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唐十郎『唐十郎Ⅰ 少女仮面/唐版 風の又三郎/少女都市からの呼び声』(ハヤカワ演劇文庫、2019年)を読みました。

在宅勤務になってから近くの河川敷でジョギングしています。適当な靴がなかったのでサッカーのトレシューで(「この感覚懐かしいな~」なんて思いながら)走っていました。毎回7km~13kmくらい走るのですがクッション性もあまりなく結構関節に来る感じで2ヶ月も使うと靴底のイボイボも半分くらい摩耗してきていました。部屋の掃除をしていると大学入学の時に買ったジョギングシューズが出てきたので今日はそれで走ったのですがクッションもふかふかでゆったり足を包んでくれて何と快適なことでしょう。やはりトレシューはジョギングに向いていないのか?そんな靴でサッカーしていいのか?などと思っていました。

さて、最近、唐十郎の戯曲を読み始めています。十数年前、横浜にいた頃によく観に行っていた唐ゼミの公演が思い出され、過去の映像などを見直してみると昔よりも面白い。そこで原文の方にもチャレンジしています。感じるのはテキストから唐十郎の演劇をつくるのがどれほど大変かということ。不条理なテキストを解釈しそれを3次元のダイナミックな映像として再現するのには高度な想像力その他が必要だということがよくわかります。そして唐ゼミの演劇が自分の血肉になっていることもよくわかります。唐十郎の演劇がさらに面白くなってしまいました…それにしても、唐さんの戯曲にはガラスや蛇や禿鷹がよく出てくるな。

本書より…

禿鷹に聞いてごらん 腐った肉喰う禿鷹に 禿鷹さえも喰わないものは何処にいる
女の腐ったのでもなく 男の腐ったものでもなく 腐ったものが腐った奴
それが三体 ゴロリと寝てる でも俺達 探偵 腐った探偵
犬より尾行にたけるには 犬も喰わない体を持たにゃならぬ
それで俺たち腐ってる
禿鷹に聞いてごらん 腐った肉喰う禿鷹に
それが何処にいるか聞いてごらん ここにいるの

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