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日銀利上げ、住宅ローン変動金利勢、逝く

本日、日銀が追加利上げを決定しました。
通常利上げをするときは、物価高が続いた時に利上げをして経済を落ち着かせる政策になります。
ただ、今の日本の場合、物価高は原料の高騰(特に戦争や、円安)によるものなので利上げをしたら益々購買力は減少するかもしれません。
実際に2024年の1~3月の実質GDP成長率は前期比年率で-2.0%でした。
(2024年の4~6月は上方修正しております)

利上げに伴い、住宅ローンの変動金利も上がります。
住宅ローンの変動金利を選んでいるひとは、全体の8~9割と言われているためほとんどの人が今回の利上げでローン返済の支出が増えることが予想されます。
どの程度増えるのかは、現段階では言えません。
おそらく9、10月ごろに銀行から通知がくるのでそこで実際の金額が分かります。

東京戸建ては5000万~6000万

7月の中旬、友人が東京に家を購入しました。
23区ではなく、新築ではないものの値段は6000万ほど。
中古戸建ての家具付きなので、まあこんなもんかなと思います。
坪数は40程度だと思うので実際には30ぐらいの家です。

もう一人23区内で5000万で建てた友人がいます。新築です。
こちらも大きさは大体一緒ですね。

正直金額が高い印象を受けましたが、実際に東京に家を建てる場合このぐらいになるのかなと思います。
今は、夫婦共働き世帯が普通ですし、ペアローンも多いみたいなので7000万ぐらいまでは組めます。
住宅価格も材料高に伴い上がっているため
7000万ペアローンの場合、大体一人3500万のローンを組むことになります。3500万であればそこまで大変ではないのかな?

住宅ローンの考え方
住宅ローンを組む場合、その人の年収、資産をみて決める必要があります。
大体言われているのは年収×7~8倍です。
これ以上借りると日々の生活に支障をきたすジリ貧生活になるといわれています。
例えば30歳で年収500万の人がいます。平均より年収は高めです。
この人の場合、年収×7~8倍とすると3500万~4000万まで借りることができます。
それではExcelのテンプレートをつかって、月々の返済を考えてみましょう。

3500万を30年ローンで借りた場合

3500万を0.6%の金利、定年60歳として30年で返済するとしましょう。
そうすると、10万6千円を月々返済することになります。
年収500万だと手取りが大体33万程度になるので、手取りの30%をローンにあてていくことになります。残り23万で生活すればよい。
うーんどうかな?
一人ぐらいで生活費は大体12万ぐらいが平均なので11万ぐらいは貯金することができます。
生活費12万の根拠はこんな感じ↓

一人暮らしの支出12万内訳抜粋

次に4000万の場合を同じ条件で計算します。

4000万ローンで借りた場合

そうすると、12万1千円を月々返済することになります。
2万円増えることになりますが、月々プラス2万で500万借りることができると考えることもできます。
この場合、生活費を引いて9万ぐらいは貯金することができます。

しかし、上述した住宅価格をみると、1人では東京に家を建てることができません。
つまり、普通のひと一人では東京で家を購入するのは避けたほうがいいということです。
どうしても家を東京で!とういう方、
選択肢は二つ。限界まで住宅ローンを組むか結婚してペアローンを組むかです。
限界まで組んでみましょう。
年収×9~10倍です。
4500万~5000万を借ります

4500万ローンで借りた場合

4500万の場合、13万6千円を月々返済することになります。手取りの40%をローンにあてていくことになります。
この場合、生活費を引いて8万ぐらいは貯金することができます。

5000万ローンで借りた場合

5000万の場合、15万1千円を月々返済することになります。手取りの45%をローンにあてていくことになります。
この場合、生活費を引いて6万ぐらいは貯金することができます。
あれジリ貧かと思いきや、貯金できてるやん!
年収×9~10倍というのが業界ではレッドラインと言われてますがなんとかなると思えてきてしまう!

はい、うそです。
これは一人暮らしの場合の生活費で計算してみました。
大体家を買うときは家族含め3人以上になりますよね?
それでは生活費を3人にしてみましょう。
生活費の平均は総務省 家計収支編からもってきます。

3人暮らしの支出31万総務省統計局より抜粋

一気に現実にもってきます。
3人で生活する場合、ほぼ生活費と手取り額がイコールになってしまいます。つまり家を買うどころか共働き世帯でもない限り家族を養うことはほぼ不可能ということがわかります。

3500万の場合、ローン10万6千円を月々返済、生活費31万2千円を引くと、マイナス8万円になります。
4000万の場合、マイナス10.1万円になります。
4500万の場合、マイナス11.6万円になります。
5000万の場合、マイナス13.1万円になります。
これは家だけなので、自動車が必要な人はまたプラスでかかってきます。
子供を塾に入れる場合なども同様です。

はい、ここから本題にうつります。
最初住宅ローンの金利があがるといいました。

おそらく0.25%程度の追加になることが予想されます。
試しに、3500万の場合の計算をしてみます。

3500万円、0.85%の場合。

10万6千円を月々返済⇒11万にアップ。
そのほかも同様に計算します。

4000万の場合月々12.1万⇒月々12.5万にアップ。
4500万の場合月々13.6万⇒月々14.1万にアップ。
5000万の場合月々15.1万⇒月々15.7万にアップ。

たった0.25%あがっても家庭にかかる負担としては軽いものではないことがわかります。

では金利はどこまであがるのか

ちなみに、日本は過去金利4%、6%の時代もありました。
もちろん今すぐそこまで上がるとは到底言えません。
ただ、物価高騰が止まらない場合その半分くらいの2%ぐらいまではいくかもしれません。

金利がいまより2%増加した場合の計算をしてみます。

3500万円、金利プラス2%の場合

3500万の場合、ローン返済が月々14万になります。
4000万の場合、ローン返済が月々16万になります。

4500万の場合、ローン返済が月々18万になります。
5000万の場合、ローン返済が月々20万になります。

わたしの友人は6000万なので、ローン返済が月々24万になります。
生活費と合わせて55万が月々出て行ってしまいます。
こんなの二人合わせても払えるかどうか
娯楽は? 車は? 子供の大学は? 老後の生活は?
というレベルです。

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