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ヌゥから始めるアサシン

「古来からの毒蛇の技は、獲物が最も弱っているときに襲い掛かかりとどめを刺す」―― ヌゥ

「牙の一撃」のテキスト

今回は超初心者向けです。新しくFaBを始める人に向けた内容と、新しいカードに隠れているヌゥの思想の紹介という感じになります。

FaBの公式の日本語訳にまだ慣れてないので英語表記が混ざると思います。ご了承ください。


FaBの思想とデッキ追放

FaBのゲームデザイン

Flesh and Bloodは60枚デッキ、CCフォーマットで遊ぶことを前提に開発されました。だいたい60枚のデッキが一周するくらいのゲームレンジが想定されていて、最初にピッチしたカードはもう一度使えるかどうかくらいでゲームが終わるようになってます。
つまり、「デッキのすべてカードに対して、一度だけプレイするか防御に使うかの選択をする」のがFlesh and Bloodの遊びの基本思想になっています。

補足1:ゲームレンジはヒーローやゲームプランにもよります。Faiの対戦になるとデッキが一周することはほぼないですし、逆に一周することを前提として戦うヒーローもいます。

補足2:一番有名な禁止カードDrone of Brutalityはこの基本思想を無視する能力だというのが禁止の一番の理由になってます。つまり、攻撃に使おうが防御に使おうがデッキに戻るため、「攻撃か防御か」の選択がほぼ意味を持ず、基本的な遊びが崩壊します。(これが強いことにはもうちょっとギャップがありますが。)
逆に言えば、このルールを破るカードが禁止になるほど、このルールはFaBにおいて重要視されてるわけです。

テキスト訳:Drone of Brutalityがいずれかのゾーンから墓地に移動するとき、
代わりにデッキの一番下に戻す。

補足3:手札に来たカードには「プレイも防御もしない」カードもあります。ピッチするカードです。このカードは後半で使う可能性があるカードでもあります。逆に言うと、後半に使いたいカードは絶対にピッチすべきであり、青のカードであるべきであるとも言えます。そういう風にプレイするときに自分が良く使うのが青のHurlです。(後で紹介する格安構築でも使ってるので、そうやって使ってください。)

デッキ追放

さて、この事実を踏まえると、ContractやMSTのStealthが持つデッキトップの追放は反則レベルで強い効果と言えます。なぜなら、「デッキのカードを攻撃か防御かに使う選択をするゲーム」であるにも関わらず、そういうものが一切関係なくランダムなカードを使えなくするからです。
直接ダメージを与えたりするわけではないので、ただ強すぎるというわけではないですが、特定のパワーカードを使うデッキには非常に強力です。
例えば、Bruteクラスが使うBloodrush Bellow、BoltynのLumina Ascension、AssassinとRangerが使うCodex of Frailtyなど一枚でも使う枚数が減ればかなり勝ちに近づくケースがあります。

ヌゥを使う際にはまずデッキ追放の強力さを覚えておきましょう。デッキ追放は、デッキを一周するくらいのゲームレンジになってやっと意味を持ち始めるので、耐えることが重要であることも覚えておきましょう。

オススメ記事の紹介コーナー

さて、ヌゥはアサシンクラスのヒーローなのですが、アサシンクラスは他のヒーローとプレイングの根本が共通なので、他のヒーローも知っておくと分かりやすくなると思います。UzuriやArakniについて書いた下記の記事はおススメです。

特に、アサシンの特徴、リアクションの強さ駆け引きの部分は今回の記事だけでは十分に説明できないので、そのあたりを理解するためにも以下の記事はオススメです。

ヌゥの超初歩的な考え方

ヌゥの能力とカード

ヌゥには「防御したアクションカードを追放する能力を隠密(Stealth)カードに付与」と「気をピッチして相手の追放領域の青のカードを使う」能力があります。
ヒーローカードに書かれている位置を考慮して、前者の能力を上能力、後者の能力を下能力と呼ぶことにします。

下能力が派手なのですが、わりとそのままの能力でありそれほど説明する必要がないのと、相手によっては全然使えなかったり対策されたりするので、実は上能力がヌゥの真髄です。

