23. アイヌ             中学一年 D子

 わたしは「アイヌ」と聞くと、何かはずかしい感じがする。

 なぜかというと、うちのおとうさんがそうだからです。

 だから、わたしもアイヌの血をひいているのかもしれない。バカにされてもしかたがないのかもしれないけれど、バカにする人は、される人をかわいそうだと思わないのだろうか。

 学級の人のひとりが、
「おまえ、アイヌだべ。」
といって、先生になぐられたことがあった。でもなぐられた人は、
「おれはアイヌではないのに。」
といっていた。
わたしはなんだか、とてもうらやましく思えた。


***3  子どもたちの叫び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?