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Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(3章)⑩

最近では隣山とかに小さなグループができてきた。
「こんにちは、鈴木といいますがここに一緒に住ませていただけませんか?5人家族なのですが?」
「そうですか、でも僕では判断できませんので聞いてきますね」
ここの持ち主は、はじめだから一応聞いてみることにした。
「だめだ」
はじめに言うなり、そう返事が返ってきた。
「でも困っているんだろ、住ませてあげればいいじゃないか?」
「じゃあ、本人に言ってくれよ」
はじめを連れて鈴木さんの所に行った。
「鈴木さん、ここまで大変でしたね。でもここで一緒に暮らせないんです」
はじめが笑顔で言った。
「どうしてですか?人数が多くなったほうが一人の負担が減りますよ」
と鈴木さんは説得しようとした。
「人が増えると争いの種が増えるんです、縄文時代から弥生時代になった時のようにね」
「しかし、ライフラインのない生活の方法や家の建て方は一緒にやりながらお教えします」
「一緒に暮らせませんが、助け合うというのはいかがですか?」
残念そうにしていた鈴木さんが笑顔になった。
「是非、お願いします」
「では早速住める場所を探しましょう。最初のうちはテントをお貸ししますね」


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