上能力はそのままだと、下能力を使ったときに使えるカードくらいの意味しかありません。そこで登場するのが、MSTで登場した新しい種類の隠密カードです。
ヒット時のデッキトップ追放に加え、「このカードが追放したカードが条件を満たしたときにライフを回復する」能力を持つカードです。ヌゥの上能力は防御カードを追放する能力を隠密カード自体に付与するので、ライフ回復能力に使うことができます。

一番シンプルな種類。対象によって1回復する。
回復だけでなく追加能力もあるタイプ。このカードのドローはうまくいけば強い。
デッキトップだけでなく墓地も追放できるため、下能力が使いやすくなる。
追放枚数が多いが、ライフ回復の条件は厳しくなる。
ただし使ってみると2回以上回復も狙いやすい。

これらのカードにより、相手が防御したときにStealthの対象に引っかかる場合、ヒットしなくても回復する(あるいは何らかの効果を達成する)ことができます。
 これがヌゥのプレイングの根幹部分になります。
基本的すぎるのと回復だけでは地味に見えるのでちょっと忘れがちになるのですが、このギミックに基づいていろんなシナジーや駆け引きが生まれるようになっています。

この考え方をあとあと使うことになると思うので以下を、ヌゥの基本思想と呼ぶことにしましょう:
 ヌゥの基本思想相手の防御カードに制約をかけて戦う
以上をもとに次節では超基本的な典型的プレイングを紹介します。

補足1:追放できるのはアクションカードなので、リアクションカードは追放できません。なので、リアクションカードの追放で回復できるカードを使いリアクションカードで防がれても回復できません。
その意味で少し弱いですが、いろいろな駆け引きで使えるのでわりとデッキに入れたくなることはあります。

ヌゥのフレーバー的基本プレイング

高いカードを入れた派手なプレイを見ると気が付かないのですが、格安構築でプレイしたときに、ヌゥがどのようにデザインされ、どのような駆け引きが出来るようになっているかが分かったので、その紹介をします。

FaBの前提として攻撃のカードは4点分の価値が出て普通だということを覚えておきましょう。
まず、隠密カードは赤でも3点の攻撃しかなく1枚で防御できてしまします。Outsidersセットの隠密(Stealth)も同じ3点でしたがヒット時に2点分の価値が出るような能力になってました。(詳細は省略。)ところが、今回の隠密カードはヒットして条件を満たして1点回復して、ようやく4点分の価値しか出ないようになってます。

それを踏まえると2つのパターンがあります。
・全然ブロックされない
・逆に1枚でブロックされて終わり
ヒットしたところで大したことがないので、ブロックしてくれないです。こうなるとヌゥの基本思想も一切関係なくなります。
また、ライフが少ない状況とかでマストブロックの状況だったとしても、1枚で防ぐことができます。ライフ回復させないように防御カードに制限をかけることが出来るっちゃできるものの、たかだか1点なので返しの強さを考えた時に、ライフ回復してもいいからダメージ受けないように防御されます。

つまり、攻撃に圧が無いため相手側の都合に応じて、スルー出来るし、防御したいときは簡単に防御できるわけです。

やればわかりますが、普通の攻撃は本当にカードでブロックしてくれないです。もちろん強い攻撃は防御されるものの、ゲーム全体で見た時に、ヌゥの基本思想とか関係なく防御しなくてOKの状況になりがちです。

ここで登場するのが、「親密さの誘引/Intimate Inducement」です。

分かりやすい例を考えましょう。アクションカードの追放で1点回復する隠密カードを使ったときに、相手がブロックしなかったとしましょう。
そのときにこのカードを使えば、「青のアクションカードを防御にする」「相手のデッキトップをアクションカードにする」とすれば、このリアクションの+1点も考えて、4点のダメージと2回復、さらに2枚のカードの追放もできます。
青のカードがなかったとしても、使われたくないカードを防御に回して追放したり、そもそも+1点があったり、次の相手のカードの半分が分かったりするなど、めちゃくちゃ応用があります。

