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女神様に出会った話

女神様は意外と身近な所に存在しています


私が初めて女神様に出会ったのは小学校2年
生の時です


思い出せば


その日は、いつもとは違う一日でした


放課後前の帰りの会で、汗だくです


なぜかと申しますと...


もよおしそうになっていたからです


現代では考えられない話ですが


当時、男の子のトイレ事情は悲惨なものがあ
りました


大を学校のトイレで行う事は犯罪レベルの辱
めを受けていたからです


これは...私の年代では大きく頷かれる方も
多いかと思います


ですから、もよおしそうな、汗だくの状態も
誰もが経験者なのかもしれません


とにかく頭の中は


トイレに行きたい。それしかありません


帰りの会をなんとかクリアした私でしたが、
もうギリギリでした


家までもたない...そう


心の声がきこえてきます。しかし学校のトイ
レには行きたくない..


向かった先は体育館裏の少し丘になっている
林の中です


腰を下ろした私は、なんとか、とりあえず間
に合いました


汗だくの体に上着がピッタリと密着し、締め
付けられそうな感覚を今でも覚えています。


ひと安心した私に、さらに試練は続きます


誰かの声がきこえてきます。家に帰る小学生
の集団です


小高い丘の向こう側ですから、見えるハズは
ありませんが内心はお察しして頂けると思い
ます


心臓の音がバクバクとなっています。当然で


見られたら、もう人生おしまいです


さいわい


だんだんと小さくなっていく小学生の声。難
を逃れた私は


なんとか事を済ませました。そして


小高い丘を、来た道と逆に進み、通常ルート
にもどってきた瞬間..


凍りついてしまいます...


同じクラスの女の子と鉢合わせてしまったの
です


顔は真っ赤、汗だく、服は乱れている、林か
ら出てくる..


状況的に完全にばれてしまうシチュエーショ
ンです


女の子が、ちょっと驚くという反応も、私の
あやしさが確定したようなものです

女の子は何も言わずそのまま帰ってしまいま
したが


バレたバレってしまった。どうしよう..


人生、終わった


私の心の中は失望しかありませんでした。


眠れない夜を過ごした次の日


当然、学校には行きたくありません


その女の子にあいたくありません


もしも、女の子が昨日の事を誰かに喋れ
ば...


その事を考えてだけでも、体は固まってしま
います


そんな言い訳を親に出来るワケでもなく


しぶしぶ学校へ向かいます。そして


おそるおそる学校の教室に入ります


当然、女の子はいましたが


一時間めの授業が終わり、あっという間に給
食の時間となり、そして


一日は終わりました


緊張しっぱなしの私でしたが、なにも起きず
一日は終わってしまいました


女の子は、私のあやしい行動に気づいていた
のか?


そうでなかったのか?


真相はさだかではありませんが、私はきっと
黙っててくれたのだと思っています


私の恥ずかしい、誰にも知られたくない行動
を、誰にも言わず


そっと


なかった事にしてくれた...


その女の子は


きっと、女神様だったに違いありません


私が初めて女神様に出会ったのは小学校2年
生の時でした。

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