【備忘録】チョコレートの化学について

自分用メモ公開しておきます

1.チョコレートの定義

「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」より一部要約 ※省略しているので正確には該当規約を要確認

https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/chocolate.pdf

  • 「チョコレート」とは、チョコレート生地のみのもの、チョコレート生地が全重量の60%以上のもの

  • 「チョコレート生地」とはカカオ分が全重量の35%以上(ココアバターが全重量の18%以上)水分が全重量の3%以下。一部乳固形分使用可

  • 「カカオ分」とはカカオニブ、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダーのうち水分を除いた合計量

  • 「カカオニブ」とはカカオビーンズからシェル(外皮)を可能な限り取り除いたもの

  • 「カカオマス」とはカカオニブをすりつぶしたもの

  • 「ココアバター」とはカカオビーンズ、カカオニブ、カカオマスから得られた油脂

  • 「ココアケーキ」とはカカオニブ、カカオマスから脂肪分の一部を除いたもの

  • 「ココアパウダー」とはココアケーキを粉砕したもので、ココアバターを全重量の8%以上、水分を全重量の7%以下のもの ※ココアバターが8%以下だと脱脂ココアパウダー

~~規約ここまで~~

1-1.雑感

カカオ豆から採れる成分は、ココアバター(油脂)とココアパウダー(搾りかす)に分かれますが、定義から考えるとチョコレートの本体はココアバターということになる。

「ココアパウダー」の入っていないものでも、ホワイト”チョコレート”を名乗れますが、「ココアバター」の少ないものはあくまでココアパウダー(ココア)しか名乗れないということから見て取れる。

カカオ豆の58~53%がココアバターなので、重量からもカカオは油脂がメインなのだろう。

しかし、ココアパウダーは味と香り、色の成分であるため、ココアパウダーの入っていない、純粋なココアバターは無味無臭に近いらしい。

口の中で溶ける滑らかな味のしない油の塊がチョコレートといわれても、いまいち腑に落ちないのは私だけか。

2.ココアバター

ほとんどが脂肪分であり、その中でも以下の三種類が90%を占める

  • C16:0 パルミチン酸 25.4% Tm62.9 ℃

  • C18:0 ステアリン酸 33.2% Tm69.6℃

  • C18:1 オレイン酸 32.6% Tm13.4℃

そのため、ココアバターは結晶固体脂が多く、また狭い温度範囲で一気に融解する。

ココアバターの結晶形態について詳しくはコチラ↓
https://www.jps.or.jp/books/gakkaishi/2016/11/71-11_mijika.pdf

チョコレートのおいしい物理学, 日本物理学会

比較されている「バター」の脂肪分の内訳を見ると、ココアバターの脂肪分の種類の少なさに驚くだろう

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%BC

バター, ウィキペディア

また、体温で溶ける性質から、坐薬の基剤として適している。

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