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2024年の漫画アニメ展

2024年は僕のお気に入りのアニメ展が4~5月で目白押しでした。
ここにて観てきた記事を載せたいのですが、まだ観ていない人もいるでしょうし、これから大阪など東京以外でも開催されるでしょうから、今回はコメント少な目でざっとその魅力を紹介していきます。

ぼっち・ざ・ろっく展

東京の松屋銀座にて、5月6日までに、僕が大好きなアニメ「ぼっちざろっく」の展覧会がありました。
コミュ障で友達がいない中学生「後藤ひとり」が、何となくテレビにてロックバンドを見て心が動き。
お父さんのギターを手にして、そこから1日6時間毎日練習をし。
そして、時は経ち。

高校生になった今、いまだ押し入れで弾いているだけの一人ぼっち。「弾いてみた動画」は数万の再生回数で、その界隈では大きなインフルエンサーになったのだが、現実世界ではまったく輝いていない。
高校一年になっても変わらぬ日々に、ある日思い切って、「ギター少女」っぽい格好をして学校に乗り込み、バンドに加えてほしいアピールをする。

しかし、空回る。
絶望して公園でひとり、たたずんでいた時に、ライブハウスを経営している姉を持つ「伊地知虹夏」が、仲間の「山田リョウ」とちっちゃいバンドで出演するときに、逃げたギタリスト(喜多郁代)の穴を埋めるべくギタリストを探していた時に、2人は出会う。

しかし、一度もライブをやったことはない後藤ひとり。
突っ走ったりつまづいたりして、「ドヘタだ!」と思われる。
そこから、目すらあわせられない、会話もろくにできない、ライブにかかる費用を稼ぐため虹夏のライブハウスでバイトをはじめるも人が怖い、承認欲求の強さから暴走してしまう、奇行に走る、いろんな衝突を経て、「ぼっちちゃん」ことひとりちゃんは、ライブに立つことになる。

ということで、僕の推しはひとりちゃんです。
まずは、エモイと思った画像を載せます。

ぼっちのひとりちゃんが、虹夏たちとのバンド「結束バンド」で楽しそうにする姿が大好きです。
僕が好きな漫画は、「トラウマや絶望を抱えたほどのダメ人間が、一歩でも前に進む」成長ドラマ。同じ「きらら系」の「けいおん!」とちがい、結束バンドのキャラたちの成長や心の動きが見られ、観ていてそれに気づき涙腺の崩壊が多数。

最後に、見どころ展示。
まず、ぼっちちゃんが動画活動をしていた自室の押し入れ。布団など生活感が漂います。

結束バンドの活動拠点、虹夏のライブハウス「スターリー」。
ギターが全部本物。改めて、アニメの楽器と演奏の作画や演出がスゴイことがわかります。(バンドマンYouTuberいわく、アニメの手の動きは全部合っていると)
展示には実際でもCDが大ヒットしたあの名曲たちが大音量で流れていたので、ちょっと目が潤みながらいろんなシーンを思い出し聞いていました。

名曲、「ギターと孤独と蒼い惑星」、「あのバンド」、「忘れてやらない」「星座になれたら」が響いていました。
ほか、新曲「光の中へ」など、何度ヘビロテしたことか。
もともとYouTubeでギターを弾く動画を観るのも好きなのですが、公式でギターや編曲を担当する三井律郎さんの演奏を見て、超絶技巧の三井さんとぼっちちゃんの技に酔い痴れます。
アニメでの小物の展示。いろんな小物の復元や、急に実写を使うなど革新的表現も多かったアニメで、その実写のものも。

あくまでここでは一部の小出しです。みなさんにとり、あのキャラのあのシーンをたくさん見つけることができます。僕ももう1人、「廣井きくり」姐さんの姿も見れて堪能しました。
入口と出口には、映像も見られます。入り口でテンションあがり、出口に余韻に浸れます。僕の隣の若い、ひとりぼっちの男性が、ひとりちゃんの名シーンに涙ぐみ嗚咽の声をあげてました。
良い友達になれそうですが、僕もひとりちゃんと同じコミュ障なので声はかけません。
グッズも豊富でしたが、僕的には出口にあった声優や制作者たちのサイン(撮影禁止)。
監督の斎藤圭一郎さんは「葬送のフリーレン」という後世に残る名作も仕上げた人で、斎藤監督のサインと、ひとりちゃんのギター演奏に関わった三井律郎さんのサインを見て痺れてしまいました。
最後に、承認欲求モンスターのひとりちゃん。たくさんイイネ押してあげてください!!

ぼっちざろっくは、6月7日に総集編が映画化されます。
6月13日から、大阪の阪急にてこの展覧会も開催されます。
まだ発表されてませんが、この高まりの中、2期製作の発表がないかなぁ。

新宿歌舞伎町のTOHOシネマズ、観光名所でもあるゴジラヘッドと、承認欲求モンスターが戦ってますよ!

