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ボウシュウボラの卵守り行動

 前回(2/28のダイビング)、ボウシュウボラの卵嚢を親が放棄したと思われる状況に遭遇して、これまで観察したことのなかった行動に疑念を抱き、周辺を捜索して親を探し出して、元の場所に連れ戻した顛末をお披露目しました。今回は、その5日後になる本日の定点観察ダイビングについて考察します。

残り10%程度のハッチアウトしていないベリジャー幼生

 結論から言えば、親貝は放棄したのではなく、何らかの原因でこの場所を離れてしまったのだと考えることができます。その理由は、それまで90%以上の卵嚢にはベリジャー幼生が居て、親貝が戻ったことでハッチアウトが促進されたこの状況を見れば、そのような推察が成立するのではないかと思います。
 これまでの観察から、母貝が卵嚢を刺激することで、ベリジャー幼生のハッチアウトが促されている事は間違いがなく、この5日間で大半の卵嚢が空になっている状況からもそのような行動があったと思います。
 画像を見ると分かるように、外側の卵嚢の色が濃く内側はまだオレンジ色っぽく見えます。外側は、今晩にもハッチアウトしていると思いますが、内側はあと数日掛かりそうです。
 とは言え、当初3月末をハッチアウト完了と考えていた予測とは大きく異なり、その理由は水温が下がり切っていなかった事と理由は分かりませんが一旦、子別れしてしまったことが要因では無いでしょうか。
 どの程度の期間(多分長くて2〜3日)、離れていたのかは分かりませんが、再会がこのような結果に導いたのでは無いかと考えます。

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