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お茶日記:鳳凰風炉に竹台子。彼岸を迎え、そろそろ肌寒い季節が始まります。

お稽古日記 2023年9月30日

今日は鳳凰風炉に竹台子。鳳凰風炉の上に置かれた富士釜がカッコいいんだなぁ。大きめの鳳凰風炉から富士山のすそ野のように立ち上がる姿は威厳を放つ。

こうやって風炉の位置が客の方に寄ってくると、もうそろそろ風炉の終わり、そして肌寒い季節が近づいていることを感じます。

風炉の位置を少しずつ客の方に近づけながら炉の季節を迎えるとは、本当によく考えられたと思う。少しずつ暖を取れるようになるという意味で、お客さんへのごちそうです。

お茶のお点前しかり、センスと合理性がバンバン組み合わさったお茶のスゴさよ。利休さんをはじめとしたスーパースターたちの存在もさることながら、何百年という時の流れに磨かれ、試され、そして愛され続けた実績は、この後もまた何百年と続いていくでしょう。

それにしても、今日のフタのツマミは熱かった!笑

お稽古に通い始めて6年、最初の頃よりだいぶ素手で持てるようになってきたけれど、今日は久しぶりに茶巾を使わせてもらいました。

「伊達政宗公はどんなに熱くても必ず素手で持っていたんだぞ!」と、いつものように大先生に愛情たっぷりのご指導をいただきながらも、右手の指先をかばったのでした。

正座もそうだけど、お茶をやっていくにはいろんな試練がある。それでも面白くてやめられない。

それはそうと、今日のお稽古で、鳴子(なるこ)の話になりました。

みなさん、鳴子って知ってますか?

木製のもので、木と木が打ち合って、カタカタと音が鳴る道具です。

もとはと言えば、お米の収穫の時期にスズメなどの鳥が飛んできて、お米を食べてしまうのを予防するため、この鳴子を使ってカタカタと大きな音を出して鳥たちを追い払っていたそうです。

その文化は既に廃れてしまっていますが、今でも高知のよさこい祭りでは、鳴子を使って踊る、鳴子踊りが続いています。

みんなでリズムを合わせてチャッチャッチャッ!と音を出しながら踊る様は日本らしいですね。

この鳴子を意匠に用いたお道具が出てくると、「あ〜、秋が深まってきましたね〜。」なんて会話を楽しめそうです。


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