↓ぼっちざろっくの聖地巡礼記事はこちら。
(金沢八景の歴史記事もあります)


葬送のフリーレン展

池袋のサンシャインにて、5月12日まで「葬送のフリーレン展」が行われてました。

池袋駅東口。
しばらく歩くとサンシャイン。
以前、ガールズアンドパンツァー展があった辺りです。

この作品は、勇者ヒンメルや僧侶ハイター、戦士のドワーフ・アイゼンに魔法使いのエルフ・フリーレンが魔王を倒し、数十年。勇者ヒンメルの葬式で仲間と再会し、1000年以上生きるエルフで人の感情に無頓着でマイペースな魔法オタクのフリーレンがはじめて「もっと知ろうとすればよかった」と嘆き、もう一度新しい仲間たち(ハイターやアイゼンの弟子のフェルンとシュタルク)と魔王城のあった場所「オレオール(死者の魂がいる場所)」に旅に出る物語です。

第1話で、アニメのこの泣きの演技。
原作でも印象的でしたが、アニメはまた最高の演出で、このアニメの凄味を感じました。

死して改めて、かつてのヒンメルの心情に気づいていくフリーレン。
新たな仲間たちと新しいことに気づくフリーレン。
自分よりずっと早く死に別れるだろう仲間たちだが、ふたたび現れた魔族たちと戦いながら、旅でお互いぶつかりながら、そのひとときを楽しみ愛おしみはじめる姿が魅力的です。

原作も2021年の漫画大賞など、人気がありましたが、僕はファンタジー嫌いなのでちょっと敬遠していました。
しかし、アニメで再び原作に手を伸ばしました。
監督は「ぼっちざろっく」の斎藤圭一郎さん、フリーレンの声は、「スパイファミリー」の舌足らずな幼女アーニャや「ダイの大冒険」の少年勇者ダイなど七色の声を使い分ける種﨑敦美さん。音楽は「鎌倉殿の十三人」のエヴァンコール。アニメ界の逸材を集めて作られた傑作ですね。
何よりも、動き。アニメの些細な服の揺れや指や体の動きに、視聴者の感情は揺さぶられ、国内や海外のファンの喝采を得ていました。

というわけで、推しはフリーレンとヒンメルです。

見どころの1つ、ヒンメルの像。

コーナーは、オープニングムービーを経て、新しい旅立ち、断頭台のアウラ戦、鏡蓮華、1級魔法使い試験の4コーナー。
すいませんがまたまた、僕の独断と偏見で選んだ画像ばかりです。
けど、スポットの1つである「断頭台のアウラ」コーナー。
残念ながら、大きな展示部分は撮影禁止。

たった2~3話でしか出てきませんでしたが、その壮絶なフラグが立った死にっぷりwでたちまちネットではアイドル扱いに。
また、アニメの作画も気合が入っていて、服従の天秤が傾くシーン、フリーレンの魔力放出、自分の術に自分がかかるアウラの目の変化、自害のとき剣が首に触れながら髪が美しく切れていく様子、伝説のシーンの1つとなり、僕も何百回見たことか。

そして、鏡蓮華の指輪のシーン。
僕も、アニメ以前に原作漫画を読んでいた時、やっとここでこの作品のエモさと、ヒンメルのカッコよさを痛感しました。
ナルシストでイケメンぶりを押し出すイケスカネェやつヒンメルでしたが、実はすべてフリーレンへの久遠の片想いによる、将来自分がいなくなった時のフリーレンを想っての行動。

いろんな角度から撮影を楽しみましょう。

次はシュタフェル。ダンスシーンの作画、ダンス教室に協力してもらったり、角度やしぐさは想像で描いたり、エヴァンコールがわざわざこの数分のためにワルツを作曲したり。
作画したアニメーターたちのツイート(現X)も話題になりましたが、ぼっちざろっくといい、ちょっと狂気じみた執念と技術に発想。最近はネットでそういう裏話も見れますからアニメを作る人の蓄積を見て感謝しながら鑑賞できますね。

シュタルクとフェルン、あわせてシュタフェル。

ユーベルのバトルのこのカメラワークも見ていて鳥肌が立ちました。
目でとらえるシーンの、魚眼レンズっぽい表現とか。

最後にフリーレンのシーン。普段はだらしないポンコツエルフ、魔法オタクでささいな魔導書収集に情熱を注ぎ振り回される周りも辟易。
宝箱は大嫌いのミミック(罠)と知りながら、魔導書が入っているかもしれないわずかな可能性に特攻する無謀ぶり。
しかし、いざとなると魔王を倒した1000年以上生きた大魔法使いの貫禄。

みんなでミミックにはまりましょう!

