2021.03.30 近鉄 吉野線&南大阪線 特急「青の交響曲(シンフォニー)」16200系 車窓 吉野→大阪阿部野橋

ある筋から「近鉄特急ポイントは、消える前に使い切るべし」とご託宣を受け、「近所のターミナル駅からいつでも乗れたのに乗れずにいた『吉野特急』」をチョイス。往復違う車両に乗ろうということで、復路は「青の交響曲(シンフォニー)」を選びました(往路は別動画で)。

「青の交響曲(シンフォニー)」16200系。塗色こそ濃紺に金帯をまとっていますが、正面から見た顔のつくりは近鉄の通勤車両........まさにそのとおりで、6200系を改造したものです。改造費は2億円。「しまかぜ」のように新車を造らなかった理由は「吉野周辺には近鉄関連施設が少ないので、運賃+料金収入のみで投資額を回収する必要があったため」。それでも、コストにうるさい関西人の耳目のみならず、集客にも成功しているようで、吉野からは満席でした。

その一方、観桜ハイシーズンを除いては、通常の特急ダイヤ(大阪阿部野橋基準毎時2本=吉野行きと橿原神宮前行きが1本ずつ)に組み込まれていることもあってか、途中駅からの乗車も見受けられました。通常の特急(レギュラーシート)だと520円のところ、「青の交響曲」はデラックス料金が加算されて730円となりますが、それでも区間乗車があるということは、「空席があるのなら、210円の加算は価値がある」と受け入れられているとみていいでしょう。

3両編成ですが、中間車は「ラウンジ車両」として、自由に出入りが可能。バーカウンターが設置され、スイーツやドリンク類(アルコールあり)を提供していますが、シートサービス(注文・デリバリー)はありません。なので、発車直後しばらくは、オーダー待ちの行列ができてしまいます。にもかかわらず、バーカウンターの営業は古市通過あたり(概ね1時間程度)て終了。大阪阿部野橋到着までとは言いませんが、もう少し長めに開けてくれてもいいのではと思うのは私だけでしょうか。

残りの2両は、3列シートを基本にしつつ、グループ客やペア客向けの向かい合わせ席も設定されています。このため、ネット予約でシートマップを使って座席指定する際には、席番の付け方など、他の近鉄特急にはないルールもあったりしますので、注意が必要です。ちなみに、私のような「おひとり様」向けの「良番」ですが、吉野行きは「3号車の1番・4番・7番、1号車の3番・6番」、大阪阿部野橋行きは「1号車の4番・7番、3号車の2番・5番・8番」となります。

3両とも言えることは、元の「片側4扉」のうち3扉を埋めたという「お里が知れない」仕上げになっていること。京阪の8000系プレミアムカーやJR西日本の「Aシート」車両のような不細工な窓割りにはなっていません。このあたりは近鉄さんが意地を見せた形です。なお、乗り心地の方は、改造元の6200系からして空気バネ台車ですので、「通勤型からの改造」という先入観よりはよかったものの、「さくらライナー(26000系)」など特急車として新製された車両には及ばない、といったところでしょうか。

あと、停車中は、1号車と3号車の連結面に設置されたスピーカーから、クラシック音楽(ハイドンの交響曲第101番「時計」第2楽章)が流れます。

今回は車窓撮影に徹したので、「青の交響曲」ならではのバーカウンター体験などはできませんでしたが、次回は吉野までの往復とも「青の交響曲」決め打ちにして、メニュー( https://www.kintetsu.co.jp/senden/blue_symphony/menu/​ )のあれこれを堪能できたらいいなと思っています。

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