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カスタマーサクセスにおける最も効果的なノベルティの使い方とは何か?

コミューンさんにお声掛けいただいて、カスタマーサクセスのエキスパートの方たちの素敵な会にゲストとしてお話させていただきました。ノベルティって効果あります?というのがCS文脈で必ず出てくる問い。ここではそのエッセンスをお伝えします。

とにかく受注後の後半戦にノベルティ贈るのが効果を感じやすいよ!

BtoBマーケに10年くらい関わりガチめなノベルティを続けた私が最初に結論から言うと、これです。とにかくカスタマーサクセスで効くのはノベルティやギフトを後半戦で使うとき!

LTでは失敗例をお話ししました。事例として公開しづらいので割愛しますが、初期アポ【図で言う黄色の所】のためのアイテム。展示会のばらまき、名刺交換後のグッズ、架電前に届けるグッズ。この辺は作ったものの、そこで効果をめちゃくちゃ実感したと言う話はあまり聞きません。

(アイテム送付タイミングとIS架電やメールなど、を工夫すれば可能性あるとは思いますが!今のところは…)

契約後のピンク部分に効く

後半戦とはピンクの部分です。要は新規よりも既存顧客に効きやすいよという話。

私がカスタマーサクセス文脈に近く、1番お仕事をさせていただいたのは、ネットリサーチ(インターネット調査)国内No.1であり、最新のデータ&テクノロジーを活用して顧客企業のマーケティングを支援するマクロミルさんです。

めっちゃつくった
ゴミ袋の ノベルティ。過去を捨てることから、イノベーションは始まるというコンセプトから。twitterでもバズったりしました


当時メディアなどで話題になっていた御朱印帳を企業ギフトに。連動してセールスパーソンがパワースポットを紹介するwebサイトもUP。全日本DM大賞入賞
どこよりも早い年越しそば。通常年始に届けるところを、年末に届けることで、顧客の年越しそばニーズを先取りした。社内報「ミルコミ」のアンケートでも人気アイテム。

これらは「セールスチームの商談やコミュニケーションのきっかけ」を促し、さらに「コーポレートブランディング」も兼ねた施策でした。

この「商談をつくるきっかけ/代わりに商談をする代理店モチベート」ここにノベルティがめちゃ効果あるのでは?と考えています。まとめるとこんな感じ。

この3つについて以下で紹介していきます!

セールスに「近い」方が社内の説明がつきやすい

まず「商談」の近くにノベルティを渡そう。ということを覚えてください。

BtoBマーケにおける施策はたくさんあります。下記はSAKIYOMIさんのまとめてくださった素晴らしい図解。60個も施策がある・・・!

ここで重要なのは、この活動のすべてが受注の手前の「商談」のためのアクションということです。

「商談」はすべての活動のゴールです。いろんな施策は効果があるし積み上げていく重要性ももちろんあります。ただ後半でも説明しますが、直接モノを渡す・届く。これを効果的に使えば、ノベルティやギフトは「商談の手前の施策」すべてすっ飛ばして「会える・会ったつもりをつくれる」ツールになる可能性を秘めているんです。

ここめちゃ重要です。アナログ施策は効果を感じづらいですよね。でもこれを続ける企業がある。だいたい、セールス文脈のゴールに近いところで機能させてます。セールスパーソンがモノを渡すことで「商談が作れる」「関係性を維持できる」という体感値が高い→継続リピートする。と考えられます。

おすすめ施策① まるで会ったかのような体験「ご挨拶ノベルティ」を発送せよ!

おすすめは「まるで会ったかのような体験」を演出するご挨拶ツールとしてノベルティとストーリーを発送。これです。前述したマクロミルさんの事例はすべてこれです。セールスパーソンの数に対して顧客リストが多いなら超おすすめです。発送コストを下げた形で、第2のセールスパーソンとしても機能します。

私はこれを「ご挨拶ノベルティ」と名付けています。

コーヒー付きメッセージを発送
お年賀のカレンダー+ご挨拶
新商品のカレンダー+ご挨拶
こちらは2つあって、1つは誰かに渡してね!という拡散を狙ってます
どんな色が届くかランダム!これでコミュニケーションをさらに狙います
これも年末に届くカレンダー+メッセージの事例

これらは年賀状や暑中見舞いのハガキのアップグレード版です。差別化もできるし、何より「届いたよ!いつもありがとうございます。今年も楽しみ!」などのコミュニケーションが生まれるんです。セールスが会いに行ったりwebMTGしなくても「まるで会ったかのような体験」がストーリーとモノを贈ればつくれる。

実際に10年以上欠かさずノベルティをつくるマクロミルさんにも効果についてお聞きしました。

コミュニケーションを良好にする。セールスパーソンの武器になる。担当者が変わっても「モノが届き続けるから」関係性を構築できた。ゆるやかにつながる感覚。ヒントになるキーワードが散りばめられてます。

既存顧客とのコミュニケーションで、継続利用(チャーン防止)/アップセル・クロスセル/したいタイミングに、実はモノを渡したことがジャブになっているなどの「モノを渡すことで好転した体験」がセールスパーソンには残っている。だから、リピートで作ってもらえるのです。

↓マクロミルさんの事例もっとくわしく知りたい方はこちらに。ミウラも出てくるよ!↓


ノベルティとROIのお話

ちょっと横道にそれますが、この施策(顧客へのノベルティやギフトを送ること)って意味あるの?と必ず担当者は問われます。しかし、結果が明確にでづらいのがアナログ施策です。デジタルのように結果を取るにはQRコードぐらいしかない…それ以外は、後追いの調査やKPI設定してコンバージョンしたデータとの相関を取らないといけません。

相関の理由としては、サービスプロダクトやセールスが良かった、とはなりますが「ノベルティやギフトがあったからサービス導入しました!」とはなりづらいです。効果が出た!と主役にしたいのですが、あくまで補助ツールの域なのであったらいいよねくらいの存在ではあります。

つまり明快なデータが取りづらいのが課題です。だから、なるべく遠い場所じゃなくて効果が最もあるところの近い場所=商談のそばにいると、そのノベルティやギフトが顧客の心を動かした瞬間の手触りが感じられます。

企業が予算をかける分、データもROIや説明しやすさはマストです。だが、取りづらいのが現状。なぜノベルティやギフトが人の心を動かせるのか?をデータでなく感覚として理解してもらう必要があります。その感覚をもっとも持つのが最前線のセールスパーソンなんです。この辺りは後半に書きます。

おすすめ施策② 優秀な顧客や代理店を表彰せよ!

