郡司真子氏(@bewizyou1)のフェミ議連擁護を批判的に検討する

ゆっくりしていってね!!!! 

全国フェミニスト議員連盟の記者会見に参加した記者の郡司真子氏(@bewizyou1)がTwitter上でレポートを述べているわ。

今回はそれを批判的に検討してみるわね!

郡司真子氏は、次のツイートから、リプライツリーでフェミ議連の意見を紹介しつつ、併せてご自身の見解を話しているわ。

さっそく、「千葉県警は、動画を非公開にした理由を公表していないのですね。」に引っかかるわ。
なぜなら、動画を非公開にした理由は公表されているからよ。

正式な回答文書もフェミ議連に提出しているし、下記の通りマスコミのインタビューにも答えているわ。

 千葉県警はこの日、よろず~ニュースの取材に対し、「要望をいただいたのは事実です」と回答。「今回の啓発動画は、コロナ禍で対面での啓発教育が実施困難な状況下において、自転車の安全利用を呼び掛けるためのもの」と趣旨を説明した上で、「本来の目的と異なる意図でとらえられることへの懸念や、動画の掲載期間が今月17日で終了する予定だったことなどから県警内で検討した結果、削除することを決めました」とし、同議連の主張を受け入れたものではないとした。
 その上で、戸定梨香については「性的なものであるとか、女児を性的な対象としたというキャラクターであるとか、そういう意図があるとは思っておりません。不適切ではないと判断しております」とし、キャラクター自体に問題はないとの見解を表明。「賛否双方のご意見をいただいています。フェミニストとされる方からも『性的だとは思わない』というご意見がありました」と明かした。
Vチューバー動画削除の千葉県警 「戸定梨香」の性的要素否定し「不適切ではない」と明言(visited 2021/10/09)

もちろん、「削除理由を公表はしているが、理由に納得がいかない」とか「さらに検討の内容まで含めて公表してほしい」という意見はあるでしょう。
ただ、削除理由を公表している・公表していないで言えば、公表はしているわ。

同趣旨のツッコミをリプライで送った人はいるのだけど、それに対して郡司さんは次のように答えているわ。

「動画を非公開にした理由」は公表されているけれど、内容面で不満がありますということみたいね。
まあ、このあたりは言葉尻だから良いといえば良いわ。そんなにこだわる論点でもないし。ただ、私は普通に事実を判定して「公表されている」と捉えるけど。

さて。次に郡司さんは、記者会見でのフェミ議連の話を紹介しているわ。

ううん? フェミ議連が千葉警察に送付した質問状に、ゾーニングがどうのって書いてあったかしら?

フェミ議連が、戸定梨香さんの動画を不適切だと判断したのは、まず「本動画は、女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長」しているからよね。

これは動画そのものに属する問題であって、ゾーニングされていれば「女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長」していいという話ではないはずよ。また少なくとも最初の抗議状に「ゾーニング」という単語は出てこないわ。

また、「女児を性的な対象として描くキャラクターを採用することは、性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」とも述べているわね。これもゾーニングすれば性犯罪誘発の懸念はなくなるのかしら。

そういう認識であれば、そういう認識でも良いのだけれど、「偏見及び慣習を助長する」「性犯罪を誘発する」の両方にちゃんとした根拠があるのかどうかは前にも詳細にnote記事で書いた通り、確認したいわね。

戸定梨香さんが所属する株式会社Art Stone Entertainmentの板倉社長も同じ趣旨で問題点を述べていらっしゃるわ。
フェミ議連としては、「警察に抗議したのであって、板倉社長に抗議したわけじゃない」のかもしれないけど、現実に損害を被った当事者からの質問に答えないのは、極めて不誠実な態度・対応だと思うわ。警察の著作物ではないんだから、どうしたって泥をかぶるのは著作権を持つ会社になるでしょう。

■議連の主張には科学的根拠がない
「抗議内容には、弊社のVTuberのどこが性犯罪誘発、女性蔑視に繋がるのかなどの科学的根拠がなく、主観的な意見を並べているにすぎず、詳しい理由の回答をお待ちしている状態です。実際に『私は性的には見えない』『これがダメなら他にもいっぱいダメが出てきてしまう』『政治の圧力で民間を苦しめるのはどうなのか』『根拠を提示するべき』『VTuberを知らないのでは?』などのお声を多数いただいております」
Vチューバー「戸定梨香」動画削除問題 増え続けるフェミニスト議連への抗議署名(文・SALLiA)(visited 2021/10/09)

つまり、「ゾーニングの問題だ」と言われても、フェミ議連側からまさにそのゾーニングすべき根拠がまだ提示されていないのよ。この根拠の確認を飛ばして、「ゾーニングすべきかどうか」というテーマは扱えないわ。
なぜ、勝手に先に進んでいるのかしら?

