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【トレードに活かす】ミュラー・リヤーの錯視(さくし)

簡単に説明:ミュラー・リヤー錯視(さくし)とは


ミュラー・リヤー錯視(Müller-Lyer illusion)は、線の長さに関する視覚的な錯覚です。

ちょっと覚え難い名前ではありますが、
錯覚のお話です。

一般的な例として用いられるのが下の画像です。



一つの線分の両端には外向きの矢印("Fins out")。
※上の線

もう一つの線分の両端には内向きの矢印("Fins in")が描かれています。
※下の線

内向きの矢印が付いた線分は、外向きの矢印が付いた線分よりも長く見える傾向があります。

しかし実際には、両方の線分は同じ長さです。

この錯視は、人間の視覚システムが角度や角の情報を解釈する際の認知的な歪みによって生じると考えられています。

実際に線を引いてみるとわかりやすいです。

実はトレーダーはこのミュラー・リヤー錯視の影響を受けている人が多い傾向があります。


トレーディングでの錯視

金融市場では、トレーダーは常に価格の変動、トレンド、パターンを解釈します。しかし、ミュラー・リヤー錯視が示すように、私たちの認識は常に正確とは限りません。市場の動きを分析する際、トレーダーも同様の認知的バイアスに影響されることがあります。

たとえば、短期的な価格の動きに過度に焦点を当てることで、長期的なトレンドが見過ごされることがあります。これは、ミュラー・リヤー錯視において線の実際の長さを見誤るのに似ています。トレーダーは、市場の「ノイズ」に惑わされて、大きな絵を見失うことがあります。

意思決定におけるバイアスの認識

この錯視から学ぶべき重要な教訓は、私たちの知覚がいかに簡単に歪められるかということです。

金融トレーダーとしては、自分の判断が常に客観的であるとは限らないと認識することが大切です。

市場データを分析する際は、自分のバイアスや先入観を意識し、複数の視点から情報を考えることが重要です。

ミュラー・リヤー錯視は、私たちの認知的な限界を思い出させてくれます。金融トレーディングにおいて、このような心理的な要素を理解し、それを考慮に入れることが、より賢明な投資決定につながるでしょう。
市場は数値とデータで満たされていますが、それを解釈するのは人間の心です。
だからこそ、私たちの知覚の歪みを理解し、それを管理することが重要となります。

ミュラー・リヤー錯視は色々な場面で活用されている

主に活用されている業界は

心理学と認知科学の研究、教育分野、デザインとアート、広告業界だと思います。

この中でたくさんの関心があつまるところは
広告業界の活用方法
についてだと思います。

広告業界において、ミュラー・リヤー錯視のような視覚的錯覚を利用する例は非常に多彩で、消費者の注意を引き、記憶に残る印象を与えるために用いられます。以下に具体的な例とその活用方法を説明します。

商品のサイズや形状の強調

実際の例: パッケージデザインにおいて、ミュラー・リヤー錯視を利用して、商品が実際よりも大きく見えるようにする戦略が取られることがあります。

例えば、あるスナック菓子のパッケージで、錯覚を使って商品の量が多く見えるようにデザインされた事例があります。パッケージの端にある線やパターンが、中身が多く見えるように誘導する効果を持っていました。

1つ具体例をあげると、ポッキーはわかりやすいかもしれません。
パッケージの側面に線を配置し、それらの端に矢印形のデザインを加えます。外向きの矢印を使用することで、パッケージの幅が実際よりも広く見えるように錯覚を生み出します。
その他、正面のグラフィックデザインや色の選択とコントラストなどなど。
かなり計算されて作らている印象があります。

視覚的な引き付け

実際の例: 広告ポスターやビルボードにおいて、錯覚を利用して視覚的な興味を引くデザインが採用されることがあります。

例えば、ある自動車メーカーが行ったキャンペーンでは、ミュラー・リヤー錯視を用いて車の速さや力強さを暗示するようなデザインが用いられました。
車の周囲に錯覚的な線が描かれ、それが車の動きをよりダイナミックに見せる効果を生み出していました。

これらの例は、ミュラー・リヤー錯視が単なる視覚的なトリックを超え、メッセージを伝えたり、商品の特徴を際立たせたりする強力なツールとして広告業界でどのように利用されているかを示しています。このような錯覚を活用することで、広告は消費者の注意を引き、深い印象を残すことが可能になります。

トレードを勉強することで様々なことが学べる

少し脱線しましたが、ほかの業界での活用事例を紹介したのには理由があります。

よくトレードを勉強すると
「経済のことが学べる」や、「世界情勢について深い洞察を持つことが出来る」といわれます。

確かにその側面もあるかとは思いますが、それよりもトレードを学ぶことで

人間

について深く興味をもつようになります。

その中で知っておいたほうがよい、理論や法則や方程式などがたくさんあります。
例えば、プロスペクト理論については沢山の方がご存じだと思いますがそのほか、
効率的市場仮説(EMH)

ポートフォリオ理論

キャピタル・アセット・プライシング・モデル(CAPM)

オプション価格理論

行動ファイナンス

などがぱっと出てきますがまだまだあります。

アービトラージ価格理論(APT)、モダリアニ・ミラー定理、ランダム・ウォーク理論、ダウ理論、ゲーム理論
などときりがありませんが、
1つずつ丁寧に学ぶことでトレーダーのレベルがあがると思います。

今後もすこしずつ取り上げていきたいと思います。


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