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今日は三体あるんで早退します。

三体

三体に私の世界が侵食されている。三体を読むために移動時間を捻出し、早急に仕事を終えている。この日常のスキマ時間を捻出する活動を維持するために睡眠を取らなければならない。私は毎晩泣く泣く本を閉じ、夢でゴーストカウントダウンにうなされている。
先週、予定の前に本屋に寄ったら「三体」の文庫本をみつけてしまった。先々週NETFLIXで見終えたばかりである。ドラマ版はさくっと見れた結果、全然これからじゃねぇか!ってキレた気がする。単行本発売時に先輩から「やばい」といわれて薦めらていたが、あまりの厚さに嫌気がさしていた。そのうち2部(上下)、3部(上下)、ゼロ、とゾクゾクと刊行された。結果、私の選択肢から読みづらそうな本となり好奇心より持ち運びの不便さが勝ち、脳みそから消え去った。
それが手元には文庫本で出ている。しかも1冊である。ドラマ版も見たし、さくっと読めそうと手に取った。そこから「三体」に侵食されている。
「三体」の何が面白いって、話のテンポである。めちゃくちゃに早い。止まらない。ずっと敵が変わり続けるうちに壮大なXが現れて、点と点が繋がる。このSF(Sciennce Fiction)はどこまで広がっていくのか。この世界に「解」はあるのだろうか!?
このSF(Science Ficiton)てのが最近キーワードになってます。三体にはめちゃくちゃ物理用語が出てきてマジでチンプンカンプンである。ただ私は多少の宇宙偏差値を有している。なぜなら「宇宙人の出会う前に読む本」を読んでいるので宇宙偏差値は並であるはずだからだ。

宇宙人の出会う前に読む本

「三体問題」ってのがそもそもありまして、これは3つの惑星の惑星移動関係を算出することはできるのかって話でありまして、結果的にいうと誰も現在までで算出できていないって話らしいです。地球は太陽を中心とする銀河系で回っているのですが、これはとてつもなくでかい太陽とその他の惑星って関係性になっているので2惑星間の問題になっているらしいです。これはそれぞれの惑星が引力によって周回できるって話らしいんですがこの問題にもう一つ惑星が加わると、それはカオスになるらしいです。よくわかりません。要は「三体問題」は現実宇宙でもどこかで起きている問題なんですがそれは今現在でも誰も解けてないってことです。

この宇宙人に出会う前に読む本ってのもかなり面白くて、文系の私に物理学や宇宙に興味を持たせる非常にいい本でした。数々の物理用語を説明してくれています。もし宇宙人にあった時に自己紹介する時には「名古屋からきました!」などとちっぽけな地球の一地域の焦点を当ててもどこなのか意味不明です。「獅子座の尻尾の星」からきましたと紹介するべきらしいです。
時計はなぜ右回りなのか、カレンダーはなぜあの形なのか、だとか日常に疑問を持つともっと科学が面白く感じますよって本です。
この本読んでから科学っておもしろ!ってなってます。
しかも「三体」読んでいるとここで扱った単語がポンポン出てくるのでこれは「宇宙人と出会う前に読む本」でやったやつだ!という点と点が繋がる瞬間を幾度も体験できます。

スチャダラパー & STUTS - Pointless 5 feat. PUNPEE

海朋森Hiperson - 春风 (「现场音乐1.0」Live Performance Video)

ハイパーソンって中国のバンドをみつけた。
ここ最近はずっとくらってた。先日YOUTUBEで発見、そこから和訳サイトもみつけて、歌詞を読み込み、来日情報をゲットし初来日公演に参戦、現場でサイン入りLPをゲットした。この間3ヶ月。短期的にここまで全部できたのはインターネットの力である。点と点を一気に繋げた。これはこれでめちゃ気持ちよかった。