商談の周りにノベルティやギフトを用意するのが大事だと言いました。もちろんそれは自社のセールスチームが行っているケースも多いですが、代理店に外出しするケース多いと思います。特に採用/セールス文脈においては、優秀な代理店パーソンに「自社の採用や製品を優先してもらう」こと=商談が増えます。

毎年増えていくのが楽しい、あたらしい木のトロフィー

これはマネーフォワードさんの事例です。サービスを使ってくださる税理士さんなどの会員向けの表彰アイテムです。実はBtoB向けのサービスを企業に導入してくれる税理士さんきっかけをつくる代理店機能としても動いてくださっています。そのような皆さんをモチベートする効果もあります。やはり商談に近いギフトは効果を発揮します。

コミュニティにもなっている

これもCS文脈でめちゃ重要だと思っています。(セミナーでは試作中をお見せしましたが)この表彰に特化したサービスもtetoteでは今後充実させていきます。従来のトロフィー的なものをおしゃれにしたり、概念を少し変える。毎年増えていく喜びがある。こんな表彰アイテムを来年から少しずつはじめていきます。

実は前述の「ご挨拶ノベルティ」も、重要顧客にも皆さん送りますが、送付する対象者が代理店であるケースもめちゃくちゃ多いです。代わりに「売ってくれる」「採用してくれる」人たちに自社を優先してもらう。この方達に頑張ってもらう手段があまりない現状なんです。代理で「商談」してもらう人に表彰やギフトを贈るのはおすすめです。

おすすめ施策③「企業間のギフト」はBtoBの施策としてチート

当たり前ですが、誰かに感謝を伝えるのって大事ですよね。企業間のコミュニケーションにおいて「ありがとうございます」と改めて伝える機会ありますか?この文脈を抑えるのは、めちゃ大事です。

前述のように企業から私たちはたくさんの情報をもらってます。メルマガ・セミナー・テレアポ・プレスリリース・ホワイトペーパー・LP・リアルな営業….でもこれらの施策って、届いても別に興味なければ心が動かないですよね。

が、「企業間のギフト」はちょっとヤバいんですね。

企業間コミュニケーションの「切り札」

「あなたのためにと言う文脈で送られたモノ」は ーーこれあまり悪用してはいけないのですがーー心が動く可能性が高いんですよね。Not For Meにはできない。ジョーカーやドローフォーのような存在が、「モノを贈る行為」なのです。

以下は企業ギフトの事例です。こんなの贈られてきたら、その企業のこと、さらに好きになっちゃいませんか・・・??

お誕生日に届くギフト(ステンレンスタンブラーとコーヒー)
グローバルなステークホルダーにお渡しするギフト(お椀とお箸)
会社の創立記念日を祝うギフト(アップルサイダー)
周年事業のギフト(コーヒー マグカップ)
夏のご挨拶ギフト(ボディバーム・バスソルト)

ファンになって企業を推してもうには、もちろん説明するプロセスも大事なのですが、魔法のようなご挨拶・表彰・企業ギフトやというものがあると、一気にそのファン度を高めるチャンスがあります。あげた事例は必ずメッセージカードもセットにしています。それは感謝を伝えることをすべて大事にしているからです。

文化人類学にヒントがあります。ギフトは人類において何千年と歴史があります。「互酬性」というキーワードもありますが、贈られたら返したくなってしまう機能が人間にはインストールされています。もらったら返したくなってしまう、忘れられなくなってしまう。「返報性の法則」には抗えません。

giftはドイツ語では「毒」という意味もあるそうです。「うしろめたさ」を植え付けるすごい行為なんです。何かを受け取るのを禁止にしている職業も存在するくらいですからね。お歳暮やお中元なんかは若い世代には無駄じゃね?めんどくさくね?と思うのですが、実はちゃんとコミュニケーションとしては重要な機能があるんですね。

私の経営するtetoteは、お歳暮・お中元・年賀状・表彰などの従来の慣習をアップデートするのは一つのミッションです。リデザインしたりストーリーを付加していくことで、ノベルティやギフトを「あたらしい企業間コミュニケーションツール」に変えていくことをやっていきます。ぜったい面白いもの作りますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

まとめ

てなわけで、企業のノベルティやギフト。ただ工夫せずつくるんじゃなくて、ちゃんとタイミングを見極めて、感謝の文脈やメッセージを込めて設計するとカスタマーさんとサクセスできるよ!というお話でした。

まとめだー!

オールナイトニッポン(120分位)くらい語りたいところ10分へギュッと短縮したのでほんとはもっと語りたいのだよ…ここじゃ語りきれないし出せない企業事例もたくさんあるので、CSの戦略を考えている方、ぜひこんな感じで1on1で気軽に話しましょうー!

ここにフォームあるのでお願いします。相談でもなんでもOKですー。企業のノベルティを使ったコミュニケーションってぜんぜん進化していない分野。一緒に変えましょう。ひとつでも「感謝が伝わるノベルティやギフト」が世の中に増えますように!