もっとヌゥの雰囲気が分かるのが、3点防御で守られていたときです。そのときにこのカードを使って相手の青を防御に回せば、4点攻撃に3点防御なのでヒットしかつ操作した好きなカードのデッキ追放もできます。
つまり、3点という防御しやすそうな攻撃で誘いつつ、それをちょっと超えて好きなようにいろいろできるというのが、アサシンヌゥのイメージ通りの動きになっています。

このように、ヌゥの基本思想は前提として、相手が基本的にはブロックしてこないことも前提として、それでもなんらかのブロックを絡めて回復するのがヌゥの一番のフレーバーが出る部分だと思います。ちなみに、神秘暗殺者のMレアのカードにはその手のカードが用意されています。

相手の手札に青のカードがあればだいたい得する。そもそも相手の手札が分かる。
すでにオーバーブロックされてるときや、ダガーの攻撃に無理やり防御させるのも可能。
逆に相手が防御したときにそれを無駄にするカード。ヌゥの能力と違ってこれを使ったときに追放するので、防御カードをなくすことが出来る。対象はアクションカードだけであることに注意。後半にある、追放したカードを使うというのは正直おまけで使うことはほとんどない。(気をピッチしたということは下能力は使える状況なので、下能力の使用を諦めた際の補償能力です。)

ちなみに、このMはそんなに強くないです。CCのサイドでは自分は入れるかもくらいです。むしろ、「親密さの誘引」が最初Mだと思ったので青があってコモンだと気が付いてびっくりしました。後で書きますが、青は出来るだけ使わない方がいいです。

さて、ヌゥの基本思想に基づいたヌゥっぽい動きの説明をしましたが、全体を通して頭の隅に置いておきたい考え方ではあるものの、これ自体で勝てるほど強いものではないです。
次に、他のアサシンにはないヌゥの強みを説明します。

ヌゥの強み

ヌゥの強みは神秘タレントによるカードプールの強さ。単にカードプールが広いだけではなく、これまでのアサシンに出来なかった動き、特に続行(go again)による連続攻撃が可能なことがヌゥの強みです。

これまでのアサシンは、一回の攻撃にリアクションの駆け引きで戦うのが基本で、続行をするには足装備をうまく使うかGenericの続行持ち攻撃を使うくらいしかありませんでした。そのため、続行攻撃に比較的弱いヒーロー(IllusionistやKano)が非常に苦手だったのですが、その手のヒーローと戦いやすくなります。

続行を付与する上で基本となるのが、好きなカードに続行を付与できる「這いずり/Slither」カードとそれを生成するカードです。リアクションは対象が特定のクラスなど限られることがおおいのですが、攻撃・アクションカードであれば何でも続行を付与できるため、普通は続行が付かない「Command and Conquer」など強力なGenericカードも続行で攻撃することができます。

這いずりを出す手段も、装備の「反抗の高踵/Undertow Stilettos」や「擦れ音/Hiss」など、非常に使いやすいカードなのも特徴です。
「擦れ音」と「毒の噛みつき」は神秘と暗殺者の両方を対象に取れる非常に強力なカードです。普通なら暗殺者の隠密カードのみが対象でもおかしくない性能なのに、ここまで対象が広いのは暗殺者のカードプールの中で本当に強いです。

さらに、武器の「招き寄せの霧刃/Beckoning Mistblade」はヒット時かつ対象は青だけですが続行が付与できる強力なカードです。

招き寄せの霧刃は攻撃のバフもあるので、ちょっと玄人向けで説明は省略しますが、1コストのContractの青と相性がいいです。(Arakniならめちゃくちゃやりたい動き。)

ところで、「擦れ音」で「這いずり」を出すには青ピッチが必要なことに注意してください。最初はけっこうミスします。この青ピッチが必要なことが理由で、ヌゥのデッキは青色のカードをかなりの枚数入れる必要が出てきます。逆に言えば、青のカードでもどれだけ戦えるかがカギになります。