リリース情報には和訳まで乗っけているのでめちゃくちゃありがたい。このバンドは音楽も歌詞もグルーブも全部良い。特に歌詞が、一応フィクションとしているらしいんですが社会風刺なのかと勘繰ってしまう。

毎日の進軍(每天的行军)
向前走、向前走!
运动的惯性朝向的就算是未来吗?
战斗、战斗、战斗!
“生存就是战斗,经济就是战斗!”
向前走、向前走!
失焦的自光看见的就算是未来吗?
战斗、战斗、战斗!
“生存就是战斗,经济就是战斗!” 他们相信

進め、進め!
運動の慣性の法則が向う先は、未来と言えますか?
戦え、戦え、戦え!
「生きることは戦うこと、経済とは戦うこと!」進め、進め!
焦点がぼやけた視線の先に見えるものを未来と言えますか?
戦え、戦え、戦え!.
「生きることは戦うこと、経済とは戦うこと!」と彼らは信じている

Panda Record /成長小説

この熱量がかっこよくて革命を起こそうと考えていた思春期を思い出している。このバンドがこんなかっこいいのも社会的背景が少なからずあるのではとますます中国のバンドを掘りに掘りまくっています。
本当にかっこいいので聴いてくれ。これに影響受けちゃって各国(日中韓)のバンドを掘ってたのでプレイリストを作りました。

2020240628プレイリスト

読書と暴動

社会情勢は音楽に多少でも影響が出るとは思いますが、いやまてよもっと過激なバンドがロシアにある。プッシー・ライオットである。

Pussy Riot - Putin's Ashe

https://youtu.be/ni_CRPAw_5Q?si=OOQzpWPUV7RzRdkI

そのプッシーライオットのフロントマン、ナージャ・トロコンニコワが書籍を出していました。読書と暴動。今の私の気分にピッタリ。そう私は私自身が革命になるのである!
これは著書のアクティビズムの10のルールを書いた本なんですが、あまりにも思想及び引用元と実施例が多すぎて、かつ規格外。情報がパンクしてます。めっちゃパワーがある。
彼女の中でのルールとそれが基づいた言葉(思想家など)、加えてその実践例、そしてその実践例のヒーローとなった人たち。この実践例が全部やばい。バンドを作って、芸術的音楽活動し、刑務所に行き、メディアを設立する。実践例が全部強い。

ダダ詩の作り方
新聞紙を手に取れ。
ハサミを手に取れ。
その新聞から君が作りたい詩と同じ長さの記事を選べ。
その記事を切り取れ。
次にその記事を構成する言葉を注意深く切り取りすべてを袋の中に入れる。
優しく振れ。
次に切り取ったものをひとつずつ次々に取り出せ。
それらを袋から出た順番にしっかりと写せ。
その詩は君に似ているだろう。
ここに君あり一魅力的な感性を持った限りなく独創的な著者だ。たとえ大馬鹿どもには真価を認められなくとも。

読書と暴動

気になったものを全部切り取り、全部シャッフル、それを取り出した順番に写す。これがダダアート。かっちぇえ。これで私もポエマーだ。

刑務所で頼りない人間でいることは不可能なのだ。危険はそこにある現実だ。あなたは人生のために戦わなければならない。自分の人生のために笑顔で戦うのだ。幸せを取り戻すために。さもなくば死んでしまう。肉体的に、あるいは自分自身の無気力に埋もれて。あなたは状況を明晰に把握しておかなければならない。政府は私からこの年月を奪おうとしている。オーケー、そういうことなら私には何ができるだろう?人間の一生はあっという間だ。私は早いうちに(14歳かそこらで)悟った一ただ生き延びるだけなんてまっぴら、そうではなく生きたいのだと。エーリッヒ・フロムの言葉で言えば、私は所有するより存在したいのだ。

