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「君たちはどう生きるか?」考察、そして僕はどう生きるか

ネタバレあります。

なんの情報もなく観るなんていう貴重な経験をさせてもらったので自分がどう思ったか書いてみたいと思う。作品過多の時代では何も知らずにコンテンツに触れる機会なんてもうないだろう。それを同時代で受発信できるなんて感激である。

どう生きるか?

テーマはタイトル通り「どう生きるか?」という問いかけだ。それは「こう生きたほうがいい」みたいな主張や説教ではなく「これを見て君はどう生きるか?」という“問いかけ”なのだ。しかもそれを一人ひとりの視聴者に向けて丁寧に作り上げた作品だ。(複雑なようでいて主人公の感情だけは丁寧すぎるくらい描かれている)
なので「自分はどう生きるか」と回答するのがいいんじゃないかなぁ。

メタファーとしての火、海そして石

大人には複雑すぎる物語

話の筋が見えないっていう感想をいくつかあったがしょうがないと思う。物語が複数(三つ?)絡み合っているのでちゃんと追おうとしたら絡まってほどけなくなるでしょう。
私も石で頭を殴ったシーンは驚きすぎて彼の心境を図り損ねたし、妊婦は穢れみたいな感覚が皆無だったので再婚相手の病室の表情と森に入るシーンは後から友人と話していて納得がいった。
子供が見たらどう感じるのだろうか?トトロのように見るのだろうか?気になる。

自伝として見ることもできる。

隕石(西洋知識、舶来の本)の跡地(明治維新)にある石の塔(軍国主義、大東亜共栄圏)で石の塔を作り直す(左翼思想や改革を目指す)のではなく、一つだけ石(目的としては殺人である戦闘機を美しいと思う心、ありていにいえばロマン)を持ち帰った。

宮崎映画はいつもそうですがメタファーに満ちています。

例えば石ですが。自分が拾っただけでもこれだけあります。
悪意の象徴、自分で頭を殴る。
石室であり産室である。それは海を経由する。
積み木。これは創作でもあるのですが、もっと大きめに社会形成や国家そして自分の心まで射程があると思います。物それ自体に対しての認識やファンタジーですね。
大叔父が用意した穢れのない石。
石は拒絶する。家父長制の話ですかね?わかりません。

インコ

コミカルなインコ達が塔の上に上がったとき”ここは天国か”と話しているシーン。そしてリアル調で描かれる果物や鳥たち。
ここでのインコは物語(ファンタジーつまりアニメや思想、政治)に囚われた人たちのことではないでしょうか?そしてアニメの世界や主義主張(過度な国粋、共産主義)に入り込んでしまった人達が自然を見て感激してる。

ペリカン

羽が折れてもう飛べない。
敬意を払われる存在。なんなんでしょうね?
ワラワラ食べちゃうし、インコと同じ群衆でもあるんですよね。連れてこられてここには食べるものが少ないとかいう。

私はどう生きるか

私は塔を立て直そうとしているのでしょう。
クリエイターの人ってこう答える人が多いんじゃないかなぁ。

追記

キリコって名前も構図もなんかありそう?


悪意について考えてたんだけど、ほか作品で関連が見えないんだよ。だいたいいいやつ。
で思い出したのが息子の吾郎さんが作ったゲド戦記。原作には無い要素の筆頭が主人公の悪意でさ。
もしかしたら家庭で話されていた生々しいものが君どうに出てたのかなとか思った。ここまで行くとただの妄想だけど。

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