note6 神々の誕生

神々の誕生

神々の誕生 解説


皆さん こんにちは。

今回は、神々の誕生 の解説をします。

国土を生み終えた伊邪那岐命・伊邪那美命の二柱の神は、さらに神々を次々にお生みになりました。
 最初にお生みになった神様の名前は、
大事忍男神(おおことおしおの神)(大きな事業を成し終えたことたたえる御名)です。
次に 石土毘比古神(いわつちびこのかみ)(石や土の男神)をお生みになり、
次に 石巣比売神(いわすひめのかみ)(石や砂の女神)をお生みになり、
次に 大戸日別神(おおとひわけのかみ)(家の戸口を守る神)をお生みになり、
次に 天之吹男神(あめのふきおのかみ)(葺いた屋根を守る神)をお生みになり
次に 大屋毘古神(おおやびこのかみ)(家屋を守る神)をお生みになり、
次に 風木津別之忍男神(かざもつわけのおしおのかみ)(風から家を守る神)をお生みになりました。
ここまでの神々の系譜は家屋の成立を示しています。

次に、海を主宰する神の 大綿津見神(おおわたつみのかみ)をお生みになり、
河口を掌る 水戸神(みなとのかみ)である 速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と 妹速秋津比売神(いもはやあきつひめのかみ)の夫婦神をお生みになりました。

大事忍男神より妹速秋津比売神まで合わせて十柱です。
この 速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と 妹速秋津比売神(いもはやあきつひめのかみ)の二柱が、河と海とでそれぞれ分担してお生みになった神様の名前は、 沫邪芸神(あわなぎのかみ) と 沫那美神(あわなみのかみ)(この二柱は水面を穏やかに守る神)、
次に 頬那芸神(つらなぎのかみ) と 頬那美神(つらなみのかみ) (この二柱も水面を静かに守る神)です。
次に 天之水分神(あめのみくまりのかみ) と 国之水分神(くにのみくまりのかみ) (この二柱は天上と地上の水を分配する分水嶺を司る神)、
次に 天之久比奢母智神(あめのくひざもちのかみ) と 国之久比奢母智神(くにのくひざもちのかみ)(ひさご、すなわちひょうたんから作る器をもって水を汲む神)。
沫邪芸神 より 国之久比奢母智神 まで合わせて八柱、すべて水に関係のある神様です。
言霊の原理によると、これらの八柱の神は 速秋津日子と速秋津比売の二柱の神が生んだというわけではありません。河と海とに分け持っただけで、生んだのはあくまでも伊邪那岐命と伊邪那美命です。国生みや神生みは、父韻と母音(ぼおん)によって子音(しおん)を生むという話しだというのです。

 次に風を司る神の 志那都比古神(しなつひこのかみ) をお生みになり、
次に 木を司る神の 久久能智神(くくのちのかみ) をお生みになり、次に山を司る神の 大山津見神(おおやまつみのかみ) をお生みになり 次に 野を司る神の 鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ) をお生みになりました。この神様のまたの名前は、野椎神(ぬつちのかみ) と言います。

志那都比古神 より 野椎神 までを合わせて四柱です。

この大山津見神 と 野椎神 の二柱の神が、山と野をそれぞれ分担してお生みになった神様の名前は、天之狭土神(あめのさづちのかみ) と 国之狭土神(くにのさづちのかみ)(この二柱は山や野の土の神)、
次に 天之狭霧神(あめのさぎりのかみ) と 国之狭霧神(くにさぎりのかみ)(この二柱は山や野の霧の神)、
次の 天之闇戸神(あめのくらどのかみ) と 国之闇戸神(くにのくらどのかみ)(この二柱は渓谷・谷間の神)、
次に 大戸惑子神(おおとまとひこのかみ) と 大戸惑女神(おおとまとひめのかみ)(山のために陰になった所の神)をお生みになりました。
天之狭土神 より 大戸惑女神 まで合わせて八柱。以上の八柱は、山や野の土・霧・谷間・山陰というようにすべて山や野に関係する神様です。
 次にお生みになった神様の名前は、鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)(鳥のように速く、丈夫な楠の船の神)、
またの名は、天鳥船(あめのとりふね)(あたかも鳥が大空を飛ぶように速い船という意味)と言います。
 次に 大宜都比売神(おおげつひめのかみ)(食物を司る神)をお生みになりました。
次に 火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)(火の神で物を焼く威力を神格化した神)をお生みになりました。
またの名は、火之(ひの)かが毘古神(びこのかみ)(火の輝く威力を神格化した神)とも言い、
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)(光り輝く火の神)とも言います。
 この火の神である御子をお生みになったために、伊邪那美命は陰部が焼かれて病気になりました。その病の床につかれた伊邪那美命の嘔吐物から鉱山の神様であります。
金山毘古神(かなやまびこのかみ) と 金山毘売(かなやまびめの)神(かみ)がお生まれになりました。
次に大便からは、ねば土(粘土)の神様であります 波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ) と 波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ) がお生まれになりました。
次に小便からは水の神であります 彌都波能売神(みつはのめのかみ) と農業の生産を司る 和久産巣日神(わくむすひのかみ)がお生まれになりました。この 和久産巣日神の御子は食物を司る神様であります 豊受気毘売神(とようけびめのかみ) と言います。この神様は伊勢神宮外宮(げくう)のご祭神です。
 このようなわけで、伊邪那美命は火の神をお生みになったことが原因で、ついにお隠れになりました。天鳥船 から 豊受気毘売神 までを合わせて八柱です。 
 伊邪那岐命と伊邪那美命の二柱の神がご一緒にお生みになったのは全部で十四(とあまりよ)島、また、神々は三十五柱(みそじまりいつはしら)です。これは伊邪那美命がまだお隠れになる前にお生みになりました。ただ、おのごろ島はお生みになったのではありません。また、蛭子と淡島は御子の中には入れません。

 ここまでが、神々の誕生の原文の解説になります。
  八百万の神々という表現もありますが、伊邪那岐命と伊邪那美命によって、たくさんの国土と神々が生まれました。しかしながら、この国生み・神生みには、他に何か意味・意図があるのでしょうか。神様とは本来どのようなご存在なのでしょうか。
 言霊の原理によると、天之御中主神から火之迦具土神の五十(いその)神までが五十音の言霊を表しているというのです。そして、伊邪那美命がお隠れになったあとに生れる五十神は、言霊の運用法則を表しているというのです。
 これら言霊の原理・運用の解説は 別の機会にしたいと思います。
 
 今回はここまでです。
 ありがとうございました。

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