2024.03.03 Sun.
よく晴れた日でした。
雲ひとつない青空。
最近までずっと強かった風も、この日は心做しか穏やかだったような。
あたたかな、日曜日の、ひな祭り。
それは突然でした。
12:31 知らせ
サービス業のわたしは、14時からの出勤に備え、「んー、まだ時間あるしお風呂でも入ろうかな」と、呑気に自宅の湯船に浸かっていました。
だらだらとYouTubeを見ていると、視界上部にメール通知が。
この瞬間、とある日の出来事がよぎりました。
遡ること数ヶ月。
2024年1月16日。
KAT-TUN 中丸雄一先生、ご結婚を発表。
常日頃から増田さんがお世話になっていることもあり、何より『ますまるらじお』の一視聴者であるわたしとしても、決して他人事では済まないビッグニュースでした。
そして、その時思ったのです。
やばい、くる、
くるぞ、と。
なぜそう思ったのか、明確な理由はありません。
「そうか、Y&Jもついに結婚する世代になったんだ」とか、「中丸さんもひとりの女性を愛せる時間と感情を持っているのなら、もう誰が結婚してもおかしくないな(失礼かもごめんなさい)」とか、そういうぼんやりとした“直感”だったような気がします。
そして焦りました。
もし自担が結婚したとき、第三者からの言葉で知るのは嫌だな、と。
自分の目で、誰の意見を聞くよりも前に、彼からの文章を読めたらいいのにな、と。
わたしも中丸先生のオタク皆様方みたいに、本人からのメッセージに感謝やツッコミ、思いの丈を、誰の視点もなく純粋にわたしの意見として述べたいな、と。
まとめると、自担からの結婚報告を受けたとき、自分がどう思うのか、何を感じるのか、なんのフィルターも通すことなく、純粋に知りたいと思ったのです。
当時わたしが使用していたメールアプリは、即時通知を設定していてもなぜか届かず、夜中にまとめてドカッと数十件通知が届くような仕様でした。(なぜ?)
それゆえ、これまでメンバーの活動休止や脱退、舞台やライブの当落通知まで、いつもわたしはTwitterのトレンド欄やTL、時にはLINE NEWSの速報通知によって知らされていました。
今後近いかもしれないと直感している、自担とわたしにとって人生に一度きりの【結婚】という重大な知らせを、これまでと同じような形で知るわけにはいかないだろう?どう考えても。そうだよな??
というわけでこの日の夜、わたしは数年間使用していたデフォルトのメールソフトを捨て、新たなソフトを入れトライを繰り返し、通知も即時に受信できることを確認しました。そして、静かにLINE NEWSの通知を切ったのです。(何の話?)
さて、時を戻します。
2024年3月3日 12:32。湯船にて。
通知をタップし、メール本文を拝見。
え、
あ、
やっぱり
そうだ、
加藤シゲアキより………
きてしまった、のかもしれない。
わたしの、あの日のあの対策が、あの予感が、直感が、功を奏した、というか、現実になってしまった、というか、
あの、えっと、その、、、
サイトを開く前に、ほぼ確信してしまっていました。
湯船に浸かった裸の女がひとり、声にもならない声を出しながら、震える手でFCサイトにログインし、ついにその文字を目にします。
うわ
えっ
わぁ
い、今…………?