その他注目カード

新しい隠密カードには、アタックリアクションを特定の回数起動すれば強力になるシリーズが追加されました。カード自体に(ほぼ)デメリットがないにもかかわらず、簡単にカード自体のパワーが上がるので強力です。それぞれ違う仕事をするのもいいところです。特に、ヌゥの足と腕の装備は装備の効果自体がリアクションであり、それによりリアクションカードを生成するため、簡単に2回のリアクションはいつでもできます。その意味で非常に相性がいいです。
追加された他の隠密カードと違って、このシリーズは回復効果はないことに注意してください。

ヌゥのデッキは青のカードを多く入れる必要があるのですが、青の隠密カードを実質赤のカードにリアクションかけたパワーにしてくれるのが「ほんの切り傷/Just a Nick」です。
青のカードを赤のカードとして使えるカードとして捉えると分かりやすいです。逆にいうとそれだけなので、実は単体能力としてはそこまで強くないです。また、「これを入れる」=「青の1点攻撃を多く入れる」という構築を縛るカードにもなります。
とはいえ、このカードはやっぱりそれなりに強く使えて、一番わかりやすいところでいうと、(Blitzだとやりにくいですが)青隠密にこのリアクションを2枚使うと11点になるのでさすがに強いです。3枚で11点はコンボとしては弱いと思うかもしれませんが、リアクションなので自由に火力を調整できますし、相手もここまで警戒しないといけないだけで十分強いです。

格安構築紹介

デッキ説明

初心者が増えそうということで、格安構築を組んでみました。
細かいところはわりとなんでもいいカードもありますが、色の比率とか隠密カードの比率、採用カードの傾向が参考になると思います。

アサシンがそもそもブリッツでは難しいですが、プレイング次第ではけっこう勝てる構築になったと思います。
(レア以下の構築ではさすがに無理でした。)

補足:Oasis Respite をサイドに入れたらプロモカード扱いになり表示の値段が高くなったのでMay Beに移動してます。

入れ替え候補のカード

隠密カードをメインにしてますが、青のカードが多いのでコストが高いカードを入れる構築にするのもありです。「擦れ音」と「毒の噛みつき」が暗殺者カードならなんでも対象にとれるので、「Sneak Attack」や「Wage Gold」が非常に相性がいいと思います。「ほんの切り傷」を入れるなら青の「Sneak Attack」も面白いと思います。

ヌゥを使っていると防御リアクションを何度も使われるので、「Wreck Havoc」もお勧めです。赤のこのカードは「Command and Conquer」の完全下位互換ではありますが、ヌゥの動きとの相性がいいので、このカードで試してみるといいでしょう。

ヌゥで勝つための補足

先に言っておくと、アサシンはブリッツではめちゃくちゃ弱いです。時期にもよりますが、例えばUzuriだとCCでも使えるヒーローの中ではトップレベルでタリシャー勝率が低いはずです。

この原因はアサシンの使い方が全然わかってない人が多いからだと思ってます。最近はあんまりアーモリーに出てないですが、アーモリーでUzuriで負け越すことほぼなかったはずですし、CFプロモが欲しくて月初めにアーモリー出て一発で3-0してアーモリーチャレンジ終わらせたりできる程度に勝ててはいます。(しかも、Dash1人とその時期強かった今ではLL入りした昔のKassai2人に勝ったはず。)それくらい、理解度が重要なクラスです。

追記:Arakni, Solitary Confinementというブリッツ専用ヒーローがたぶんヌゥに近い上に戦いやすくMSTで大幅強化もらったので、そちらはかなり強いかもしれません。今回はCCも見据えた内容のつもりなのと自分のArakni, SC構築は分かりやすくない戦略なので省略しています。ブリッツでアサシンで勝ちたい人は詳しい人に聞いてください。

ともかく、ブリッツはヒーローの強さが極端になりつつある上に、アサシン自体もブリッツでそれほど戦いやすいわけではないということは覚えておいてください。そのうえで今回は格安構築なので、より勝てなくなることは覚悟してください。

とはいえ、FaBはデッキ以上に遥かにプレイングが重要なゲームですし、プレイングを学ぶ上で全然問題ない程度にちゃんと成立している構築にはなっていると思います。(強化はいくらでも出来るので許してください。)

