唐 十郎『特権的肉体論』(白水社、1997年)を読みました。
唐さんのよく知られたエッセイ集。唐さんの連想・妄想・ファンタジーを堪能できます。唐さんにガイドされ異世界へ旅立てます。唯一無二。
本書より…
江戸の文人が、二階の押し入れにお化けを飼っていたように、昭和の戯作者もまた、脳底骨に二匹の蛇を飼っているのも当然である。さて、これが僕の蛇である。それは一匹ではなく、お互いは噛み合った時、世話人の情念を発散する二匹の蛇のことだ。そして、蛇飼いの芸術は、けっして蛇から解放されることはないということも知らなければならない。
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