![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49932823/rectangle_large_type_2_95cfbb4d1556ce19c1350001b5599ff6.jpg?width=800)
登山漫画と聖地巡礼
僕の近所、飯能が聖地になっている。登山漫画「ヤマノススメ」の影響だ。
近いうちに、アニメの4期も放映されると。一通りは観た。山の景色の表現とか、最近のアニメの作画力はすさまじい。暇つぶしに登った天覧山が美しく描かれているし、飯能アルプスにも挑戦したくなる。これも聖地巡礼といえるのだろう。筑波山の景色も最高で行きたくてたまらない。アニメの作画は物語とキャラとシチュエーションにより人の心を打つものがあるのだ。ヤマノススメは特に、キャラたちのかわいさ、そして女の子らしい心の動き、不安や嫉妬・人間関係を描きつつ、彼女たちのちょっとした成長があり視聴者の心を打つのだろう。
しかし、僕はどうも、この女子女子とした雰囲気が好きではない。それもあってか、あまり没頭できる作品ではなかった。まあ、所詮は作品なんて視聴者の主観や機嫌によって好き嫌いはあるだろう。僕も割とその場の感情や機嫌で作品を選びがちなので、あまり人にオススメなどはできない。
僕の中で「登山、やってみたい!」と思わせたのは「山と食欲と私」だ。
ヤマノススメ以前から気になっており、僕はむしろ「グルメ漫画の一環」として読んだ。地味な登山と登山食の描写なのだが、妙に引き込まれる。だんだんと、圧倒的な作者の漫画の上手さに気づいていく。心理描写や人を引き付ける構図、構成力。
主人公の鮎美ちゃんは普通のOL、人当たりもふつうだが、比較的自分で「人見知り」であるのを気にしている。彼女は登山の趣味があり、それを思うがままに謳歌している。読んでいて楽しさが伝わるし、もちろんひどい体験も多い。それも含めて僕を登山に誘ったのがこの作品だ。
僕もまずは高尾山の縦走からはじめた。楽しい…、無限に歩ける。
しかし、丹沢大山は辛かった。果てしなく急坂を登る、終わらない「山頂まであと何m」、生き地獄。しかも登山ではNGの「寝坊による昼から日没ギリギリの決行」だったことによる焦り。
登山用の靴を買い、バーナーやコッヘルを買い。しかし、2年前から途絶えたなぁ。「そのうちまた始めれば良いや」「いやしかし、体力がもう」と躊躇している。
今、ヤマノススメ3期をざっと視聴したが。やっぱ女子女子とした感じが何だかムズムズ、「観てはいけないような気分」もある。「ゆるキャン」ははまったのに。ちょっとした片隅に「ロバ耳~」ていどに「しまりんは我が嫁~」とつぶやきそうだが。
「ゆるキャン」は、あくまで「久遠寺~日蓮の形跡をたどる歴史探訪」という名目で、ちゃっかり聖地・身延を満喫しました。僕の中で、やはり登山というより旅が好きなので、「かちかち山」や「大井川鉄道と吊橋めぐり」は興味ある。何より、しまりんらの旅のシンクロ感が観ていて好きだ。
身延は、ゆるキャンの聖地巡礼による経済効果を山梨大学が研究しており、この地元のコラボ感が非常に観ていて楽しくなる。身延山久遠寺はゆるキャンコラボ朱印帳もつくっているし、作中の「しまりんだんご」も商品化した。
「ガールズアンドパンツアー」の茨城県大洗町、「よりもい(宇宙よりも遠い場所)」の群馬県館林市、ともに聖地巡礼に自治体自体が大いに力を入れている。一過性のものにならず、ぜひ、熱海の「貫一お宮像」(尾崎紅葉という文人の小説「金色夜叉」とのコラボ)のように、さらにいえば、神奈川県茅ヶ崎駅前の「サザン通り」「(加山)雄三通り」のように町の歴史に刻んでほしい。
地元では、飯能の北にある秩父、僕の大好きな町の1つだが(温泉!しゃくしな漬け!くるみそば!駅前のジビエ料理!)、さらに「超平和バスターズ三部作(「あの花」「ここさけ」「青空」)」による聖地としても親しみが増してきた。先日、秩父鉄道もコラボしてラッピング電車のお披露目も。漫画・アニメファンとして、知らない作品でもラッピング車やキャラが活躍しているのを見ると笑顔が出てくる。残念ながら、生まれ故郷の長崎は「色づく世界の明日から」という名作があるのに(ちょっと青春強調すぎて背中が若干かゆくなるが、作画は見ていて「生きててよかった」と思わせる綺麗さだ)、なかなかそれを推してくれていない…。
(グラバー園の裏道、こないだの帰省でここを撮影したら、同じアングルで撮っていた人がいた。長崎県人として、来てくれて、金を使ってくれてあざ~すっ。)
(とにかく光の表現に悶絶した。長崎のなじみの景色を美しく描いてくれてとても有難い…。さらに、僕の母校まで。PAWORKSさんの作品か、Shirobakoは僕の中で生きる希望を与えてくれる最高傑作なので感謝しかないな。)
話は聖地巡礼に反れた。登山としては、名作「岳(みんなの山)」(石塚真一)、登山救助という視点で、山に懸ける人の思いや生死を描く、身の回りのものが愛おしく思える作品だった。
「孤高の人」(坂本眞一)は読んだこと無い。けど、作者の坂本先生の作品「イノサン」から類推するに、心情表現を超絶芸術的に表現していくのだろう。
個人的に好きなのが「ハルタ」で連載されている「山を渡る」(空木哲生)。大学の登山部物語で、先輩の山バカぶりも良いし、乗り気じゃなかったがだんだんのめりこんでいく後輩たち。コメディのテンポも好きだ。
とりあえず、御朱印目的に高尾山の薬王院には行く予定。ここでまた、登山熱が高まればいい。
そして、できれば景信山で、ここの出身といわれる「鬼滅の刃」の時透無一郎の聖地化が進んでいるということで、どういうものか見に行く。山小屋で鬼滅グッズが売っているだけだろうが。「山と食欲と私」でも描写された名物「葉っぱの天ぷら(もみじとか)」、そして絶品のなめこ汁も食べたい。
陣馬山にも行けるかなぁ。ふもとに降りて相模湖でぼんやり徘徊するのもいいなあ。
登山靴やバーナーとか用意しとこうかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?