プレイングを箇条書きで説明

基本
・今回のデッキにはヒール系の隠密カードと十分な数のアタックリアクションが入っています。基本としては、上で説明したようなヒール効果を交えた攻防と、リアクションによる想定外の攻撃でダメージを与えましょう。

・青のStealthがたくさん入っているので、「ほんの切り傷」を狙っていきましょう。

・打点が稼げるのは「問題の拡大」です。効果自体は簡単に発動できるので、防御があいたチャンスをついてダメージを与えましょう。

・「ほんの切り傷」や「問題の拡大」を使っていると、相手が過剰にブロックしてきたり、ちゃんと防御リアクションで守られたりします。相手の反応に合わせて、続行で次の攻撃に攻撃を集中するのも重要です。

・ヌゥを使う上では、その攻撃にリアクションでバフをかけるか、次の攻撃が続くかの読み合いを仕掛けることができれば、もう基本はマスターしたとういえるでしょう。

方針
・打点を出すことの話をしましたが、アサシンは序盤は打点よりもライフを保つことが大事です。相手の攻撃を受けてもそれに見合う反撃ができることはほとんどないので、まずはガードを固めて、少しずつ相手のライフを削っていきましょう。

・7~10点くらいのライフになれば、リアクションから一気に勝負を決められるような攻撃ができるようになります。そうすると、相手は警戒することが多くなり効率的な動きもしづらくなります。ここまで持っていくことを目指しましょう。

・最後にライフ1~3点くらいになったときにはダガーやHurlによる直接ダメージが効いてきます。ここまでくるとアサシンの得意な状況まで進められています。そのためにも、最後に使える青をデッキにちゃんと残しておきましょう。場合によってはヌゥの下能力も使えるかもしれません。

・もう少しいうと、デッキ追放の隠密カードをメインに使ってるわけなので、ファティーグ戦略を常に頭の隅においてプレイすべきですが、最初は難しいと思います。
相手のデッキが自分のデッキより早くなくなりそうだと思ったらライフよりもデッキ切れを狙うくらいで捉えるといいと思います。

カードの注意
・「擦れ音」や「毒の噛みつき」の追加効果は青ピッチしているときだけなので、ピッチせずにRedback Shroudを使ってしまうのには注意してください。
すでにピッチしている上で、リソースが足りないときにリアクションを追加で使うときや、「Razor Reflex」や「Spike with Bloodrot」に使うといいでしょう。場合によっては、必要リソースを下げる効果を使わなくても、「問題の拡大」の条件にのせるためにアタックリアクションとしてのみ使うだけでも有効かもしれません

・「親密さの誘引」はバフ量が色で変わらないので青でもいいかと思うかもしれませんが、見た2枚のカードのどちらでも防御したくないという裏目をめちゃくちゃ引きやすいので、出来るだけ使わない方がいいです。デッキが青ばかりになる後半や、相手のヒーローのデッキ的に使っても問題がないことが予測できるときのみ使いましょう。赤は強いのでばんばん使いましょう。

本格的な構築へ

正直に言うと、ヌゥは初心者にはあまりオススメできないヒーローだと思っています。一方でFaBは好きで相性のいいヒーローを使うのが一番だと思うので、ネガティブな要素を伝えたうえで、それでもやりたい人のために、できるだけ役に立つ情報を伝えようと思います。

ネガティヴ要素

値段

1番のネガティブな要素は値段です。アサシンクラスのデッキを作るのは今はかなりハードルが高いです。

1年以上前の話をします。最初からアサシンが高かったわけではなく、自分の始めた頃はOutsiders以前でアサシンに勝ち筋がなかったころでした。なので、今ではアサシンの強いカードも発売日直後は今より断然安かったです。Uzuriの登場の後それなりに時間がたってから、徐々に勝てるヒーローだと分かってきて値段が上がりました。

前からのプレイヤーはある程度カードを安い時期に買ってるので新規プレイヤーよりかなり安く組めます。(そのぶん、今では弱いカードも高く買ってたりしますが。)これは新規にはつらいですが、逆に言えば長く遊びやすいゲームであるという側面もあります。

