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RedBullUntapped2020優勝レポート


 皆さん初めまして、テルテルこと小坂 和音(コサカ カズネ)と申します。
 8月にRedBullUntapped2020予選を抜け、本戦に向け練習に励んだ結果、優勝することが出来ました。
この記事ではその過程と本戦のこと、サイドボーディングガイドを記そうと思います。
拙い文章になりますがよろしくお願いします。


RedBullUntapped2020とは?

 RedBullがスポンサーのMTGの世界大会です。去年から開催しており、今回は2回目の開催になります。
16回実施される各予選を優勝したメンバーでトーナメントを行いGrandChampionを決めます。
合計賞金額が75000$、優勝賞金30000$という非常に規模の大きな大会で予選参加者は12000人を越えました。
本戦はヒストリック2戦、スタンダード最大6回戦の混合フォーマットです。
大会は日本時間で11月1日に開催されました。

調整開始、ウーロの禁止、続いてオムナスの禁止


 「ゼンディカーの夜明け」のリリース後に本格的に練習を始めました。
当初は評判の良かったオムナスランプ、オムナスアドベンチャーをメインに調整を開始。
ところが9月28日に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》禁止、そして10月12日に《創造の座、オムナス》、《幸運のクローバー》、《僻境への脱出》が禁止されました。
禁止により調整していたデッキが無くなってしまったので、オムナスを使わずに活躍していたラクドスエスケープを使い始めます。

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デッキ
1 血の長の渇き (ZNR) 94
2 ロークスワイン城 (ELD) 241
2 サヴァイのトライオーム (IKO) 253
4 山 (UST) 215
4 マグマの媒介者 (ZNR) 148
4 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 アゴナスの雄牛 (THB) 147
2 ぬかるみのトリトン (THB) 105
3 取り除き (M21) 97
4 残忍な騎士 (ELD) 97
2 死者を目覚めさせる者、リリアナ (M21) 108
7 沼 (UST) 214
4 悪意の神殿 (THB) 247
4 ティマレット、死者を呼び出す (THB) 118
4 死の飢えのタイタン、クロクサ (THB) 221
3 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
4 寓話の小道 (ELD) 244
4 苦悶の悔恨 (THB) 83
サイドボード
2 エンバレスの盾割り (ELD) 122
4 絶滅の契機 (IKO) 88
1 取り除き (M21) 97
2 強迫 (M19) 94
2 魂標ランタン (THB) 237
4 精神迷わせの秘本 (M21) 232

 ラクドスエスケープは除去が多いのでクリーチャーデッキに強く、《死の飢えのタイタン、クロクサ》、《アゴナスの雄牛》といった脱出要素によりリソースも尽きない事が魅力です。
4ターン目クロクサ脱出というブン回りもあります。
さらに当時流行っていたディミーアローグに強い構成となっており、このデッキがティアー1となっていました。
ですがその環境も長くは続かず、ラクドスに勝ち得る緑単アグロが活躍、その後緑単フード、セレズニア、アゾリウスカラーの《空を放浪するもの、ヨーリオン》デッキなどが台頭。
私はそのメタゲームをひたすら追いかけていました。
その過程はMTG公式の原根 健太さんが書かれた以下の記事に詳しく説明されているので良かったらご覧ください。

https://mtg-jp.com/reading/haranestandard/0034492/


 この記事にも述べられているように、メタゲームはディミーアローグの活躍が目立ってきていました。
このままマジック・プロリーグおよびマジック・ライバルズリーグでもディミーアローグが勝ち組になるのかと思われていました。
しかし、勝ち組はなんとグルールアドベンチャー、特に日本の選手たちが使用したものが高い勝率を誇る結果となりました。

