見出し画像

Sonnar50mm祭り

今年の2月に後輩のAfクンからCarl Zeiss Jena Sonnar 1:1,5 f=5cmを借りていて、モノクロフィルムで撮影した。

緊急事態宣言下でも、M3に装着してぶらぶら撮影した。

例年だと8月の新宿髙島屋で開催される中古市でAfクンと会って、写真を撮って会食するのだが、今年は高島屋でのイベントもなく、どうしようかと思ったが、新宿に北村写真機店もできたし、EOS Rも買ったので借りていたゾナーも返却する必要もあり、8/12に会う約束をした。

すると、Afクンが貸しているゾナーを含め、全部で6本持っているので、EOS Rで撮り比べしてみませんか?、と言う。面白そうなので乗ることにした。

北村写真機店を見てから半蔵門に移動し、JCIIで竹内敏信展を見て、近くにあったカフェに入った。撮影はこのカフェで行うことになった。幸いカフェが空いていたので、店の端っこの席で、カメラにレンズをとっかえひっかえして写真を撮っていても、とがめられることはなかった。

以下に撮影した画像を公開するが、遊びでやっているので、露出もピントも適当、絞りはすべて開放、最短撮影距離で撮影した。もしこれを見て、こんな写真で何が分かるんだ!、と言われてもそんなことは知りません…。対象はAfクンのMPアラカルト!しかもハンカチの上に乗せて撮影という見栄え関係なしの構図、以下のレンズの解説はAfクン書下ろしの原文そのままです!!

↑ 1本目:戦前、ブラックコンタックス用の黒塗とニッケルメッキ仕上
多分ゾナー50/1,5の試作品第一号、製造番号1,374,379、レンズの後群は1,374,380。79は1932年5月12日に設計完了して24日完成。80は7月6日に設計完了で13日完成。試作品なのでそれぞれで1ロット。2005年8月の引越す直前のスキヤカメラで購入。その前にツァイスレンズの製造番号リストの洋書を買ってたので一度見掛けてからリスト見て驚愕の翌日に購入か。貴重なレンズが日本にあるのか謎、珍品の注意書きも無くバル切れの程度悪いレンズて価格だった。

↑ 2本目:戦前、クロームコンタックス用のクロームメッキ仕上
製造番号2,552,158。1935年4月15日に設計完了して6月3日完成のロット、2,551,801から2,554,800の3千本の一本。鏡筒の仕上げも素晴しくレンズも黄色の着色もなく普通に透明。戦中戦後のレンズはガラスが黄色がかったのが多い。

↑ 3本目:戦後東独、クロームコンタックス用のクロームメッキ仕上
製造番号3,058,207。1935年8月15日に設計完了して同47年8月15日完成のロット、3,051,301から3,052,800の15百本の一本。鏡筒の仕上げが相当簡略化され、レンズも今時のブルーライト対応みたいに黄色い。この時期のカメラ製造は今でいう珍品のイエナコンタックスかソ連のキエフが始まる頃だがレンズは多量に作られてるのが不思議。この写真はレンズが黄色いためC2フィルターを装着して補正している。

↑ 4本目:戦後西独、シュツットガルト製コンタックス用のクロームメッキ仕上
製造番号1,442,982。1951年3月28日に設計完了して多分1956年製造のロット、1,437,440から1,445,941の9千本の一本。西独に逃げたツァイスの部門がオーバーコーヘンに拠点を作って製造したレンズ。設計も新しくなっている。同じ戦後でも黄色の着色もなく普通に透明。今に連なるツァイスレンズの製造番号はこの西独で10,000から始まって東独とは別系統。

ライカスクリューマウント互換
製造番号00,000,798。多分2016年製造。ロットは未公表で不明。ソ連が戦時賠償でドイツから設備と技術者を移した経緯のあるレンズの復刻生産。ほぼ戦前と同じ設計でコーティングが多層膜なのが要点。オーストリアのロモグラフィーが限定数を販売。製造番号はツァイスも以前の製造とも関連無し。

↑ 6本目:戦後日本製、長野県コシナ製ツァイスイコン用の黒メッキ仕上
製造番号15,933,847。多分2012年製造。ロットは未公表で不明。2005年発売されたコシナ製ツァイスイコンてRFカメラ用に出た新設計のレンズ。カメラは2015年頃に中止でレンズだけが続いている。2010年にソニーがミラーレスデジカメNEXを発売、レンズ遊びが流行らなければ販売不振で中止が見込まれていた。

まあ、こんな条件で撮影しても、写りの違いなどよく分からないということが分かった。自分たちがこれらのレンズのどれを使って撮影しても、撮れる写真に大きな違いはないのだろう。違いを精密な撮影条件で明確にして解説するライターさんの仕事は結構大変なのだろうと思う…。

↑ おまけ:New FD 50mm F1.4(撮影距離はゾナーに合わせた)

こんなことしても意味がないという人も大勢いるだろう。でもこういうことをするのって、結構楽しい!(家族の理解は得られないが…)

次は40mm祭りが待っている…。

機材協力:後輩のAf氏。いつも感謝です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?