今ではアサシンクラス自体がある程度人気なので、MSTの新しいカードでもヌゥ以外でも使える強そうなカードがすでに値段が高くなってしまっています。ゼンやエニグマのカードと値段を比較すると分かりやすいと思います。

プレイ難易度
アサシンは相手の動きを理解した上で読み合いをしかけるクラスです。なので、いろんなヒーローを知らない初心者にはそもそも向いてないです。

ヌゥはアサシンの中では単純に打点が出しやすいので、初心者向けの雰囲気があります。ところが、逆に言えばアサシン特有の駆け引きはやりにくいので、勝てるプレイングを理解するのはむしろ難しいと思ってます。打点が出しやすいとは言え、単純な火力は他のクラスの強い動きには負けるので、結局駆け引き要素が必要になります。

ポジティブ要素

一番のいい要素は、アサシンの動かし方を分かってる人がかなり増えていることです。
アサシンはプレイングにクセがあり難しいクラスなのですが、理解している人が増えてきて教えてもらいやすいのはかなりポジティブ要素です。自分が始めたころはそもそもどうやっても弱かったこともあり、興味を持つ人がいてもどうやればいいのか分かる人はいないという状況でした。

アサシンクラスはデッキパワーが高いヒーローとは違い、プレイングが大事なので、アドバイスが聞きやすい状況なのは直接的にかなりプラスです。

また、ヌゥに関して言えばMSTのパックを買ってるだけで、かなり強化できるのもいい点です。1年くらい前ならDromaiとFaiが初心者にオススメでUprisingを買うだけでカードが揃うとよく言ってたのですが、MSTもそれに近いパックになってます。新しく始める人で、エニグマやゼンも興味がある人にはMSTのパックでカードを集めるのをオススメします。強いカードが流用できるのも魅力です。

強化するために必要なカード

カードの本格的な紹介の前に、残念なお知らせを最初にしてから、それをある程度回避する方法をお伝えします。

ヌゥは新しいヒーローということもあり、結局は既存の強いアサシンの動きに近づけるのが一番強いと思われます。そのときに一番大事なのが「Codex of Frailty」です。

「Codex of Frailty」によってアサシンクラスが成り立っているといっても過言ではありません。しかし、LexiとUzuriが活躍するにつれ、どんどん値段が高くなってしまい。FaB全体を見てもデッキに入れるカードで一番高いレベルにまでなってしまいつつあります。
これがつらいのは、他の強いカードの強い動きも、結局はこのカードに依存していることです。
「Leave No Witnesses」はアサシンクラスを代表するカードですが、Codexと一緒に使うからこそ強いですし、「Command and Conquer」ももちろん単体でも強いですが、Codexと「Fyendal's Spring Tunic」 のおかげでより強く使える側面が強いです。
このように、「Codex of Frailty」があるからこそ他の高額カードがより強くなるというある意味悪循環になっています。悲しいですが、クラスの人気が高まり需要も高まっているこの時期だからこその感じもあります。タイミングが悪かったと思ってください。

しかし、「Command and Conquer」はUzuriだと単体でめちゃくちゃ強いので、アサシンに興味があれば、どちらにせよ持っていて損をしないカードです。また、「Codex of Frailty」が強いとは言え、黄色のカードであることもありヌゥ自体とめちゃくちゃ相性がいいわけではありません。今後の強化次第ではもしかしたら無くても十分強い「神秘・暗殺者」特有の構築が出来る可能性もあります。(あったとしても、2弾以上先だとは思いますが。)

ということで、MSTヒーローとして強化する方向とアサシンとして強化する方向の2軸を最後に紹介しようと思います。MSTの他のヒーローにも興味を持ってる場合やアサシン自体に興味を持っているかで、欲しいカードは変わると思います。