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デッキ
4 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 進化する未開地 (IKO) 247
4 エッジウォールの亭主 (ELD) 151
4 カザンドゥのマンモス (ZNR) 189
4 山火事の精霊 (ZNR) 221
4 恋煩いの野獣 (ELD) 165
4 寓話の小道 (M21) 246
9 森 (UST) 216
3 エンバレスの宝剣 (ELD) 120
4 岩山被りの小道 (ZNR) 261
3 山 (UST) 215
2 グレートヘンジ (ELD) 161
4 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
3 漁る軟泥 (M21) 204
2 探索する獣 (ELD) 171
2 焦熱の竜火 (ELD) 139
2 原初の力 (M21) 197
サイドボード
2 アクロス戦争 (THB) 124
2 エンバレスの盾割り (ELD) 122
3 アゴナスの雄牛 (THB) 147
2 焦熱の竜火 (ELD) 139
2 怪物の代言者、ビビアン (IKO) 175
2 運命の神、クローティス (THB) 220
2 解き放たれた者、ガラク (M21) 183

 このデッキのリストを見るとアタッカーであるクリーチャー達はパワー3以上で構成されており、タフネス3である《空飛ぶ思考盗み》、《遺跡ガニ》を無視して攻撃できる構成となっています。
メインから《漁る軟泥》や《焦熱の竜火》の採用、そしてサイドには《アゴナスの雄牛》、《運命の神、クローティス》といった最高の対策カードが採用されており、ディミーアローグに対して非常に強い構成となっています。
それだけではなく、ヨーリオンデッキも意識して本来デッキの構成上強力なカードになる《石とぐろの海蛇》、《リムロックの騎士》を採用していません。
《石とぐろの海蛇》はヨーリオンデッキの多くに採用されている《ガラスの棺》と《スカイクレイヴの亡霊》に、《リムロックの騎士》は《太陽の神のお告げ》に弱すぎるからです。

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 この考えに考えられたリストは勝つことは必然といえるほど完成されていました。
そして結果を出したら、今度はこのグルールアドベンチャーがティアー1になることは明白です。
ここからRedBullUntapped2020まで後1週間、グルールアドベンチャーを使うか攻略するかの2択となりました。

グルールアドベンチャーを倒そう


まず私が最初に使用したのはティムールランプでした。

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デッキ
4 豆の木の巨人 (ELD) 149
3 カザンドゥのマンモス (ZNR) 189
1 長老ガーガロス (M21) 179
4 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 玻璃池のミミック (ZNR) 60
4 峰の恐怖 (M21) 164
4 ラノワールの幻想家 (M21) 193
4 発生の根本原理 (IKO) 189
4 寓話の小道 (M21) 246
4 森 (UST) 216
1 河川滑りの小道 (ZNR) 264
4 耕作 (M21) 177
2 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
4 岩山被りの小道 (ZNR) 261
2 山 (UST) 215
4 ケトリアのトライオーム (IKO) 250
3 島 (UST) 213
2 精霊龍、ウギン (M21) 1
4 水蓮のコブラ (ZNR) 193

サイドボード
3 長老ガーガロス (M21) 179
2 鎖巣網のアラクニル (THB) 167
2 怪物の代言者、ビビアン (IKO) 175
3 焦熱の竜火 (M21) 158
2 サメ台風 (IKO) 67
3 神秘の論争 (ELD) 58

 MPLのAutumnさんが使用していたリストに《長老ガーガロス》を4枚入れたリストになります。
グルールアドベンチャーを使った佐藤レイさんに唯一勝ったデッキであり、ガーガロスを増量すればいいのでは?という短絡的な考えで回してみました。

結果…×

 確かにグルールアドベンチャーに勝つことはできますが、《長老ガーガロス》が《エンバレスの宝剣》と《アクロス戦争》に弱いため予想していたほど活躍はせず、5分という印象。
そして何よりもディミーアローグに明確に不利という点がダメでした。
グルールアドベンチャーの次に多いと予測されるディミーアローグに不利なのは大きな問題点でしたのでこの案は没になりました。

