太田 省吾『なにもかもなくしてみる』(五柳叢書、2005年)を読みました。
沈黙演劇の太田省吾さんのエッセイ集。深いことを考えていらっしゃいます…
本書より…
「最高にハイの瞬間だったが、エゴが高揚するハイの瞬間(ハイの瞬間はたいていそうなのだが)ではなくて、エゴが消失するハイの瞬間だった。」わたしは、この言葉をアッという気持ちで受け取った。<劇的>と言う概念<反劇的>に、なんらかの<歓び=ハイ>を感じ合うことを目指す。だが、その<歓び=ハイ>の時は、<劇的>とは言えない種類のハイ、「エゴが消失するハイ」だった。<エゴ>とは社会的自己、<ハイ>とは、新鮮で驚きに満ちた充実した時、と言いかえてみる。すると、「エゴが消失するハイの瞬間」とは、社会的自己から脱して感じられる新鮮で驚きに満ちた歓びを感じる時ということになる。
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