正直もう時間はない。
そろそろ湯船から上がらなくてはならなかった。
無理だった。
立ち上がれなかった。
続きを読んだけど、全然文章を追えなくて、所々の単語しか目に入らなかった。
(文章読んでいる脳内の声 再現↓
あぁ、芸能の世界に入って何年経って、20年、10年、うん、あぁ、区切りというかタイミングが、ね、よかった、のね、うん、晴れやかな?気持ちばかりでは?ない?、そんな、そんなこと、ねぇ、言うなて、あぁ、おぉ、小山さんとまっすー、受け入れてくれて、あぁそうね、そうか、あぁよかったねうん、うん、今後もね、期待してね、うん、わかったわかった、うん、そっかそっか、うん、そうだね、そっか、そっっっっっ、かぁ(※ここまで一息))
直近(個人的には昨年末の東京ドーム)で目にした加藤さんの姿を思い出したり、
最近のブログの内容がぼんやりと浮かんだり、
メンバー2人はいつ聞いたのかなとか、
あぁ今、彼自身はどんな気持ちかなとか、
そんなわたしはどういう気持ちなんだろうとか、
いろんな思いが頭の中でごちゃまぜのまま、ぼんやりしていたら本当に時間だけが過ぎていて、
ただただ落ち着きたくて、ぼんやりしながらも脳内にあるいくつかの言葉をTwitterに吐き出して、
湯船から立ち上がった瞬間
「そ、そっか〜〜〜〜〜〜!!!」って
声に出して泣いていました。
いつから?どんな人?何歳?てか誰…?とか、一瞬よぎったこれらの汚い疑問は、涙とともにシャワーで洗い流しました。
風呂から上がり、ドライヤーをしながら、
そして時々溢れる涙に化粧を妨害されながら、
わたしのこの涙は悲しさとか寂しさとかじゃなく、"衝撃"であり"動揺"なのだ。失恋とかの類じゃない。大丈夫。祝いたいんだ。うん、わかってる。
と、ひたすら言い聞かせました。
そう、なぜならわたしは備えていたのだから。
わかっていたはずなのだから!
あの日から、今日のさっきまで、ずっと、そのつもりだった、はずなのだから…!!!!!
そして落ち着きを取り戻しながら、脳内を整理しながら、彼からの文章を大して読み返すこともできぬまま出てきた思い。
あぁ、わたし、やっとおめでとうって言えた。
この通りだ。これでいいんだ。
めでたい日だ。祝いたいんだ。
自分に言い聞かせたくて打ったツイートでもありました。
そして身支度を終え外に出てみると、まぁそれはそれはあたたかく、空も青々と眩しくて、でもなぜか我が家の周りは出歩いている人が少なくて、内心妙に虚しくて。
そんなフレーズが脳内を巡りながら、職場に向かったのでした。
増田貴久を想う
つらい、というわけではなかったのです。
我々はこの【結婚報告】という事象以上につらいことを知っています。
いなくなるわけじゃない。
会えなくなるわけじゃない。
これまでとこれからとで、彼自身やグループが変わってしまうわけじゃない。
じゃあこの体の、頭の、重さは何?
この、地に足のついてないような感覚は、何?
戸惑い?動揺?衝撃?
ぴったりの言葉は見つかりませんでした。
衝撃が後を引いていただけ、というか、今思えばただ「まだ飲み込みきれていなかった」のだと思います。
夕刻、休憩時間。
弁当をレンジに放り込んでる数分の間、なんとなくTwitterを避けたくて、無心でインスタを開きました。
そして目に飛び込んできたモノクロの画像と、見慣れたユーザー名、キャプション。
引っ込んでいた感情と涙が、ぶわっと溢れました。
弁当はとっくに温め終わっていたけど、全然喉を通る気配がなくて、
しばらく目の前に放置して呆然としました。
増田さん。
まっすー。
加藤さんとは3年B組の同級生。
増田さんからしたら、いろいろあったけど繋ぎ止めてきた、これまで20年以上を一緒に歩んできた仲間かつ歳違いの同級生という、奇跡のような存在。
うまく言語化できない増田さんの脳内を具現化して助けてくれる、理解者であり、パートナーであり、今や小山パパのもとのびのびと童心に帰るやんちゃなふたり息子。
表現方法や根本の性格は違えど、なんとなく言いたいことや感性は似ているふたり(※個人的な見解です)がわたしは大好きで、うん、とにかくずっと大好きで大切な、これからも守っていきたい、運命共同体のふたり。
そんなふたりのうちひとり、加藤シゲアキは今日、結婚を発表。
その傍ら、どうやらこれからもステージに人生を捧げる覚悟っぽい気配がしている、top of アイドルの増田さん。