次に使ったのはナヤアドベンチャーでした。

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デッキ
4 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 進化する未開地 (IKO) 247
4 エッジウォールの亭主 (ELD) 151
4 カザンドゥのマンモス (ZNR) 189
4 恋煩いの野獣 (ELD) 165
4 寓話の小道 (M21) 246
3 森 (UST) 216
2 エンバレスの宝剣 (ELD) 120
4 岩山被りの小道 (ZNR) 261
2 山 (UST) 215
2 グレートヘンジ (ELD) 161
1 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
1 漁る軟泥 (M21) 204
3 巨人落とし (ELD) 14
4 山火事の精霊 (ZNR) 221
2 焦熱の竜火 (ELD) 139
4 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
2 平地 (UST) 212
4 枝重なる小道 (ZNR) 258
4 針縁の小道 (ZNR) 263
サイドボード
2 エルズペス、死に打ち勝つ (THB) 13
2 探索する獣 (ELD) 171
1 解き放たれた者、ガラク (M21) 183
2 ガラスの棺 (ELD) 15
2 怪物の代言者、ビビアン (IKO) 175
3 アゴナスの雄牛 (THB) 147
2 運命の神、クローティス (THB) 220
1 漁る軟泥 (M21) 204


 グルールアドベンチャーに強いグルールアドベンチャーを作ろうと思い構成しました。
後手の3ターン目でも《恋煩いの野獣》を倒せるように《巨人落とし》、《スカイクレイブの亡霊》、《ガラスの棺》を使用。
《グレートヘンジ》は《エルズペス、死に打ち勝つ》で返そうという構想です。

結果…×

 グルールアドベンチャーにはかなり強く戦え、対ディミーアローグも悪くはありませんでしたが、問題点はマナベースです。
2ターン目赤緑、3ターン目緑緑、白白、4ターン目赤赤を要求するデッキは余りにも無謀でした。
事故で負けるゲームが目立ち、また《髑髏砕きの一撃》を減らしたことによりマナフラッド受けも減っています。
他のあらゆるデッキに対して勝率が落ちてしまいこの案も没になりました。

 その後もいくつかのデッキを試してみましたが、グルールアドベンチャー・ディミーアローグのどちらかを意識するとその他のデッキに勝てなくなるといったことが続きました。

グルールアドベンチャーを使う


 グルールアドベンチャーを倒そうと試行錯誤してる間も自分自身でグルールアドベンチャーを回していました。
少なくとも今週はこのデッキが現環境で最強デッキであると考え、最終的にグルールアドベンチャーを使用することに。
グルールアドベンチャーを使うからにはミラーを勝てるようにしなければなりません。
友人とひたすらミラー対戦を行い、構築とサイドボードプランを試行錯誤します。

そうしてできたグルールアドベンチャーがこちらです。

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デッキ
4 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 進化する未開地 (IKO) 247
4 エッジウォールの亭主 (ELD) 151
4 カザンドゥのマンモス (ZNR) 189
4 恋煩いの野獣 (ELD) 165
4 寓話の小道 (M21) 246
9 森 (UST) 216
3 エンバレスの宝剣 (ELD) 120
4 岩山被りの小道 (ZNR) 261
3 山 (UST) 215
3 グレートヘンジ (ELD) 161
4 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
3 漁る軟泥 (M21) 204
2 怪物の代言者、ビビアン (IKO) 175
4 山火事の精霊 (ZNR) 221
2 焦熱の竜火 (ELD) 139
1 原初の力 (M21) 197
サイドボード
3 アクロス戦争 (THB) 124
2 エンバレスの盾割り (ELD) 122
2 焦熱の竜火 (ELD) 139
2 探索する獣 (ELD) 171
1 怪物の代言者、ビビアン (IKO) 175
3 アゴナスの雄牛 (THB) 147
2 運命の神、クローティス (THB) 220

ミラーでひたすら対戦して理解したことが多々あります。

・まずは《グレートヘンジ 》、これを出したほうが基本勝ちます。

・サイド後は解呪系統が入るためその限りでは無くなります。

・かといって解呪系統を入れすぎると普通に殴られて負けます。

・お互いに《グレートヘンジ 》を出した場合、他の有効牌を引いた人が勝ちます。
勝利貢献度は《怪物の代言者、ビビアン》>《アクロス戦争》>《エンバレスの宝剣》だと思いました。
(ビビアンは次の肉に繋がる、アクロスは盤面を崩壊させる、宝剣は盤面崩壊を狙えるが絶対ではないため。)

