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コアJ-POPライブラリ 8.たま
さてさて今回は伝説のバンド、たまです。
若い人は知らないかな。
1989年に「さよなら人類」を大ヒットさせたバンドです。
何はともあれ「さよなら人類」を。
(今回のリンクは「まちあわせ ベストアルバム」のものです)
「さよなら人類」
なんとも奇妙な歌ですね。
しかし、メロディーラインとアレンジ、コーラス、演奏テクニックがかなり優れていることは、音楽が好きな方は分かると思います。
唯一無二の世界観の歌詞も、なかなか書けるもんじゃない。
たまは、もともと80年代の東京のアングラシーンから生まれたバンドです。
4人のシンガーソングライターの集合体、という言い方を本人たちはしてました。
この4人が4人とも、バンドのフロントマンを努められるくらいの作詞作曲ボーカル能力を持ち合わせており、それが故に「天才バンド」「伝説のバンド」と言われていたのです。
これがたまだ、と定義することは難しい。四者四様なので。
ただ、アングラな世界観だけは共通していました。詞の世界観は萩原朔太郎あたりに影響を受けていると思います。
確かな演奏技術で、プログレッシブロックやフォークなどを独自に融合した音楽を奏でていました。音楽ジャンルとして分類不能な楽曲が多いのがたまの特徴です。
当時は「日本のビートルズ」と評価する人もいました。私も、独自性と音楽の高度さはビートルズに引けを取らないと思います。
ただ、当時の日本の商業音楽の活動スタイルとは合わなかったのかな、知りつぼみになって空中分解します。
ソロでも各自やっています。弦楽器担当だった知久寿焼さんなんかはmacaroomとコラボしてたりもしてますが、それもなかなか聴きごたえのあるアルバムだったりもします。
それではメンバーの紹介と、その人の作詞作曲の曲を一曲ずつ紹介。ボーカルもその人が取っています。
知久寿焼さん
弦楽器担当。ギターやマンドリンなんかを器用に奏でます。
「かなしい」歌が多く、高音の歌声も特徴。
商業ベースに乗せられない歌詞がヤバすぎる歌も多数あります。
「らんちう」
柳原幼一郎さん
主に鍵盤楽器担当。明るめの歌多し。
一番ポップな曲を作るのはこの人。なので商業ベースからはこの人の曲がシングル曲になることが多かった。
ポップつっても「路地裏に月が落っこちて/犬の目玉は四角だよ」てな歌詞ですから一般的な目線で言うと全然ポップじゃないんですが。
「満月小唄」
石川浩司さん
主にパーカッション担当。たまはドラムがいません。石川さんのパーカッションは、そう呼ぶしかないからそう書いただけで、太鼓や鈴やなんかを独自に組み合わせたパーカッションセットで、所謂パーカッションではありません。しかしその音色が絶妙に絡むところにたまの楽曲の良さがある。
最も分かりにくいアングラな曲を作ります。
「学校にまにあわない」
滝本晃司さん
ベース担当。遅れて加入しています。
1人だけ極めて「まとも」な楽曲を作る。曲はもう構成が変態ですが。
一見まともそうに見えて実は一番音楽的に変態なのはこの人かもしれない。
「海にうつる月」
まあ一曲でも聴けばたまが不世出のバンドであることはお分かりいただけると思います。
二度と現れないだろうなあ、こんな天才バンド。
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