私の量子通信(うんと簡単に)
棒の一端をつまんで右に回せばもう反対側の端は向こうから見れば左回りになる。別に確認しなくともよい。あたり前だ。
もし理想的な固い棒があって、それが100メートルの長さだとすれば棒の手元を右に回せば100メートル離れた相手に回転方向を伝えることができる。この信号は多分瞬時に伝わる。
コードがある。手元を捻るとその回転は反対側へと伝播していく。この回転面と進行方向は垂直である。
将棋倒し。これもシグナルの伝達である。将棋の駒が受ける重力方向と倒れるシグナルが伝わる方向は垂直である。
歯車。噛み合った偶数個の歯車が1列に並んでいるとする。一端の歯車を右へ回すとその反対側の歯車は左回りである。奇数個の歯車ならば右回りと決まっている。これはどれほど長い歯車列であっても成り立つ。偶数個か奇数個かさえわかっていれば手元の情報は同時に反対側に伝播して、向こう側の回転方向を見なくてもわかる。
鉄の棒がある。一方の端に磁石のN極を近づけるとその反対側の端はS極になる。この棒が100メートルの長さであれば、こちらN極という情報が100メートル先に瞬時に伝わる。向こうはSと決まっている。あたり前だ。
これら棒や磁石などが理想的完全な剛体でできていればその伝搬速度は光速だと考えられる。実際には完全剛体というのはなく長くなれば流体性を帯びていくのでよじったヒモのように波動伝播となろう。
塩水がある。そしてスピン方向検出装置があるとする。手元に塩化ナトリウムのナトリウムイオンのスピン方向がわかったナトリウムイオンをところどころリズムをつけて投入できるとする。例えば三三七拍子。何もしなければ塩水の中の塩化ナトリウムの分子の運動方向はマチマチであるだろう。
投入されたナトリウムイオンのスピンの方向は塩水の中のスピンの方向と協調すると考えられる。協調というのは歯車と同じことだ。
三三七拍子をしている塩の分子に接する分子も三三七拍子をする。なぜなら右回りの球に接した球は反対側からみれば左回りと決まるから。
もし海岸から海水中に三三七拍子をする塩の分子を放り込めば遥かかなたの向こう岸でもほぼ同時に三三七拍子をする塩の分子を検出できるかもしれない。
海水を構成している塩の分子には連続性があるはずだ。いや、水分子でやってもよいかもしれない。ひとつの分子にスピン方向性を指定できればそれは連続して伝わってゆく。
このシグナルの伝わり方も多分光速かそれに近いだろう。
スピン方向を検出でき、例えば右回りのもののみを抽出できるならばシグナルを自由に作れるはずだ。それにリズムを乗せて海水に入れる。簡単に書けるが難しい技術だろう。
ただもしできればすばらしい。
この通信方法は電磁波によらないから、大きなエネルギーを与えなくてもよいかもしれない。三三七拍子をする電磁波を分子に置き換えるのだ。条件は分子連続性だ。
また上空のイオンや電離した空気の分子をスピン方向シグナルに利用できるかもしれない。多分上空であっても分子は連続しているはずだ。
これならば人工衛星にもさまざまな信号をわずかなエネルギーで送れるかと思う。
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