・《アクロス戦争》は後手を返す最高のカードですが、先手で使うと攻めあぐねたりアド損する可能性が高いです。《グレートヘンジ 》に繋げやすいです。

・攻める側は相手の《アクロス戦争》を意識して展開する必要があります。
コントロールを奪われた時に相打ちになったり壁になるようなクリーチャーを後続として出すのは極力控えるべきです。

・《恋煩いの野獣》は1/1がいなければ殴れないため《アクロス戦争》2章の強制攻撃に参加しなくてもよくなります。
そのような限定的なケースですが、あえて自らの1/1に除去を撃つ場面もあります。

・《アクロス戦争》が入るサイド後はアグロプランが弱くなるため《エンバレスの宝剣》の価値が落ちます。

・《怪物の代言者、ビビアン》はトークンが警戒を持っているため《アクロス戦争》3章で死にません。
トークンを取られたところで何の問題も無いため非常に有効です。
サイド後は《エンバレスの宝剣》が減り《アクロス戦争》が増えるので《怪物の代言者、ビビアン》が最高の1枚になるのです。

・そして《怪物の代言者、ビビアン》が入ってくるのなら返しとして《エンバレスの宝剣》が最高です。
《アクロス戦争》はあえてすべて入れず《エンバレスの宝剣》を残す理由ができます。

・つまり《エンバレスの宝剣》>《怪物の代言者、ビビアン》>《アクロス戦争》>《エンバレスの宝剣》…という図式になります。サイド後は読み合いになるということです。

これらの点からカード選択をしました。

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《グレートヘンジ 》の3枚目の採用

 ミラーで一番ゲームに影響を与えるのはこのカードであり、メインから差をつけるためにはこれしかないと考えました。
ディミーアローグにも非常に有効であり、重ねて引くリスクはありますがそれ以上のリターンがあると考え増量。
抜く枠として《原初の力》を減らしました。
グルールを倒そうとしてきたメタデッキやディミーアローグ相手には使いにくいこともあり、ミラーでは強いものの勝利貢献度がより高い《グレートヘンジ 》に変更した形です。

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《探索する獣》をサイドに落として《怪物の代言者、ビビアン》のメイン採用

 《探索する獣》は非常に強いカードでマナカーブ的にもぜひ入れたいカードですが、対ディミーアローグ戦では《盗賊ギルドの処罰者》に弱いのがネックです。
またグルールアドベンチャーがトップメタの現在、《本質の散乱》、《無常な行動》といった対グルールにおいて強いカードが採用されることが増えているので《怪物の代言者、ビビアン》をメインから入れて攻め方を多角的にしたかったのが理由です。
ミラーにおいてのメイン戦では《探索する獣》と《怪物の代言者、ビビアン》は一長一短でありこの点においてはまだ考える余地があると思います。

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《アクロス戦争》の増量

 ミラーのおいてゲームを厄介にするカードです。使用方法も対応も難しいため使うほうも使われるほうも困ります。
このカードが有ることによりお互いのサイドプランが複雑になってきます。
以下の理由により増量しました。
・後手をめくり易くなること
・増やすことによりミラーでの対戦相手のサイドボーディングを難しくできること
・メインの《原初の力》を減らしたことによる対大型クリーチャーに対する対抗手段の補完

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《解き放たれた者、ガラク》の不採用

 《怪物の代言者、ビビアン》を増量したかったので泣く泣く不採用になりました
しかし枠が空いたら真っ先に採用したいと考えています。

RedBullUntapped2020本戦、開幕


 参加者16人のデッキ分布ですが

・グルール6人(1人自分) 
・ディミーアローグ(ルールス型)3人
・アゾリウスヨーリオン2人
・アブザンヨーリオン1人
・4Cヨーリオン1人
・オルゾフヨーリオン1人
・エスパーヨーリオン1人
・セレズニアアドベンチャー1人


