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【無料版】時系列練行足-Tuned RAI.F:Tuned Renko Adaptive Indicator for Free

更新履歴
2022/06/06 記事公開

このnoteは、「Tuned Renko Adaptive Indicator for Free(Tuned RAI.F)」の解説noteです。一言で表現するなら、非時系列チャートである練行足を、時系列チャートであるローソク足に重ねて表示するインジケーターです。
後述しますが、Tradingview標準およびコミュニティで公開されているRAIは、私が調べた限りでは残念ながら不完全なものばかりでした。Tuned RAIはその点を改善しています。
とはいえ、当然ながらトレードでの利益を保証するものではないのでご了承ください。
また、有料設定してますが無料で使えます。有料部分にはインジケーターへのリンクを貼っておきますが、Tradingviewのインジケーター検索で出てくると思います。(公開直後はまだ検索できないかもしれません)

「検索するのめんどくせぇ」って人や、使ってみて「めちゃ便利やんけ!」って思ってくださった方は、投げ銭感覚でポチっと押してもらえると嬉しいです。今後のやる気にもなるので、良ければお願いします。

1.前書き

「練行足(れんこうあし)」という指標をご存じでしょうか。
ローソク足や平均足と同じく、日本が発祥と言われる指標の一つですが、「非時系列チャート」に分類されます。海外ではそのまま「Renko Charts」と呼ばれています。
練行足は、設定した値幅を超える価格変動があった時のみチャートを更新するので、一定値幅以下のレンジの場合はずっと更新されません。なので「トレンドの方向が分かりやすい」とか「レンジを丸ごと無視できる」という特徴があります。

ほぼ同じ期間のポンドドルです。足一本あたりの横幅が全然違うのがわかると思います。

トレンドフォローにおいては非常に強力な指標ですが、レンジはレンジでチャートパターンが現れるし、俗に言う「横軸調整」とか時間帯によるアノマリーもわかりにくくなるし、ローソク足用の一般的なインジケーターとの併用もできません。
そこで、非時系列チャートである練行足を時系列チャートであるローソク足に重ねた、"いいとこ取り"のインジケーターが考案されました。
これを「時系列練行足(RAI:Renko Adaptive Indicator)」といいます。

2.Tradingview標準の練行足の問題点

①無料プランでは使えない(PRO+以上の契約が必要)
②リペイントが発生する

①は読んだままです。問題は②ですね。
練行足の値幅(ボックスのサイズ)の設定方法は、一般的には「従来方式(Traditional)」と「ATR方式」の2種類があります。
従来方式では、ボックスサイズを直接指定します。例えば、100ドルで設定すると、全期間100ドルの値幅で練行足を描画します。常に一定の水準で価格変動を監視できますが、逆に言えばボラティリティの変化に対応できません。
そこで「ATR方式」が役立ちます。この方式では、「ATR:Average True Range」を利用してボックスサイズを決定するため、ボラティリティによってボックスサイズが変動する……はずなのですが、Tradingview標準の練行足では、この「ATR方式」に問題があります。
なんと、「チャートを表示した時点のATR値で全ての練行足を描画してしまう」のです。

例)
12時のATR値=500ドルだったとします。
しばらくレンジが続き、13時のATR値=400ドルになりました。
この時、
「12時にチャートを表示した場合は500ドル幅で全期間描画」し、
「13時にチャートを表示した場合は400ドル幅で全期間描画」します。
また、12時に表示してそのまま13時を迎えても400ドル幅にはなりません。

過去もすべて変わるので、表示するタイミングによってチャート全体の形状が変わってしまいます。つまり、「ATRで値幅を決定して従来方式で指定する」のと同じですね。
また、Tradingview専用のプログラミング言語であるPineスクリプトには、「ticker.renko()」という関数があるのですが、これはあくまで「Tradingview標準の練行足の値を呼び出すための関数」なので、ticker.renko()関数を使用したオリジナルインジケーターは全てリペイントされます。

今回作成したTuned RAI.Fではこの点に対応しており、ATRを基にボックスサイズがリアルタイムで変動するようにデザインしました。(というか本来そうあるべきだと思うのですが)

左:ticker.renko()関数使用    右:Tuned Renko Adaptive Indicator
右側はボックスサイズが変動しています。

ただし……

3.Tuned RAI.Fの問題点

「Tuned RAIは絶対にリペイントしないのか」というと、残念ながらそうではありません。これは練行足の特性上どうしようもないと思うのですが、ローソク足の開始位置によって、最初のブロックが変動してしまいます。
極力変動が減るように初期ボックスを決定しているつもりですが、完全ではありません。一例を示すと、次のようになります。

画像左のATR初期値は400ドルです。画像右はローソク足の開始位置をずらしたものですが、同じ日時でもTuned RAIの形が変わっているのがわかると思います。
ただし、最終的にボックスのサイズや更新位置は揃います。これはATRに応じて価格とボラティリティに追従しているためだと考えられます。
今回の場合は、左のTuned RAIが最初に描画されてから898バー後に完全に揃いました。基本的にはある程度の期間があれば問題なく揃うと思いますが、どんな場合でも揃うかどうかは不明です。ご了承ください。

練行足のボックスサイズと始値/終値が揃った箇所

なお、「従来方式」でボックスサイズを指定した場合はこのズレは起きません。最初のブロックの始値/終値のみticker.renko()関数を使用しているため、常にTradingview標準の練行足と同じ形になります。
※ただし、「Tradingviewが最初のブロックをどうやって決めているか」は不明です。

4.Tuned RAIの設定

①ボックスサイズの計算方式
②ボックスサイズ(従来方式)/ATRの計算期間

設定は非常にシンプルです。もはや解説すら不要だと思うので割愛します。決してめんどくさいとかそういうんじゃないです。
疑問があればTwitterで直接聞いてください。

5.お悩み相談

「3.Tuned RAI.Fの問題点」でも言及しましたが、練行足の性質上、初期値の変動は避けられないと思っています。なるべく変動を減らすようにデザインしたつもりですが、なんかいい方法があったら教えてください。


それでは、以上になります。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。

有料範囲にはTuned RAI.Fのリンクを貼っておきますが、冒頭にも書いた通り検索すれば出てくるので、note購入の必要はありません。
ですが、少しでも楽したいって人は購入をお勧めします。
そして、購入して頂けると作者がとても喜ぶので、どうかよろしくお願いします!!!!!

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