これはアイドルしてくれてる皆がそうだと思うんだけど、きっと同級生とか兄弟姉妹とか地元の友人たちはとっくに家庭を持っていて、きっとそれを見ていいなって思う瞬間とか、諦めて悲しくなったり、後悔してしまった瞬間とか、少なくないはずなんですよね。
そんな中、アイドル人生25年、グループ活動20周年を迎えた節目の年に『hanami』という曲を世に放ち、ファンの前で歌い切ったアイドル、増田貴久。
家庭を持つとか、結婚をするとか、子どもを授かるとか、少なくともこの曲を歌っているときの彼は、そういうことをすべて捨ててステージに立っていたんだろうなと思うんです。自分にとって"ない"はずの未来に思いを馳せていたのではないかと。
そんな生き方を選んできた彼の、
そんな覚悟を表明し続けている彼の、
すぐそばにいる、同じ世界に生きる仲間たちの、
中丸さんの、加藤さんの、相次いだ"結婚"。
一体増田さんはどんな気持ちで受け止めたんだろう。
今、どんな気持ちなんだろう。
もしかしたら、彼の中で決めたはずの信念が揺らいでしまっているかも。
そんなこと悩まなくていいんだよ、諦めなくていいんだよ、って言いたくなってしまう自分もいる。
このうまく言葉にできない、漠然としたオタクとしての申し訳なさと不安を、わたしは勝手に抱え込んでいたことに、この時気がつきました。
あの発表を読んだ直後から、わたしはどうやら猛烈に増田さんの心境を心配していたようなのです。
そんな増田さんが、祝ってくれています。
我々の見える場所で。
加藤シゲアキの、結婚を。
しかも、オリゴ糖を添えて。
何年か前の彼だったら、「結婚?なんで?アイドルなのに」って言ったかもしれない。
MCで小説の話ばかりする加藤さんに「おまえ本業アイドルだろ😡」と怒っていた頃の彼には、そんな危うさもあった。
でも、今、加藤さんの意向も、グループとしての方向性も、全部を見据えた上で、迷わず背中を押してくれたんだね。
大人になったね。
ありがとう、増田さん。
あぁ、こんな未来が待っていたなんて。
シゲマス厨、無事、キャパオーバー。
(こののち、〇〇も、小山さんからのお祝い投稿も拝見しました。
小山さんに関しては、親友でありシンメの彼の結婚、かなり感慨深いだろうなぁ…と心情を察するには容易だったし、なにより、おそらくあなた自身ももうすぐ結婚なのでしょう、と思っている節があるので、ほぼノーダメージですんなり受け取ることができました。
ありがとう小山さん。
これからも加藤さんのことよろしくね。)
そんな、全く気の休まらないまま休憩を終えたわたし。
職場ではオタクであることを公表していないので、その後も何食わぬ顔で働きました。
特に大それたミスもせず、
ただ少しだけ、いつもより退勤時間が遅くなってしまった、それぐらい。
なるべく考えないようにしていたつもりだけど、
時折、出会った頃のまだどこかひねくれてくすぶっていた加藤さんを思い浮かべてはその年月を痛感して涙ぐんだり。
「あぁ、加藤シゲアキ、結婚したんだ」という言葉だけが、ひたすらぐるぐると脳内に居座ったり。
気づけばもう、10年も彼を見守ってきたんだなぁと、わたしもあなたもこんな歳になったのね、と妙に実感してしまったりもしました。
ただただ、一刻も早く帰って、ひとりになって、頭の中を整理しなくては。
わたしは今日何を思ったかな。
今、彼に、何を伝えたいかな。
そのことばかり考えながら、帰路につきました。
一日を終えて思うこと
22時過ぎ。
自宅の最寄り駅に着いてみると、自転車が盗まれていました。
鍵をかけて、有料の駐輪場に置いていた、のに。
そんなバカな……
いつも711(シゲ加藤BD)か728(なにわ)に停めるのに、今日は空いてなくて、全く違う番号に停めていました。
そ、それがダメだったのかな?(そんなことはない)
駐輪場を何往復もして、もはやそんなわたしが怪しく映るのではないかというぐらいキョロキョロしながらうろつき、
諦めて、歩いて帰りました。
「今日起きてること、全部夢?」と思わざるを得ませんでした。
今日、この身に起きていることが、あまりにも予想外のことばかりだったので。
そんな一日も終わろうとしていました。
家に着き、食欲も大してなかったので、同居人が沸かしてくれていた風呂へ向かいました。
どんだけ入るんだよ、しずかちゃんかよ、とか言わないでください。浴槽というひとりになれる空間と時間が好きなのです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
出会った頃の、笑顔もダンスもまだちょっとあどけなかった加藤さん。
"アイドル"になりきれていなかった加藤さん。
