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通貨価値を決めるのは農業だ

 通貨価値を決めているのは日銀でも政府でもない。
 日銀や政府は通貨流通量や流通の邪魔はできるが、通貨の価値自体を決めることができない。
 通貨価値を決めているのは市場だ。
 その内でも多分、通貨価値を永続的に決めているのは農業者のみだろう。
 つまり、例えば一万円札で何をどれだけ買えるかと言うことだ。たくさん買えればその札の価値は高いし、たいして買えなければ価値は低い。
 日銀でさえ1万円札で何をどれだけ買えるのかをコントロールすることはできない。
 製造業者は製品が売れる時には何をどれだけ生産するのか、それをいくらで売るのか決められそうだが、はやりが廃れれば売れなくなってしまう。造りすぎて在庫が余っても輸出できればよいが、それは結構難しいのだろう。
 しかし農産物というのは必須である。品目のはやり廃れはあっても不況とは関係ない。
 不況だからといって食わなくてもいいということにはならない。作りすぎたら輸出すれば良い。輸出を邪魔する制度はあるが、それとは闘うことになる。
 日本の農業人口は高齢化著しくどんどん減っている。しかも後継に乏しい。これは通貨価値をどんどん下げていることになる。日本の食糧価格はどんどん上がる。つまり通貨価値が落ちているのだ。
 農業を疎かにすれば通貨も崩壊するということだ。稲穂に米が実るのはカネが成っているようなものだ。
 減反政策が自滅策であったことはよくわかるだろう。ミニマムアクセス米など輸入してはならない。穀物はすべて自国産を維持すべく若年農業者の後継を育成しなければならない。
 耕作放棄すればそう簡単には元には戻らない。    
 食糧不足になったからといって、すぐに増産できると思ったら大間違いだ。農業は担い手の育成、近隣農家どうしの共同作業、土作りなど絶え間のない努力の結果収穫を得るのだ。
 農村は国家産業の根本だ。食糧だけでなく都市への人口も、工業労働力も農村が供給体なのだ。
それを過疎化させたのだからバチがあたる。農村を粗末に扱う国は滅びる。
 農村への交通、エネルギーインフラは赤字だろうと必ず確保せよ。農村を不便にしてはならぬ。農村のためには都市住民は惜しみなく資本を投じよ。そこから食糧が都市に送られてくるのだから。
 都市住民の皆様、あなた方の財布の中身にどれだけの価値があるのかを決めているのは農業者なのだ。

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