葬送のフリーレン展は、大阪会場は7~8月ごろ、札幌会場は11月ごろ開催のよう。
原作のストックもう少ししたら、二期ないかなぁ。

桜井のりお展

ふだんあまりラブコメ漫画は読みませんが、僕の心に残るラブコメが、「かぐや様は告らせたい」(赤坂アカ)と、「僕の心のヤバイやつ」(桜井のりお)です。
桜井のりお、画業20周年記念展、アニメイト池袋本店にて開催されました。アニメイトは苦手で、中年妖怪チビデブハゲこと僕が、若いキャッキャした女子やカップルの園に入っていくと体がかゆくなってきます。

6月10日までの期間中、池袋駅内にて、桜井展の広告が並びます。

群像劇でもある「かぐ告」と違い、「僕ヤバ」はたくさんのキャラは出るが、あくまで視点は中学2年の陰キャの市川京太郎、そしてヒロインの陽キャの女優の卵・山田杏奈。この二人の心の揺れ動きを、ゆっくりじっくり表現していく。
ただ、コメディも多いし特に下ネタも多い。

ネットコミックのマンガクロスにおける原作と、桜井のりお先生のTwitter(現X)の番外編(ツイヤバ)の仕掛け、いろんなしぐさや小物の表現で心の動きを魅了し、更新日にはたびたびヤフーのトレンドに話題が上がり、修学旅行編の結末はテレビの朝のエンタメニュースにもなった。
そんな僕ヤバが、山本崇一朗先生の「からかい上手の高木さん」をアニメ化し熱狂的大ヒットにした赤城博昭監督が手掛けた。

赤城監督と、地方に根付いていく「高木さん」。

桜井先生の独特なタッチの絵。しかし、実は女性という桜井先生の繊細で感情豊かな絵。
再現は難しいと思われたが、ただの再現だけでなく、動きに音楽、そして何よりも光の表現。
茜射す陽がやわらかに爆ぜる斜陽(op「ヨルシカ」)のような、心の動きが表情・声・光で描かれていく。

では、問題です。僕が桜井のりお先生の作品で最推しのキャラがいます。
それは誰でしょうか。
それはともかく、桜井先生作品の展示をごく一部ですがお見せいたしましょう。

まず、エントランスには動画を鑑賞できます。
そして、桜井先生のデビュー作「子供学級」と桜井先生の年譜の展示
週刊少年チャンピオンで連載のきっかけとなった「浦安鉄筋家族」の浜岡賢次先生の影響があるような。

何となく、浜岡漫画のティストを感じます。

みつどもえ。桜井先生の出世作で、アニメ化もされたとか。

あまり読んだことないので、思い入れがあまりない。

ロロッロ。これはいくつか読んだから、愛着があります。
ただ、脱げば笑いが1つとれるような、下ネタフルスロットルのような。
けど、ビクビクしているちとせを、ロボットのいちかが何とかしようと動いているのが良かった。
そして、こんな下ネタフルスロットルの作家が、僕ヤバ(下ネタ多めだけど)のようなラブコメと心の繊細さを描くようになるなんて。

僕ヤバコーナーは、いろんな仕掛けが多かったです。

展示にアニメ要素はないけど、アニメ作画にて。

保健室。1巻で、京ちゃんが自分の心に気づくシーン。

教室にて。黒板に描いた山田の可触部図は、桜井先生がこの会場に来た時に、直筆で描いたものです。僕は見つけられませんでしたが、桜井先生の隠れ山田イラストがどこかにひそんでいるよう。

いろいろあった図書室。実物大の山田がスポットの1つ。
桜井先生いわく、「デカッ、怖っ!」だそうですが、あんなに食べる山田が細くてびっくりです。

京ちゃん…
最初は山田を「殺害したい、目の上のたんこぶ」と思っていたけど、1巻最後で「僕は、山田が…!?」と気づく。
そこから、山田をよく見て、動いていき、山田のことを尊敬し始めていく。
山田を思い動いていくことで、山田も京ちゃんを見るようになって…

京ちゃんの大ファンなのですが、売店にて。
缶バッジを求めますが、くじ引き形式で何が当たるのやら。
みつどもえ、ロロッロ、山田、京ちゃん。一つ400円ぐらい。

入場得点はロロッロ。まあ、いちかとちとせにはちょっと思い入れあるからよかった。
缶バッジ1枚目、みつどもえでしたので、2枚目引くのが怖かったけど。
京ちゃんがいて、僕は5回ぐらいガッツポーズ握りました。

山田もいいけど、おねえのグッズが欲しかった。
山田も、それなりに苦悩を抱えていて交換は持てるが、おねえのどんよりした学生時代を見るともう愛おしいです。僕はやっぱり陰キャが好きかも。フリーレンもフェルンも陰キャだと強引解釈しています。

桜井のりお画業20周年展。東京は6月12日まで、大阪はアニメイト大阪日本橋で7月12日から開催します。

ぜひ、ファンの方はお越しいただき、ファンじゃない方も、アニメと漫画という作品が作者とアニメーターの苦悶と努力によってつくられることを感じ取っていただければと思います。

やっぱ、フワァって人が、フワァって描いて、フワァって成り立つものじゃないですよね。素敵なキャラを作って、それを動かし、感動的なエモいシーンをつくってくれる作品には感謝しかありません。

今はダンジョン飯にハマってますので、どこかでやんないかな。響けユーフォも東京で開催しないだろうか。リコリスリコイルの展覧会は逃しちゃったしなぁ。
また、今年も楽しい作品の展覧会がまだまだありそうなので、行ってきたら報告しまっすね。

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