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子育て世帯の妻が入院したとき「頼るチカラ」でワンオペ回避した夫の話

コミュニケーションのことばっかり考えてます、tetoteミウラです。突然ですが頼るのってめっちゃ難しくないですか?

私は人に頼るのが苦手です。頼りたいけど、迷惑がられたらどうしよう、とかの想像力が勝ってしまうんですね…

今回、短期間ですが妻が入院することになりました。子育て世帯の夫側が乗り切った上で学びになったのは「頼るチカラ」の必要性でした。

頼るのが苦手な夫がどう頼ったか?をポイントに読んでいただければ幸いです。

前提条件=小さな会社を経営する私と、イヤイヤ期再発の4歳なりたて娘と、youtubeが見たくてしょうがない6歳息子。幼稚園に通っています。妻は持病のため最低3週間の入院。さあどうする。。。

頼るためにタスクを可視化する

エクセルのスケジュールで、「基本動作=朝ごはん、洗濯、子供の朝準備、送り、お昼ごはん、お迎え、お風呂、夜ごはん、寝かしつけ」などの生きる上でマストタスクを 1ヶ月分書き出します。

まずはやることの整理。基本ルーティンどれくらいあるんだろ?

エクセルで作った

はい。ざっくりですが1ヶ月で祝日なども含め220個もやることありました。これ+仕事があります。むりじゃん。

可視化は大事です。いかに危機的状況にさらされているか理解する。「こんなに抱えているからこのパートを持って欲しい」と他者に頼るためのわかりやすいチケットになります。

ワンオペは無理だ誰かに頼ろう!ヘルプ!

私は比較的、家事育児しているサイドの父親として戦っているつもりです(過去記事などご覧ください)。だからこそ始まる前からわかってました。夫婦2人が健康なデフォルト状態でもきついのにムリにきまってる。

「ワンオペで乗り切ったスーパーイクメン」的な話を期待された方には恐縮です。読んだ後「基本ルーティンくらい人に頼らず自分でクリアしろ、男性がこんなんだからダメなんだ」と感じる方もいるかもしれません。

だけど、頼れる人が少ない共働き夫婦はデフォルトでキツいんです。そもそも現在、日本で小さな子供がいる共働き世帯は「時間貧困」という状態にあるそうです。

6歳未満の子どもがいる正社員共働き世帯は31%が時間貧困で、妻の80%が該当。余暇に充てる時間は主要7カ国で日本が最少に。

日経電子版より

外部サービスも頭をよぎりましたが、人に頼ることができない傾向にある私たち世代が成長するチャンス!と割り切りました。

関係性の近い人をリストアップする

今回、1番ポイントなのはここです。もしあなたが誰かに頼らなければいけない状況に陥ったとき「頼れる人」はいますか?

誰に頼れるだろう?メンバーを書き出します。①両親②義両親③姉④義姉⑤友達⑥ママ友…学びは親族の方が頼りやすかったこと。(その理由は後述します)血縁関係のあるファミリーって大事!!

私は幸い実家からのフォローが頼りやすい状況(2世帯住宅)でした。なんそれ参考にならんと言うような好条件です。とはいえ普段の基本ルーティンはほぼ100%夫婦2人で行っている状況でした。頼ってはいなかったのです。

まず昭和平成を乗り越えた専業主婦の自分の母親(優秀)に「この短期間だから頼みます!」と50%ほど出力して貰いました。父親にも送り迎えの方法を同行して教えて少し手伝って貰います。

その時に前述の表を水戸黄門ばりに出しますどーん!こんな大変なんですお願いしますよ。事の重大さを伝え引き受けてもらい、平日の基本ルーティンが少し軽くなりました。

全く知らない人に頼むと言うのはサービスなどを使わない限り心理的に難しいので、やはり近い関係性の人がどれくらいいるか、がキーになります。

夫側が事前に準備すること(平日編)

この辺は、男性サイドにヒアリングしてみるとレベルのグラデーションの差がかなりあるので一律にこうあるべきと言うのは話し辛いところですが…

まずは生きていく上で最低限の基本動作をクリアしないといけません。ご飯は経済力で惣菜や冷凍食品や外食でなんとかできますが、アウトソーシングしづらいのは、お風呂・送り迎え・洗濯・寝かしつけ。この辺りは頼めない部分。

あと意外と子供の学校への準備物などの理解がないと全体の流れが止まります。多くの家庭では”母親まかせ”になっているケースが多いのかな?と予想します。

わたしは朝の準備は理解していたので平気でしたが連絡アプリ(コドモンなど)で園から来るイレギュラーな情報などは妻まかせだったので注意が必要なところでした。

最低限、このアクションはワンオペで行えるようになっていたいところです。

夫側が事前に準備すること(休日編)

会社の仲間が休日一緒に遊んでくれた様子

自分の子育てを振り返ってみると、休日の方が確実に疲れるものです。休日は1日子供たちの相手をする+昼ごはんも発生します。ワンオペでは心も体も休めません。

休日を完全に休む日が必要だと考えました。休日こそ「頼るチカラ」の発動ポイントだと思います。私の場合は、自分の姉を頼って、1日預かってもらえる日を作りました。また友人かつ会社を手伝ってもらってるメンバーも来てくれました。

絶対休むって決めて平日は乗り切る。 子供と7時間くらい離れるだけでぜんぜん違います。誰かに委託すると環境が違うので、子供たちも疲れて早く寝るので一石二鳥です!

