がんをめぐる冒険(5)がんの疑いカミングアウト

生検手術から2週間後、形成外科で言われたのは転移がんの疑い。
「生検の途中経過なので詳細はもう少しかかりますが、検査の方がコロナにかかってちょっと時間を要します」

えーっ!
こんなアンチエイジング美容がメインの形成外科で、死に至る病の宣告はあまりにも不釣り合いで、深刻なのかどうなのかもわからないし、受け入れられません。
情報量が多すぎて、ぽかーんとするしかありませんでした。
原発がん(地震で言えば震源地)と転移がんは顔が違うらしく、まずは原発を探す必要があります。
そこでCTとPET検査を予約。PETは四谷の専門クリニックに行くことになりました。この際だからさっさと進めるしかない、最速で予約できる日にバンバン入れて動くしかない。

初めてがんの疑いの話を他人に話したのは3日後。自分でも受け止めきれず、人に言えなかった。
1年前にがんになったアネゴの手伝いはしていても、いざ自分となると話せず、どうしたものかキャパオーバーを起こしていました。


最初にカミングアウトしたのは製薬業界のミミさん。
「この前、がんの疑いがある、って言われちゃって……」
サラッと話すと、
昔、難病と診断され、大きな病院で原因を探した挙句、結局〝人より鼻の穴が大きかっただけ〟だった、という彼女の面白体験談を話してくれました。
「だーいじょうぶ! 誤診も多いから!」と笑いに変えてくれて、そこから気持ちが楽になりました。

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