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聖なる果物、橘

柑橘類の中で日本原産のものである橘についてです。
ビタミンなどの健康効果もありますが、見えない部分にも意味というものがあります

いかに大切な果物かと言うと、左近の桜、右近の橘という言葉あるくらいですからね。その位の重要な存在です。

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生物学的な話をすれば、常緑樹で数メートル程度の木です。枝は緑色で、葉は光沢があり、5月をすぎると小さくて綺麗な白い花が咲きます。

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5月を橘月という呼ぶのは、この花が咲くためです。また、この花が咲く頃に農業を開始するため、暦を教えてくれる存在でもありました。

たちばなという言霊は、たちと言う部分が立ちのことであり、神が出ると言うことです。暦を伝えることと相まって、神聖な植物とされます。

万葉集にも橘のことが出てきます。

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橘は実さへ花さへその葉さへ枝に霜降れどいや常葉の樹

霜が降る様な寒さになっても、常緑樹であるために枯れない様を読んでいます。
古代人にとって枯れないということで、長寿と幸福の象徴だったのでしょう。常世の国の象徴として橘が扱われたのもその冬でも枯れない姿があったからです。

神聖な植物だったため、花橘は菖蒲と共に、長寿の咒に使われました。平安時代には邪を避ける結界としても使われています。

たしかに味は酸っぱいという部分もありましたが、アメリカとのオレンジ輸入自由化交渉に敗れて、この素晴らしい橘が影が薄くなってしまったのは痛恨の極みと言えるでしょう。見えない部分の強さはこのように削いでいくのです。
万葉集にも出てくるのに、古典でも教えては貰えず、教育と貿易の両面から見えない部分をないがしろにしていることが心配だったため、このような活動をしています。
皆さまも何が大切なのは見極めるためにも、ぜひ一緒に学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。