ダイエット目的でのGLP-1受容体作動薬の処方に「ご協力のお願い」しか出来ない理由
ゆっくりしていってね!
医薬品メーカーに勤務するゆっくりこと手嶋さんよ!
さて。セクシー女優の月島さくらさんが、主として2型糖尿病患者に処方されるGLP-1受容体作動薬をダイエット目的で使用しているとポストしたことで、バッシングを受けているわね。
GLP-1受容体作動薬の一部は現在、いわゆる出荷調整(在庫が足りないのであんまり処方しないでね状態)になっていて、「ダイエット目的で使用する"不埒な輩"のせいで、本当に困っている患者さんに薬が届かなくなっている!」という感じみたい。
ただ、バッシングしている側の当該論法にはだいぶ問題があって、そこに関してはヒトシンカさんが下記のnoteで的確なツッコミを入れていらっしゃるわね。
ぶっちゃけ、月島さくらさんはもちろん、処方箋を交付した医師も、それに従って調剤して薬を受け渡した薬局等も、単にそれだけでは違法行為として成立しないわ。
そうなると、自分の道徳観を述べて叩くくらいしか出来ることがないんだけど、ヒトシンカさんの記事で、まさにその道徳観が破綻していることが指摘されちゃってるわね。
厚労省が当該薬剤の在庫逼迫やその事情を承知していても、なお「ご協力のお願い」しかできてないあたりで色々とお察しよ。(「お願い」ができても「命令」や「取り締まり」はできない。特別に法令上の根拠がつく個別のケースは除く。)
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