となりました。やはりグルールが最大勢力、次点でディミーアローグでしたね。
各対戦相手のデッキリストが分かった時点で友人にスパーリングを頼んでサイドプランを煮詰めていきました。
その間に日本選手権秋に出場して初日落ちしてたりしましたが、落ち込んでる暇もなくRedBullUntapped2020の日が訪れました。

 RedBullUntapped2020の大会システムは変則的で、最初にヒストリックで2戦してその後4人で4グループ作ります。

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 その後グループ内でスタンでの総当たりを行い、スタンの成績上位2名がトップ8に進めます。
タイブレークが発生した場合、ヒストリックの成績が高いほうが残ります。
つまりヒストリックの成績はそれほど反映されないので、ヒストリックの練習はそこまでしていません。
今回はスタンダードについてのみお話しして行きます。
ちなみにヒストリックは1-1でした。

グループ総当たり戦開始

1回戦目 グルール( Noham Maubert)

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後手 〇×〇

 メインは《グレートヘンジ》で勝利、サイド後は対戦相手のリストから《アクロス戦争》4枚を入れ《エンバレスの宝剣》を減らすことが予測でき《怪物の代言者、ビビアン》を3枚入れ勝利しました。

2回戦目 ディミーアローグ(Ronald Muller)

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後手 ○×○

 メインは順当に勝利、2ゲーム目はこちらの事故で敗北、3ゲーム目はお相手の事故で勝利しました。

3回戦目 グルール(Marc Facerias)

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先手○○

 メインは先行の利点を生かして殴り切って勝利、サイド後は対戦相手のリストから《エンバレスの宝剣》を最低でも3枚は残すだろうと予測し《怪物の代言者、ビビアン》は入れず殴り合いを仕掛け勝利しました。

 グループ総当たりは全勝!これによりトップ8進出です。

トップ8開始

 ここからはすべての試合が放送されていたはずです。もし良かったら見てみてください。07:26あたりです。

https://www.twitch.tv/videos/788634561

準々決勝 グルール(Jan-Moritz Merkel)

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後手×○○

 メインは序盤の相手がかなり慎重に展開していたため、こちらが常に上振れを狙うプレイングを行っていたら有利に戦える可能性のあるゲームでした。
また最後はまだ生き残れたのにも関わらず降参してしまいました。
《エンバレスの宝剣》は殴ったクリーチャーでなくとも装備できるんです。
土地を置いて1/1トークンでチャンプアタックし、残った5マナで攻撃していない《カザンドゥのマンモス》に《エンバレスの宝剣》を装備させればまだ生き残れました。
後で気づいて叫びました。

 2ゲーム目は対戦相手が《アクロス戦争》3枚にしてくるのは分かっているので《怪物の代言者、ビビアン》を入れたいのですが、対戦相手は《エンバレスの宝剣》を残しつつ《怪物の代言者、ビビアン》も入れてくると予想したためこちらも両カードを2枚ずつ入れるプランでいきました。
序盤にしっかり展開しつつ5ターン目に着地した《怪物の代言者、ビビアン》が大活躍し勝利しました。

 3ゲームは《怪物の代言者、ビビアン》を優先して入れていますが、対戦相手も《怪物の代言者、ビビアン》を入れてくるのが分かっているため返すために《エンバレスの宝剣》を多く残すべくだったと思います。
ただ1枚の剣を運よく引けたため勝利することができました。

準決勝 ディミーアローグ( Yoshihiko Ikawa)

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先手〇×〇

 メインは《グレートヘンジ》が出たのと《物語への没入》が引かれなかったので勝利しました。

 2ゲーム目は対戦相手がサイドから打ち消しと除去、コンマジこと《凪魔道士の威圧》を入れてくるため後手では《グレートヘンジ》を出しにくいこと、後々出せたとしてもLOになることがあるため《アクロス戦争》で相手のコンマジとクリーチャーたちに対応するプランを取りました。
早々に《アゴナスの雄牛》は墓地に落ちたものの途中での《物語への没入》で最高の引きをされてしまい押しきれずLOで敗北しました。

