【短編怖い話】因縁のタカシ
【短編怖い話】因縁のタカシ
昔ね、子供の頃の友人、タカシという名の男と久しぶりに再会した話なんだけど。
あの日、公園で夕日を見ていると、タカシが隣に現れたんだ。子供の頃の姿のままで。彼とは中学を卒業してから何の連絡も取っていなかったのに、そこにいるのは確かに彼だった。
彼は、僕たちが小学生の頃によく遊んでいた秘密の基地や、夏休みに行ったキャンプの思い出を話してきた。妙に詳細に。そして、その度に「あの日、最後に一緒に遊んだの覚えてる?」と繰り返し尋ねてきた。
正直、その時は何のことか分からなかったんだ。しかし、彼の瞳には何かを伝えたいという切なさがあって、夜が更けるにつれてその感じが強くなってきた。
夜の静寂が僕たちを取り囲んでいる中で、タカシは「実は、僕...あの夏の最後の日、川で溺れて死んでしまったんだ」と、涙を浮かべて告げた。
冷たい風が吹き抜ける中、記憶が蘇ってきた。あの日、タカシが突然姿を消し、皆で探したけど見つからなかった。それが最後に一緒に遊んだ日だった。
その後、彼の姿は消え、僕は恐ろしい現実に気づく。自分の体がどんどん冷えて、感覚が鈍っていく。川の音が耳に飛び込んできて、足元に水の感触。突然、水の中からタカシの手が伸びてきて、僕を深い闇に引き込んでいった。
夜明け、公園のベンチで2人の姿が発見された。近くの川から2つの子供の靴が流れてきたという。