星空-だろう。だが、市場環境は冬空とは打って変わって常に暗雲が立ち込めている。

特にひどいのは半導体で、今日の日経新聞だけでも朝刊と夕刊でそれぞれ在庫について話題になっている

半導体不足が発生したため作っても作っても足りない状況が改善しむしろ作りすぎてしまっている、と読めるだろう。

国内にとどまった話ではないのではないかと勘繰っている。鉱工業の在庫循環図を見ると、2021年第四四半期より、在庫積み上がり局面が続いているが、それでいて出荷はいまいち伸びていない。

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/b2015_202211refsj.pdf
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/b2015_202211refsj.pdf

ここで気がかりなのが、各メーカーの2020年Ⅱから続く在庫を積み増していく方針だ。在庫を増やしているからにわかに景気が良く感じるが、これは将来売り上げにつながる在庫なのだろうかというのが非常に気がかりなところである。

在庫を持つ機運が高まれば見かけ上の生産量は増える。しかし、最終的にその在庫を売り上げに変換しなければならない。変換することができなければ、在庫はやがて経営の圧迫材料となる。つまり、将来の総需要が増えない際に行う在庫投資は単なる需要の先食いに過ぎない
残念ながら、金利動向などを見てもどちらかといえば需要を先食いしているだけにしか見えないのだが果たして。

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