動名詞の意味上の主語に対する気づき

いい年をして英文法を学び直しをしているのですが、高校英語の動名詞の項目での意味上の主語ってのが所有格でも目的格でもどっちでもいい、ってのが長年謎でした。主格は入れられないからどっちでもいいってこと、くらいに考えていたのですが、なんとなく文法的に掴めたので備忘録として書いておきます。

I insisted going New York alone.

これは第3文型で、ニューヨークに一人で行くのを主張してるのは「私」です。これを
I insisted his going New York alone.とすると私は彼がニューヨークに単独で行くことを主張しているわけですが、所有格であれば私は「彼の」ニューヨーク単独行を主張した、という第3文型の文章であり、目的格にして
I insisted him going New York alone.とすると第4文型になって私は彼にニューヨークに単独で行くことを主張した、になりますよね。少なくとも自分が読んだ参考書にはこの解説はなかったので、差異に気がついて勝手に喜んでいます。目的格を置く文って不定詞を使った文での第3文型と第5文型の違いにも似てる気がします。
I want to be your girlfriend.
であればあなたのガールフレンドになりたいのは「私」ですが

I want him to be your girrlfriend.
であれば「彼」があなたのガールフレンドになることを私が欲しているわけですよね。これに似てる。

日本語で書かれた英文法の参考書って多分戦後80年間ずっと、下手をすると戦前から変わってないのではないかと推測できるのですが、日本語と英語の両方の参考書を並べて読むと書いてあることに誤謬が多くあるように見えて仕方ありません。日本語と英語の間には超えられない大きな溝がある、みたいなことを谷崎潤一郎は1935年の文章読本に書いていますが、溝は溝として認めて(語族が違うのだから当たり前)、既存の参考書にある誤謬を自分で修正して可能な限りシンプルに理解できるようになれたらと考えています。今やインターネット上の共通言語が英語で、いかに平易な表現で相手と意思疎通を測れるか、が重要な時代に80年変化してないマニュアルしか与えられないことが問題なんですよねぇ。

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