 3ゲーム目は先手なので《グレートヘンジ》を入れました。《恋煩いの野獣》が殺されずにかつ墓地が8枚だったため《グレートヘンジ》が出るのを確信し着地させることができ、対戦相手の土地が止まってしまったのでこちらの複数アクションに対応できずそのまま押し切り勝利しました。

決勝 エスパーヨーリオン( Gobetti Enrico)

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先手〇×〇

 メインの3ターン目、《スカイグレイブの亡霊》を警戒したため《砕骨の巨人》を展開しませんでしたが、あの場面だと《スカイグレイブの亡霊》が出たところで壁にならずただの除去になるだけでしたし、《エルズペスの悪夢》で除去&ハンデスされて更地になるほうがが明らかに痛手だったので展開すべきでした。
しかしトップから《グレートヘンジ》、《エンバレスの宝剣》と引けたので勝利しました。
デッキがノッテました。

 2ゲーム目、相手は除去を入れてくるので攻め手をより多角的にすべくリソースをフル投入していきました。
対戦相手がダブルマリガンでしたがこちらが土地を引けず攻めあぐねてしまい《絶滅の契機》あったら捲られるなーと思ってたら撃たれてしまい、相手のリソースが回復しきって敗北しました。
《エルズペスの悪夢》がブリンクするのをわかってたにも関わらずクリーチャーを展開したのはよくなかったですね。

 そして運命の3ゲーム目。手札はまあまあ、しかし除去が続いたら負けえる可能性がありました。
しかし対戦相手の土地は白マナが出ない状態、《山火事の精霊》さえ生き残れば《グレートヘンジ》が出せる!という場面でただただ《山火事の精霊》の生存を望みました。
そして無事生き残ったものの手札に肉なし、頼むデッキと願うとトップから《エッジウォールの亭主》!からのドローでもう1枚!そして対戦相手の3マナ寝かせが見えた時点で勝ちを確信してダメ押しに《探索する獣》をたたきつけて勝利!!!

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RedBullUntapped2020、優勝しました。

サイドボーディングガイド


対グルールアドベンチャー

先行 (確定枠)
In 《エンバレスの縦割り》2、《アクロス戦争》2
out 《焦熱の竜火》2、《漁る軟坭》2
後手 (確定枠)
In 《エンバレスの盾割り》2、《焦熱の竜火》2、《アクロス戦争》3
out 《山火事の精霊》4

 上記でも述べたように相手のサイドプランによりin,outは変わってきます。
相手の《アクロス戦争》が多ければ《エンバレスの宝剣》を減らし《怪物の代言者、ビビアン》を入れ、相手が《怪物の代言者、ビビアン》を入れてくるのなら《エンバレスの宝剣》を残すようにします。
デッキ公開制なら相手のデッキ構成からin,outを予測して相手を出し抜きましょう。

対ディミーアローグ(ルールス)

in 《焦熱の竜火》2,《運命の神、クローティス》2、
 《アゴナスの雄牛》3、《怪物の代言者、ビビアン》1
out 《山火事の精霊》4,《原初の力》1、
  《エンバレスの宝剣》2、《グレートヘンジ》1

 相手のクリーチャーに対応しつつ《物語への没入》を唱えさせないためにこちらの墓地を7枚以上貯めないように意識しましょう。
もし7枚以上貯まってしまったら《アゴナスの雄牛》が墓地に落ちることを期待して除去は《遺跡ガニ》には撃たず温存しましょう。
もし相手が過剰にライフを詰めに来るプランだったり、《否認》などを入れてきてこちらに対応しようとしてたら重いとこを抜いて《山火事の精霊》と《エンバレスの宝剣》をフル投入したアグロプランも有効です。
もしこちらがコンマジなどに対応しようとして《アクロス戦争》を入れるのであれば、相手の《夢の巣のルールス》を奪った時のために自分の墓地を追放するときは2コスト以下のクリーチャーを残すようにしましょう。

対ディミーアローグ(ザレス=サン型)

in 《焦熱の竜火》2,《運命の神、クローティス》2、
  《アゴナスの雄牛》3、《怪物の代言者、ビビアン》1
out 《山火事の精霊》4,《原初の力》1、《エンバレスの宝剣》3

