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さいごに

日本のアニメ業界は分岐点に差し掛かっている。MAPPAやアニプレックスが手掛けるグローバルを狙うヒットコンテンツ、そしてP.A.WORKSや京都アニメーションが手掛けるニッチな分野を狙うキラーコンテンツ。アニメ業界は大まかに分けて、この2つのコンテンツの流れとなっている。もちろん大衆ウケがいいのは『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』のようなグローバルなヒットコンテンツだ。しかし、クリエイティビティな目線で見ると『小林さんちのメイドラゴン』や『白い砂のアクアトープ』は面白いコンセプトとなっている。ちなみに僕の視点では、『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』みたいな作品は、海外のクリエイターでも作れそうな気がする。実際、『呪術廻戦』の監督は韓国のアニメーターだ。一方、『小林さんちのメイドラゴン』のような作品が海外で制作されるビジョンは見えてこない。おそらく日本でしか作れないアニメなのではないだろうか。そう考えると、「売上を出せば日本のアニメ業界のためになる」とは言えない気がしてくる。

そして2022年、僕は「リメイク作品」の年になると予想している。なぜならあの大人気コンテンツ『スラムダンク』が上映される予定だからだ。1990年代以前のアニメを現代のアニメ技術でリメイクする流れが、2022年に本格化する。僕はそんな風に予想している。その流れを担っているのが『スラムダンク』だ。劇場版『スラムダンク』が成功すれば、多くの業界関係者が「リメイク作品が売れる!」と解釈するようになるだろう。そして全盛期が過ぎた作品をリメイクする流れがメインストリームになっていくのだ。逆に言えば『スラムダンク』がこけた場合、「リメイク作品はやっぱり難しい」という印象を、業界全体に与えることになってしまう。

ちなみに2022年は『ブリーチ』と『うる星やつら』も放送される。特に『うる星やつら』がヒットした場合、高橋留美子作品が一気にリメイクされる可能性が出てくる。そうなれば『めぞん一刻』や『らんま1/2』といった名作がリメイクされる。これは低迷中のサンデーにとっては大チャンスだろう。

さいごに、『2021年のアニメ論』をnoteで読んでくださり、ありがとうございます。元々Kindleで販売していたものを、noteの横書きでも読みやすいように編集し、投稿させていただきました。
『2021年のアニメ論』の表紙の背景には、秋葉原の電気街を採用させていただきました。今後も1年に1度『〇〇年のアニメ論』シリーズを展開する予定です。その際には、アニメにまつわる場所を表紙の背景にしていこうと思っています。
今後も、Kindle出版した書籍は、noteでも読めるようにしていこうと思うので、ぜひ読んでみてください。

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