読書と暴動

哲学者エーリッヒ・フロムの所有志向と存在志向であれば、私も存在志向でありたい。

2000年にフックスが発表した『オール・アバウト・ラブー愛をめぐる13の試論」はクソ最高だ。この著作は、階級分析、連帯と思いやりを求める歌うような呼びかけ、精神分析、ポストコロニアル・フェミニズム、他者に奉仕することの高潔な喜び、シスターそしてブラザーフッドの叫びを見事に結びつけてみせる。共同体精神の称賛と個人的な自由の切望が手と手を取り合っているのだ。

読書と暴動

最終ルール10では、インターセクシュアル・フェミニズムに言及し、愛とフェミニズム、政治活動を全部結びつける。強すぎる。フェミニズムが女性だけのものではないと言及している。めちゃくちゃにわかる。
この世界を憂い、奇跡を起こすしかない。この奇跡は革命であり、革命は自分自身がなるしかないらしい。私が革命である!!
と触発された私は選挙権を行使するために都知事選挙に足を運んだのである。

2024年七夕都知事選挙

選挙はまじで面白いぞ。みんなまじでやった方がいい。期日前投票よりも選挙日に行くのがおすすめ。だってお祭り感あるし。やり方は簡単、投函された投票権を持って小学校なりどっかに行くだけ。それだけ。
最近わかってきたのが有権者の私たちにわかりにくい公約とか言われている、またはとどいてねぇ、この時点で政治家が悪い。投票してほしいならお前らが来い。電話でもしてこい。営業をかけろ。こちらは民主だ。のマインドでやるぐらいでちょうどよいってこと。
告示より演説やメディアで発信している内容が選挙日になるにつれてブラッシュアップしていく感じが全員あります。1ヶ月ぐらい新聞や情報追っていると何したい人なのか見えてきます。そんで最終選挙日にBETです!蓋開けたら全然世論はちげぇ!!ってなって自分の存在のちっぽけさとインターネットでのエコーチェンバー現象を経験し、あぁこの世界は私が変えないといけないと思い、社会という仮想敵を作り上げるのです。

台湾旅行

そんなこんなで民主主義を行使した後に私は海外に思いを馳せ台湾への旅行を計画したのでした。
「台湾に行くんですけどおすすめありますか?」最近おはようの次に言ってる言葉かも。友人と行くんですけど友人が九份に行きたいらしいんですね。でも私前回いってるんですよ。んで人多すぎたし、台北から遠いし本当に行くべきなのかは疑惑があると思うんですよ。でも東京に住んでる身からして、いや渋谷は一回行ったから行かなくてもよくない?っていう「経験したから行かない」って判断はあまりにも横暴と考えました。ので、まずは九份ってなに?ってしらべてから行こう。そうしよう。
九份ってのは昔の金瓜石での黄金発掘事業で発展した地域の繁華街だった町らしいんですよ。千と千尋じゃないっす。ほんでこの金瓜石の当時の生活をテーマにした「無言の丘」って映画がありまして、これが新宿で初の劇場公開ってんで足をはこんだわけです。

無言の丘

あらすじ
大正時代末期~昭和初期、日本統治下の台湾。チュウとウェイの小作人兄弟は両親の葬儀費用のために地主と不当な長期労働契約を結ばされていた。ある日、ゴールドラッシュの噂を聞きつけたふたりは村を抜け出し金瓜石へ向かい、未亡人ズーの家に部屋を借りながら、日本人が管理する鉱山で金採掘に従事する。劣悪な環境で働く鉱夫たちの楽しみは、近くの九份街の娼館で女を買うことだった。弟のウェイはそこで下働きする、あどけなさの残る琉球娘の富美子に惹かれ始める。富美子は館の雑用係・赤目を兄のように慕っていた。娼館のママは、鉱夫たちが持ち出してきた金を街へ持って行っては現金に換金し、私服を肥やしていた。
やがて金の無断持ち出しに対する取り締まりが厳しくなると、鉱山管理者による捜査は富美子たちへ及ぶ。赤目が富美子を娶ることを交換条件に、鉱山の所長に金の流出ルートを告げ口したからだ。強引な身体検査により破瓜させられてしまった富美子。娼館のママは富美子を水揚げすることにする。富美子に群がる男たち。ウェイもそこに加わるが、ボロボロになった富美子を介抱するので精一杯だった。
富美子を傷つけられた怒りで、赤目は金山の所長を殺害する。その混乱に乗じて、鉱夫たちは鉱山から金を持ち出そうとするが、爆発事故が起き、チュウは帰らぬ人となる。チュウと恋仲になっていたズーは、子供たちを連れて金瓜石を去る。残されたウェイと富美子は、「無言の丘」で抱き合うのだった。