 《遺跡ガニ》が採用されていないためLOの心配がなくそのおかげで《物語の突入》が唱えにくい、さらには《夢の巣のルールス》もいないためリソースが少なめなので、ゆっくり戦うプランが肯定されます。
ただ一度でも《トリックスター、ザレス=サン》の攻撃が通ると厳しいので常にケアしましょう。

対エスパー、アゾリウスヨーリオン

in 《アゴナスの雄牛》2、
  《探索する獣》2、《怪物の代言者、ビビアン》1
out 《焦熱の竜火》2、
   《漁る軟坭》2.《グレートヘンジ》1

 相手はこちらの攻め手を防いでから《空を放浪するもの、ヨーリオン》のアドバンテージで勝ちに来ようとします。こちらは不要牌である除去と《漁る軟坭》を抜き有効牌をいれ、対戦相手が対応しきれないように様々な角度で攻めましょう。《山火事の精霊》が有効なゲームなので《エルズペスの悪夢》に当たらないようにフェッチは構えておけるとグッドです。

対セレズニアヨーリオン

In 《エンバレスの盾割り》2,《探索する獣》2、
  《怪物の代言者、ビビアン》1
out 《焦熱の竜火》2、《漁る軟坭》3

 インスタントタイミングでの妨害が無いため《エンバレスの宝剣》が非常に活躍するゲームです。《エンバレスの盾割り》は《ガラスの棺》だけでなく相手の食物トークンを割り《意地悪な狼》を有効に活用させないようにしましょう。

 対ティムールランプ

in 《探索する獣》2、《アクロス戦争》3
out 《漁る軟坭》2,《怪物の代言者、ビビアン》2,《グレートヘンジ》1

 ただただ攻めましょう。《焦熱の竜火》は相手の《水連のコブラ》や《砕骨の巨人》など的は多くいるため残していいです。

対ラクドスエスケープ

in 《焦熱の竜火》2,《運命の神、クローティス》2、
 《アゴナスの雄牛》2、《アクロス戦争》3
out 《山火事の精霊》4,《原初の力》1、《怪物の代言者、ビビアン》2
  《エンバレスの宝剣》1,《グレートヘンジ》1

 相手が攻めてくるか守るかで大分ゲームが変わってきます。攻めてきた場合は上記のような守るプランでいいですが、もし守ってくるのであれば《焦熱の竜火》と《アクロス戦争》は減らして《山火事の精霊》、《怪物の代言者、ビビアン》は入れたいですね。


最後に

 まさかこんな大舞台で勝てる日が来ようとは思いもしませんでした。
私はMTGを始めて4年になります。
こんなに長く続いた趣味は初めてでしたし、これほどまでに楽しめて頑張ろうと思えたのも初めてでした。
MTGは本当に最高のゲームです。

 RedBullUntapped2020の1週間前になると練習のため1日中パソコンの前にいる生活になっていました。
大会当日は12時間対戦するという非常に体力の消耗する生活をしていましたが、努力が報われて本当に良かったです。
大会が終わり寝てから起きるとそれまでは何ともなかったのに体中に痛みを感じるようになっていて、1日中起きられませんでした。
今は体を起こしてはいますが、体の節々が痛くて辛く、当分はゆっくり過ごします。
「ゼンディカーの夜明け」のPTの権利も得られたので、今後はそれを目標に頑張っていきたいと思っています。

 私がマジックを始めたときに快く迎えてくれた今でも付き合いのある方々や、RedBullUntapped2020の練習に付き合ってくださった方々、今のPC環境を作るのをサポートしてくださった方々、頑張ってくれと応援してくださった方々、そして母のサポートのおかげで優勝することができました。
どれか1つでも欠けていたら絶対に優勝することはできませんでした。
この場をお借りしてお礼を言わせていただきます。
本当にありがとうございました。


https://www.twitch.tv/teruteru80

上記にて放送してますので良かったら見に来てください。それではこれにて終わりになります。最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお役に立てたら幸いです。もしお祝いして頂けるなら100円投げてくださると感謝の言葉が出て来ます。

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