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2日目の午後はBRTで陸前高田へ

気仙沼の2日目は、小さいながらも「気嵐」も見えたし、自分としては満足な旅のスタートを切れたと思ったが、ホテルの朝食を取ってから、バスの長時間乗車で、お尻の痛さは取れず、睡眠不足も重なって身体が動かず、ちょっと横になっていると、あっという間にお昼になった。

とにかく時間が勿体ないので、具体的にどこに行くか決めようと思い、まずは目の前のJR気仙沼駅に、情報収集に向かった。

JR気仙沼駅というのは、いろんな意味で面白くて、見てて飽きない。駅舎の向こう側には、確かに線路がある。列車も入ってくる。一関へ向かう大船渡線だ。ところがこの大船渡線は、気仙沼駅でBRT乗り換えとなる。しかもそのBRTの行き先は大船渡ではなく「盛」だ。その先のJRとの接続のため。

気仙沼駅では『おかえりモネ』で、モネや菅波先生が乗った柳津(ドラマでは「桃津」)行きのBRTと、大船渡方面「盛」行きのBRTが激しく出入りする。

そもそもBRTはバスだから、一般の道路を通っても何ら支障はない。気仙沼に着いたBRTは、専用道路をひょいと曲がって、駅舎の横から駅前のロータリーにひょっこり顔を出す。BRTの待機所は、かなり離れた所にあるので、回送の文字を光らせて、一般のバスの走る道を下って行くのだ。逆に、気仙沼始のBRTは、逆に坂を登ってやってきて、駅の脇からひょいと専用道路に入ってホームの横に停まる。

この、一連の動きが、ホテルの2階の食事スペースからよく見えるので、ひとりの食事も、全然苦にならなかった。

余談はさておき、JR気仙沼駅で、駅発着のBRTやバスの時刻表を調べていて、意外なことに気づいた。お隣の岩手県、陸前高田まで、BRTでも30分くらいで行けるのだ。これなら、午後から出かけても、あの「奇跡の一本松」をゆっくり見られると思った。

本当のことを言えば、気仙沼に来た以上、真っ先に大島に行きたかった。田中浜を見たかったし、三生のお寺もお参りしたかった。でも、やや曇り気味の天候であったことと、どうせ撮るなら、午前中の光で撮りたいというプランがあったから、今日の大島行きは諦めた。

さすがにBRT。そこそこ便がある。向こうでの滞在時間を2時間程度と決め、午後の便で陸前高田に向かった。

「奇跡の一本松」という名の駅で降りた。ここには、広大な敷地を使って「高田松原復興祈念公園」が建設されている。正確には、建設され続けている。

白く横長に見えるのが管理棟で「道の駅高田松原」と「東日本大震災津波伝承館」が併設されている。堤防の海側には、一面に松が植樹されている。

震災遺構として保存されている、かつての道の駅。海に向かって階段状の構造だったことが幸いし、倒壊を免れたそうだ。しかも、最上部まで登ることができたので、5人の命を救ったという。

かつての道の駅の建物と反対方向にあるのが、奇跡の一本松のレプリカ。その向こうには、震災で壊された建造物と、新しい水門が見える。対照的で印象に残る光景だ。

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