自分のことを愛しきれずにいた加藤さん。
いろんなことがあった後、ソロ曲で自分の人生を『情けない生き様』と表現した時には、どうにかして彼を抱きしめられないか、それ以外にどうにかしてわたしたちの愛を伝えることはできないものかと頭を抱えました。
そんな彼も、いつからかメンバーと屈託なく迷いなく笑うようになり、自分だけじゃなく我々にまでこぼれ落ちるほど、抱えきれないほどの優しさと愛を与えてくれていました。
自分ひとりのことも愛せなかった彼が、今、誰かひとりの女性を愛し、守り抜く決心をし、その事実をメンバーだけでなく、わたしたちにまで教えてくれました。
なんともまぁ
立派な大人になられて────────。(滝涙)
ただ、この発表によって、これから加藤さんが生み出す物事(曲や詞や小説)を、もうこれまでほど純粋には受け取れなくなるかもしれないことが個人的に怖く、苦しくもあります。
どうして発表したんだろう。
発表することにどんな意味があるんだろう。
しなくてもよかったのに。
と思ってしまう自分もいます。
これだけの仕事をこなしながら、いつからか、彼のそばには支えてくれる人がいた。大切な人がいた。
当たり前のことなのに、わたしたちにも知り得ない彼のプライベートが確かにあったことを知ってしまった。
いや、本人の手により、"知らしめられてしまった" と感じたことも否定できません。
そんなとき、加藤さんのあの言葉がよぎります。
どうして結婚を発表したの、と思ってしまうわたしにも、"ごめんね"と言ってくれていました。
いや、待てよ、
言わせてしまっている、んだ。
そう実感した途端に、申し訳なさが込み上げてきました。
アイドルである以上、ファンに愛してもらって成り立つお仕事であることを自覚された上で、すぐに"おめでとう"の言葉がが出てこなかったわたしのようなファンの存在もわかってくれていた加藤さん。
もしかしたら、いや、もしかしなくても、
彼も、そんなファンを何人か失うかもしれない可能性を抱えながら、きっと多少の不安もある中でこの発表をしてくれたはずなんだよなぁ。
それなのに、こんな大切な発表文に、わたしたちの心情を察した言葉をわざわざ記してくれて、
本当に、こんな時まで優しくて、
そんなところが大好きで、苦しかった。
ただ、なにより!
序章に添付したツイートにある通り、彼の人生をこれから一緒に歩んでくれる人がいるという事実が嬉しくてたまらない、という思いに変わりはありません。
そう思えている自分がいたおかげで、今回、抜け殻のようにも感じた戸惑いの時間から早く抜け出せました。
そういう意味では、発表してくれてありがとう、安心させてくれてありがとう、と心から思います。
これまでいろんな事を諦め、静かに背負いながら、やっと少しずつその肩の力を抜きながら、強くたくましく、美しく、いつも我々を想い笑わせ魅了し続けてくれた加藤さん。
そんな彼をこれからも支え、彼をより一層彼らしく輝かせてくれる人がいるのなら、
わたしたちの知り得ない部分の加藤シゲアキを、これからもどうか、よろしくお願いします。
と頭を下げる他ありません。
加藤さん。
今までもこれからも、アイドルでいることを選んでくれてありがとう。
幸せになることを諦めないでいてくれて、ありがとう。
祝わせてくれて、ありがとう。
出会えてよかった。
ついてきてよかった。
好きになってよかった。
あぁ、生きていてよかったなぁ。
ここまで脳内に言葉がまとまったところで、わたしは再び泣きながらシャワーを浴び、風呂を出ていくのでした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
数日経った今。
ふとした瞬間に『わたし今、"加藤シゲアキ(既婚)"の世界にいるんだな』とよぎったり、
今もこの空の下のどこかで、ふたりで暮らしてるのかな、幸せかな、と思いを馳せたり、
どうかもうわたしたちのことなんかもう気にしていませんようにと無責任にも願ったり、
"ありったけの想いを込めた花束"を心の中で加藤さんに届けたり、
そんな感じでふわふわと、わたしの人生を歩いています。
加藤さんが諦めずに掴み取った"幸せ"を、わたしもいつか必ず掴んでみせます。
わたしはわたしの世界でも幸せだよって、自慢に行きます。
そして、これまで同じ空間と時間を共有してきたわたしたち"アイドルとファンとしての幸せ"も、これからも変わらず、一緒に追いかけ続けていこうね。
それでは聞いてください。
テゴマスで、『はなむけ』。
おめでとう、シゲ加藤。
2024.03.06