台湾巨匠傑作選2024/無言の丘

不当契約から逃げてきた小作人兄弟、2人の亭主を失った未亡人、琉球から売られた冨美子、東京出身の赤目。金瓜石では死ぬか故郷に戻るかの二択しかない。この世界に永遠はない。。。
実際にこの世界が台湾で起きたいたことと認識したんですが、あまりにも私の世界と異なりすぎる。本当にこの地球か??そんでそれが九份なのか?この選択のない世界と今の現代が地続きであることに衝撃を受けます。ただ最後に監督のワン・トン(王童)が人間の愛についてかきましたってコメントしてありまして、私は「これが不変の愛、というものかぁ〜」と人類を学びました。

宇多田ヒカルが「その人が出会った時がその人にとっての新譜」って言ってたんですけどこれマジですごくて、自分も今回で台湾ってこんなだったんだ〜とか、選挙おもろいかもなって思ったこと全部肯定して新譜にしてベストアルバムだしてぇな。

Electricity

三体を読んでからSFってのがキーワードになっているんですが、宇多田ヒカルのベストアルバムもSFってこと忘れていませんか?
ジャケットはワームホール。宇多田ヒカルが4-5ヶ月かけて曲つくったのを4分にぎゅっと圧縮して、聴いた人がその4-5ヶ月以上のものを感じるイメージですって。素敵じゃん?
三体を読んでると全く別の世界について考えることができます。あっちの世界では世界が消滅するとか、脱水とか、マジでわかんないことが科学の延長線上で起きてるかもしれなくて。一方私の世界では戦争や政治でぐっちゃぐちゃになってる国もあって、でもまだ日本は安定かもっておもてたらどんどん均衡もくずれてきちゃってて。昔は植民地統治なんかもしちゃってて、でも統治していた国は自分からするとツーリズム先でもあって。時間軸がちょっとズレただけで全く別の国にもなるし。まぁそれは当然なんですが、時間軸がズレただけで国も変わるのであれば、時間軸と空間軸?がズレた別の惑星ではもっと違う世界が広がっているかもしれなくて、その宇宙を認識した時に、この地球で、同じ場所に生きているってのはもうそれはほぼ奇跡でしかない確率になってしまうのでは!?
「宇宙人と出会う前に読む本」の借用ですが、人類が70年の寿命としたら、片道35年で行って帰って来れる惑星ってのは10個ぐらいしかないらしいんですよ。んでもって地球は46億年前に誕生して、宇宙は130億年前でしょ?ってなるとこの私の70年ってまぁじでちっぽけじゃないですか?この時間軸で壮大ですよね。それに空間軸をつけると銀河系を飛び越えて他の銀河系に生まれていた可能性もあるかもしれなくて、これはもうよくわかんない確率で現在私は私を認識して人生をゲームをやっているじゃないですか。この私だけでもすごい確率なのに、それに友人やパートナーの話が加わるともうそれは倍の倍になってそれこそ天文学的数字になってしまうのです。
そう、これをなんと呼ぶのでしょうか、これは「愛」です。
って宇多田ヒカルがElectricityで歌っています。
ここ最近考えてたことが全部代弁してくれるので宇多田ヒカルは「愛」であり「神」。
今週埼玉スーパーアリーナです!


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