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料理

最近、紆余曲折あって料理をするようになった。
独身の時も一応してたけど、あれを料理と呼べるかは正直怪しいところで言い換えれば加熱された食材を胃に放り込んで栄養摂取する為のエサ。自分用に用意したエサ。食材に対してリスペクトの欠片もなく尊い命に大変失礼な行為を繰り返していた。(なぜか外食は週イチまでといった謎ルールを設けていた。)

偏った栄養で一度、医療機関の世話になった事がある。20代前半位の頃だ。おかげで口とは逆側の器官から検査用のカメラを入れる羽目になった。麻酔から目が覚め、不要物を排出する為だけに存在する一方通行の臓器を逆走した証として残されたヌメり気は、なんとも言えない虚無感だけを置き去りにしていた。

妻の料理はとても美味しく栄養や彩りも考えられているので俺の作っていたエサとは雲泥の差だ。食材や調味料の組み合わせと加熱方法やカットの仕方で全く異なる食べ物が出来上がるなんて不思議だ。基本的に自分が苦手な事は他の得意な人に任せるのがお互いの為になると思っているので、結婚を機に全く料理をしなくなった。(申し訳ないので皿洗いはする。)

それが冒頭記述した通り俺が担当することになり、エサを脱出する為の行動に最初は毎日嫌になっていたが、数をこなすうちにあまり脳のリソースを割かずに対処出来るようになってきた。最初は妻も首を捻っていた料理しか出来なかったが、最近は料理としての及第点を獲得できたようである。

食材や味付けの組み合わせなどを全く意識せず脊髄反射で胃に放り込んでいたのだが、料理をすることで、味の感じ方が変わった。

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OLYMPUS E-M5/M.ZUIKO DIGITAL 60mm F2.8 Macro

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