休日に子供を丸っと預けられる頼れる相手を作ってみるのがいいかもしれません。

追って書きますが1番頼みやすいのは「交換」なので、相手の子供を預かって遊んでみるのもいいかも。その関係性があれば、自分がいざという時に頼めるようになるのではないでしょうか。

その他テクニック

やってみて気づいたよかったことを3つほど。

①子供たちは眼差しが必要
初めて長期にわたり母親と離れる子どもたち。フィジカルな「母の愛」が欠乏します。めちゃシンプルですが、いつも以上に子供たちのことを「見て・反応して・褒める」。この観察力は意識しました。

zoomにすぐ飽きる子供たち

その甲斐もあってか?イヤイヤ対応や寝かしつけが大変などはなかったです。zoomで病院と繋いで話したりしましたが後半はなくなっても平気なくらいでした。

寂しさというのは「母がいないこと」より「誰かからの眼差しが足りなくなること」に宿るのかもしれません。

②テンションで乗り切れ!
Twitterでこの「母がいない状況」に対して助けを求めてアドバイスをいただいたのですが、テンション高めの「パーテイーのススメ」が面白かったです。

ただのいつものパンなんですが…テンション高めていけば子供ってたいてい楽しんですよね。きいすさん、すばらしいアドバイスありがとうございました!!

ただのパンでもテンション爆上げ

③平日は油断しない
入院中など関係なく、平日の朝の子供たちを送ったあとって「あー、ようやく自由だ…」と一回気が抜けるんですよね。そこでダラダラしてしまいがちでした。朝、家にとどまる理由は洗濯や洗い物が残っているから。

なので洗濯は夜にして干しておくようにしました。洗い物も多少は溜めてもいい。平日は働く17時のシンデレラ状態で働く時間が少ないので、すぐ家を離れ職場へ出かけることを意識しました。

頼ることに対する、うしろめたさとは?

「頼ること」を改めてやってみて思うのは、普段の関係性やコミュニケーションが取れている人には頼みやすいこと。

私は親族や友達に依頼できましたが、当然ながら関係性が深い人(長い付き合いがある)と頼みやすいのです。

それはなぜか?「交換」と「贈与」という言葉で考えてみます。

資本主義ベースの社会に生きていると「交換」の原理で動いています。私たちは100円のサービスや商品を買ったら、100円をすぐ払いたいですよね。払わないと申し訳ない・気持ち悪いとさえ思ってしまう。

等価交換は関係性のバランスが均衡

現代は人間同士の関係性も「交換」ベースになっている、と言えるかもしれません。子供預かって!ご飯食べさせて!などを依頼した時に、その瞬間、タダで依頼しているわけです。だからすぐ金銭やモノで返してシーソーのバランスを整えようとするのが等価交換です。

一方で、すぐに返さない「贈与」の関係性もあります。例えば親子の関係性。母親は生まれた子供にお乳をあげ、おむつを代えて手間をかけて育てます。

ですが、母親は子供に自分の稼働したサービス対価を請求しないですよね?これが贈与の形です。

贈与の交換はアンバランス。どちらかが「もらいっぱなし」

例えば、何か贈り物をする。その瞬間は受け取る側は無償でもらいます。その場で同額のお金を払う人はいません。もらいっぱなしになる贈与は、関係性がアンバランスになるんです。だから、いつか返したくなる。そうして関係性が次へつながるのが贈与のカタチです。

付き合いの長い関係性の人に頼みやすかった。それは、いままでも自分の両親や姉や友達たちと贈与をし合ってきた歴史があったから。

相手から助けてもらうギフトをもらっても「またきっと返せるだろう」という思いが「うしろめたさ」を消せたのかもしれないです。

※こちらの本を参考にしています!

令和を生きる私たちには、「頼るチカラ」が足りない

家事育児に関しては「自己責任論」な風潮もあります。だから頼りづらい。ファミリーの意味を拡張してみんなで育てる。この感覚があると子供にも親にも、良い社会になるのに、と感じました。

ここでは言及していませんが、「仕事」に関してもサポートが必要です。私は小さな会社の経営者であるので、自由に仕事の量を減らせました。ただ多くの場合は、職場のサポートも頼らないといけないところかと。

自分は事前から準備はできていた方だと思います。でも、そうでない場合、かなり苦しい状況に追い込まれたのではないかとも…

もしこのような状況になったとき「頼るチカラ」あなたはありますか?そして、周りの人が「頼りやすい存在」ですか?


夫婦でPodcastをやっていて、時間貧困問題について考えていました。結果、時間が足りない現代の共働き世帯は、①仕事や家事育児を完璧にせず諦める。②その分を人に頼る。ことが必要だね、と収録をしました。その翌週くらいにまさかの入院という運びに。

「子育て」や「夫婦のコミュニケーション」で苦しんだことに対して、なぜ自分たちがうまくいかないのか?どういう風にアクションをしたらいいのか?隠れている価値観や規範と言うのはどういうものなのか?を、より深く考えているPodcast「カジラジ」をやっています。

シーズン3のテーマは「なぜ頼るのはうしろめたいのか?」。この回のような「リアル人生の改善プロセス」が覗けるのもカジラジの魅力。令和の子育て世帯にはきっと響くはず…!! ぜひ、聞いてフォローしてみてください。

子育てと仕事の板挟みで苦しい現代パパのこと。イマイチなものが多い企業ノベルティのこと。自分が体験して改善したい!と思った課題に対して研究・発信してます。noteやTwitterPodcastでもフォローお願いします!

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