たとえば、「この食べ物は、人に有害だから規制するべきだ。」という意見があったとしましょう。当然ながら、こうした規制に関する議論は、「その食べ物が人に有害であること」を立証してから行うもので、有害性がまだ確認できていない状態で「規制をどうするべきか?」と話を進めるものではないわ。

フェミ議連はどうも「その食べ物が有害であること」は前提として、「警察が……」「ゾーニングが……」とか言っているようだけれど、ぶっちゃけ議論としてはまだその手前なのよ。
「本当に有害なんですか?」という問題に答えてからじゃないと、ここを疑問に感じている人からすれば「いや、『説明』になっていないのですが。」という反応になるわ。

そのようなガイドラインが存在することは事実で、私も異論はないわ。

けれど、私たちが問題視しているのは、「性別によってイメージを固定化した表現になっている」「女性をむやみにアイキャッチャーにしている」という判断・解釈が妥当なものかどうかよ。フェミ議連に批判的な人たちはみんなここが気になっているわ。

特に「むやみにアイキャッチャーにしている」の「むやみに」とは、何がどの程度であった時かしら。ここも大いに疑問を感じるわね。戸定梨香さんについて言えば、彼女は松戸市のご当地VTuberなのだから、この一点をもってしても、決して「むやみに」ではない、とも言えるでしょう。(また、VASEからは「ばけごろう」が既にコラボしていたという実績もあるわ。)

警察の認識を問う以上、科学的根拠の話も含めて、フェミ議連にも同レベルの問いかけはあると覚悟するのが普通よね。フェミ議連にはぜひ誠実に質問に答えてほしいわ。

フェミ議連に殺害予告など「表現の自由」を直接的に侵害しかねない攻撃があることについては、私も同情的だし、民主主義社会において絶対にあってはならないことだとして非難するわ。

加えて、《今後、ジェンダー平等や性暴力、子どもの権利についての声を上げようとする人たちをも萎縮させる可能性もあり、看過できない》とする意見についても、深く同意するところよ。

まあ、ただ「議連の発表を歪曲した誹謗中傷」に関しては、ネットは広大なので当然あるとは思うけれど、「歪曲されている」という判断自体が間違っている可能性は普通にあるから、私としては個別の言論を見てから肯定・否定を決めたいわね。

私はトレーサビリティがないと信用できない体質なのよ。「その解釈(=歪曲している)は合ってる?」というのは、自分で確認したいのだわ。

疑い深いかもしれないけれど、「歪曲した主張が多い!」というのも、具体的に説明されていないと、結局話し手をどこまで信頼するかという問題になってしまうのだわ。お医者さんの診断なら、詳細な理由を聞かなくても「いったん信頼してお任せする。」という判断も合理的でしょうけど、ネット議論でなかなかこういう「信頼」はしにくいわ。

ちゃんと説明するなら、「フェミ議連の主張はAなのに、〇〇氏はBだと言い換えて論じている。これは歪曲であり、間違いだ。」程度には書き加える必要があるでしょう。

これは、「挙証責任を負う人」を間違えてしまっているわね。CDBさんがこれに非常に的確な批判を加えているから、紹介させていただきましょう。

この騒動の時系列から言っても、「戸定梨香さんの動画は不適切だ」というフェミ議連の主張の妥当性がまず立証されないといけないのよ。他人に根拠を聞く前に、自分の話に根拠つけるのが先でしょう。ここに根拠がなかったら、「認識を問う」も何もないじゃないの。警察は根拠が提示されてから回答すればいいわ。

さらに「小中学生に対してむやみに肌を露出し……」とまた「むやみに」にが出てきたけれど、これも議論の余地がある話で、どの程度の露出だったら「むやみに」なのかしらという疑問が当然出てくるわ。

「胸の揺れが強調された……」も、ヒトシンカさん神崎さんのnote記事で異論が出ている通り、そう解釈するのが必ずしも妥当かは検討しなければならないでしょう。

究極的には「胸の揺れが強調されているかどうか」は主観的な話にしかならないんだけど、それならそれで、グレーゾーンの中にある判断で動画の削除まで求めるのはやり過ぎなのではないかとも思うわ。

これはもはや繰り返しになるけれど、「妥当ではない」とするフェミ議連の判断について、ちゃんと挙証責任を果たしてほしいわ。

また、「フェミニスト議連に抗議した匿名アカウントの多くは、議連の主張をすりかえた内容だった。」もトレーサビリティのある説明が必要だけれど、「匿名アカウント」が問題なら、責任の所在が明確である青識亜論氏・おぎの稔議員の公開質問状に絞って答えるとか、あるいは各雑誌・WEBメディアでインタビューを受けている代表的な「当事者」である板倉社長からの質問・疑問に限定して答えるとかでもいいとは思うわ。

私のこの記事も含めて、別にネットの有象無象は相手にしなくてもいいでしょう。質問への回答なんて、法律で強制される話でもなく、元から任意だわ。

※the Letterというのはこちら。

「千葉県としては、内閣府男女共同参画局の文書に沿っていると、フェミニスト議連に回答している。」なら、「認識を問うただけ」のフェミ議連としては、もう問題が終わってしまっていないかしら?

要するに、こうよね。

フェミ議連「ガイドラインに合わないのではないですか?」
千葉県「ガイドラインに合ったものだと考えています。」
フェミ議連「はい。」

……あれ? 終わってない?
まず「合わない」と判断した、その判断が正しいという根拠を出せという話だしね。
(※「千葉県が答えた」と書いてあるけど、千葉県のどこの部署なのか謎だわ。県庁? 県知事?)

さいごに

結局、フェミ議連が言う「戸定梨香さんの動画は不適切」という判断に、説得的な根拠がないというのが一番の問題ね。

郡司さんは、ネットの声はフェミ議連の主張を歪曲していて、論点をすり替え、藁人形論法に陥っていると憤っていらっしゃるけど、上の問題点については、批判している人たちはそんなに間違えていないように思うわ。

順序から言っても、千葉県・千葉県警に問いかける前に、自分たちの主張が確かに正しいことを示す「まともな根拠」を述べるべきよ。

ここに回答せず、戸定梨香さんを指して「性犯罪を誘発する」とか「女児を性的対象として描いている」とか言うのは、あまりにも失礼・無礼で、侮辱的でしょう。


では、本日の更新はここまで!

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