MST軸で強化

まずは、「悟りの階段/Levels of Enlightenment」です。このカードはすでに高くなってしまってますが、それは当然で、能力がぶっ壊れレベルで強いので、MSTヒーロー全員が入れられる枚数絶対入れるくらいの強さを持つからです。神秘カードじゃなくて汎用カードだったらと思うとぞっとします。
神秘のヒーローが環境で活躍しなければ安くなると思いますが、絶対にそんなことはないので、仕方がないと思います。
神秘ヒーローの中でもヌゥはそれほど必須感はないので、値段を考えて買わなくてもいいと思いますが、神秘の他のヒーローも興味があるなら絶対に買って損はないと思います。むしろお得かもしれません。

次に、「繰り返す悪夢の仮面/Mask of Recurring Nightmares」です。このカードは実質ヌゥしか使えないカードなので、アサシンに流用ができません。ヌゥをプレイする上ではあった方が絶対にいいですが、アサシンの頭装備や汎用の装備でも十分に強いものはあるので、アサシン自体には興味はないけど、ヌゥを絶対にやるんだという人は買って損はないでしょう。

アサシン軸で強化

アサシンで興味がある場合には、最初に述べた「Codex of Frailty」や「Leave No Witnesses」ほぼ必須で欲しいです。
それらがなくても、「Surgical Extraction」や「惹きつける予後」「苦悶の束縛」はヌゥと相性がよく他のアサシンでも非常に強いです。

補足:「Surgical Extraction」はDynastyのカードですが、封入ミスがあり印刷量が圧倒的に少なかったため一時期高騰してました。その後Dusk till Dawnで特別措置で採録され価格が落ち着きました。そのような経緯があるため、「Surgical Extraction」を目的としてDynastyのパックを剥きまくるのはやめてください。全然出ないです。ただし、レインボーフォイルの「Surgical Extraction」はDynastyからのみ出ます。

その他、「Flick Knives」はどのアサシンでも強い腕装備です。ヌゥのコモンの腕装備が十分強いので絶対必要ということはないですが、この装備も十分強いです。役割が違うので、慣れてきたら購入すればいいと思います。

足装備の「Blacktek Whisperers」も強いのですが、これに関してはヌゥはコモンの装備の方がはるかに相性がいいので、このカードを使う必要はほぼないと思います。他のアサシンを使うときに欲しいカードであるくらいに覚えておいてください。

高額カードではないですが、「Shred」はアサシンクラスのぶっ壊れカードです。しかし、ヌゥを使うと相手が防御してくれないので使いどころがなくなるという変な状態になりがちです。防御してくれないとプレイすらできないので、リアクション回数によって発動する能力のために使うこともできません。
なので、強いオンヒットを使うときだけピンポイントで有効なカードになります。ヌゥの場合アクションカードで防御されにくい反面、防御リアクションを使ってくれることが多いです。なので、まだ分からないですが、実はヌゥだと赤の「Shred」が相性がいいのではないかと思っています。

とはいえ、ヌゥを使う上ではちょっと難しいので、普通のアサシンなら使いやすい強力なカードがあるということを覚えておいてください。

最後に:自分がFaBを始めた時の話

自分はPrismで興味を持ってFaBを始めてデッキを作ったのですが、結局ほとんど使わなかったという経験があります。Prismはプレイングが難しいのと、プレイの方針も合わなかったというのがあります。
(今なら勝つためのプレイングは分かるレベルになってると思うが、プレイ感はやはり合わないとは思う。)

その経験があるので、初心者の人にはまずは実際に遊んでみてからデッキを作って欲しいと思います。なので、格安構築も最低限のそのヒーローのプレイ感が分かるものにしているつもりです。
FaBの界隈は親切な人が多いので、興味があるヒーローやどれくらい熱量でやりたいかを伝えたら、びっくりするくらい親切に教えてくれたり、遊んでくれたり、デッキを貸してくれる人がいます。本当にそうなので、びっくりですね。

FaBの一番いいところは、気に入ったヒーローがいれば、極めればどんなに弱いと言われているヒーローでも全然勝てるところだと思っています。本当に格闘ゲームみたいな感じで、実力が一番大事なカードゲームです。なのでまずはそういったヒーローを見つけて、そしてはまっていってほしいなと思います。

ちなみに、最初からコレクションも目的にするなら、バンバン好きなカードを買っていいと思います。イラストやコレクション性もこのカードゲームの魅力ですから。


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